軽自動車に7Jのホイールは履けるのか? 当たらないのか?
7Jのホイールを履く軽自動車は、カスタムの世界ではけっこういる。しかし日常で乗る軽自動車に、7Jのホイールは履けるのか? 6.5Jとのわずか0.5J分の太さの差で、どんな影響がでるのかをおさらいしながら考察。
カスタムの世界には、7Jを履いた軽自動車も少なくないが…
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軽自動車に7Jのホイールを履くことの是非について、Jラインに聞いてみたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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Jラインの推奨サイズ(リム幅)は、いつも言っている通り6.5Jですけどね。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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そうなんですけど……軽自動車カスタムの世界には、7Jを履く人もけっこういるじゃないですか。
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そうですね。7Jを履きたいというのは、ダイハツ車に多い要望ですね。スズキ車やホンダ車は、もう絶対ムリがあるんで。
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ダイハツ車のほうが、そこは有利なんですね。
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はい。
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つまり、ダイハツの軽自動車ならリム幅7Jのホイールでも入るってこと?
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……入れようと思えば、入れられますけど。
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7Jの話題においては、ノリが悪いJラインの氏家研究員。ここまでは、予想通りの反応です。
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まあね。
オススメではありませんから。 -
確かにJラインは昔から6.5Jがトータルバランスに優れていると考えて、6.5J+35を基準にリアアクスルキットを開発しています。
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その理由は、車高を落としたときに一番当たりにくいからです。
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それは分かっているのだが……でもね、氏家研究員!
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はい。
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6.5Jと7Jって、0.5J分太くなるだけ、なわけですよ。
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そうですね。1J=約25.4ミリなので、その半分の約12.7ミリ太くなる計算ですね。
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ふむ。
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そのアップ分を、ホイールの外側と内側に振り分けるとすれば、それぞれに6ミリ強伸びるイメージです。
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6.5Jから7Jに履き替えたとしても、内側と外側に6ミリちょっと伸びるだけ。
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まあ、そうなんですが……
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ここで!
Jライン最新作の現行タントを見てみましょう。 -
当然ながら今回のタントも、6.5J+35のJライン推奨ホイールサイズを履かせています。
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はい。
リアは6.5J+35ですね。 -
で、ツラウチになっているんだから、ここから6ミリくらい伸びてきたところで……
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ダメですね。
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なぜ?
どうして? -
外側は特になんですが……これ以上リムが伸びてくるのは、問題ありです。
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そうかなあ。もうちょっと車高を上げれば、6ミリは余裕で出せる気がするんですけど?
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平らな路面を真っ直ぐ走っているだけならいいんですが、ロールしたときや、ドンっと沈み込んだときに、ホイールがフェンダーに当たります。
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そんなにハッキリ変わるもの?
6ミリで。 -
変わりますよ。なぜかというと、Jラインではフルバンプした状態でセッティングしているんですが……
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その状態で、6.5J+35のホイールの外側が、ギリギリになるように設計していますから。
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そういうことか。
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フルバンプ時は、今のツラウチでギリギリなんだというふうに理解してください。
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今より車高を上げたところで、フルバンプしたらやっぱりギリギリだと。
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そうです。
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では、6.5Jから7Jにアップするとしたら……そのアップ分は、全部内側に回さないといけない。
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そうなりますね。
オフセットの選び方としては。 -
そうすると、内側に12.7ミリまるまる伸びることになりますが……
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そうです。
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その場合は、内側が当たらないのでしょうか?
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その場合は、ホイールの内側がショックに当たる可能性が大なんですよ。だからJラインとしては、6.5Jにしてくださいと言っているんです。
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……そういうことね。
振り出しに戻ってしまった感。
✔ フルバンプした状態でタイヤ&ホイールが当たらないなら、走行中に沈み込んでも当たらない。
※どうやって仮想フルバンプ状態を作っているかは、「わざとバンプタッチ(フルバンプ)させれば限界車高が分かる」参照。
沈み込んだときに当たってもいい、という考え方なら7Jも入るが…
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ホイールの内側は、軽自動車の場合はすぐ裏にあるショックに当たりやすい。
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実際のホイール内側のクリアランスがどの程度あるかは、ショックの太さによっても変わりますが。
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でも……軽自動車の場合は、そんなに隙間があるとは思えない。
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ですね。7Jとなると、ロールしたときにリムがぶつかる可能性が高い。
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なるほど。
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まあ、外側にしろ内側にしろ、ロールしたときには当たってもいい、っていうなら、7Jでもいいんじゃないか、ということになりますが。
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それはチョット……。
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軽自動車の場合はタイヤサイズが165しかないので、7Jを履いている時点で、引っ張りタイヤになり、当たるときはタイヤよりホイールが当たりやすいはずです。
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外側でも内側でも、接触すればリムに傷がつく可能性が高いってことか……。
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というわけで、Jラインアクスルを付けた状態で7Jが履けるかと言われたら、入ることは入るけど、当たりますよ、ということなんです。
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「当たる」のに「履ける」と言えるかどうかは、おおいに疑問ですね。
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どうしても7Jを履きたい場合は、今よりもうちょっと高い位置でフルバンプするようにセッティングするしかないですね。ツメも含めて車体側を加工しない前提で考えると。
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あれ!?
それってつまり、7Jを履く方法があるってこと?
✔ タイヤサイズが165で固定になっている以上、ホイールサイズを太くするほど引っ張りタイヤにならざるを得ない。
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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