スイングアームにホイール内側が干渉するケースの、意外な回避策。

スイングアームとは、車体の前後方向から車輪を支えているアーム。リアアクスルが左右輪をつなぐヨコ棒だとすれば、こっちは車体とつながるタテ棒という感じだ。このスイングアームにホイール内側が干渉してしまうケースがあるため、その回避策をJ-LINEに取材した。

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  本題に入る前に……。
  「スイングアーム」ってなんでしたっけ？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  スイングアームは、車体の前後方向に伸びているアームですね。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

コレがスイングアーム


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  リアアクスルがヨコ棒だとすれば、スイングアームはタテ棒みたいな感じか。


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  で、そのスイングアームを加工しないといけないケースがあるんです。

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  どんな時ですか？

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  定番的なのはワゴンRのように、スイングアームとリアアクスルが別体構造になっている軽自動車で、6.5Jクラスの太いホイールを履くとき、です。

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  このアームが、ホイールの太さと関係あるんですか？

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  太いホイールを履くと、スイングアームにホイールがぶつかってしまうケースがある、という話なんですよ。

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  ああ、そういうことか〜。

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  車高調だけでなくアクスルまで交換してローダウンするような軽自動車だと、6.5Jは定番サイズですが、この点は注意が必要です。

定番的な6.5J×165/40-16という履き方



6.5にルッチーニの165/40-16を引っ張るのが、J-LINEの定番的手法。

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  あ！ それって……6.5Jでもオフセット（インセット）を変えて、ホイールを外側に出せば逃がせるのでは？

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  ホイールを外に出せば、内側のスイングアーム干渉はかわせるんですが、そのやり方だと結局外側が当たってしまうんです。

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  あー、そう言えばそんな話がありましたね。

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  タイヤハウス内はアーチ状。外側方向にズラすということは、天井よりアーチが低いところにタイヤが来ることになるので、上下の動きで当たりやすくなります。

  ※「165/40-16と6.5Jのマッチングが軽自動車のローダウンに一番有利」参照。

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  なるほど。そもそも軽自動車のタイヤハウスだと、6.5J以上は、奥にも手前にも余裕がないシビアさなんだ。

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  じゃあ、ワゴンRに6.5Jを履いている人は、みんなリアのスイングアームを加工して履いているんですね〜。

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  いや、そんなことはないですよ。

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  ……はい？

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  スイングアーム加工をしないで、6.5Jをかわす方法があります。

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  それは聞いておかないと。

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  リアアクスルでキャンバー角を5度付ければ、かわせるんです。

✔ ひとくちメモ

J-LINEのリアアクスルキットはキャンバー角3度╱5度╱8度が選べる。

5度のキャンバー角


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  ほほぅ。
  そんな解決策があるとはね

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  言い方を変えると、ワゴンRはキャンバー角が3度だと、6.5Jが履けない、ということなんです。

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  フムフム。

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  6.5Jを履くつもりならば、リアアクスルのキャンバー角は5度以上を選んでください、と伝えています。

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  ところで……もしキャンバー角3度にこだわるとすれば、何Jまで履けるんだろう？

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  スイングアームを加工しないとすれば、6Jまで、なんですよ。

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  ……と今まで説明したのが基本ではありますが、キャンバー角3度だけどスイングアームを加工したくない、という人にちょっとした裏技もあります。

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  まだ、あるのか、妙なワザが。

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  スイングアームを、いったん取り外すんですよ。

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  取り外して……そして？

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  アームのブッシュというのは圧入されているものなので、意外と奥に入れ込む余地がある。

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  ブッシュを奥に、押し込むみたいな？

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  そうです。ブッシュをぎゅっと奥に入れてアームを付けることで、スイングアームを1センチ前後くらいは奥に入れられます。

ブッシュを押し込むようにしてアームを締め直す


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  それでホイールのリムがかわせるかも知れないんだ。

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  そういうことです。

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  それでダメなら、加工するしかないってわけですね。

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  ですね。
  その場合は、スイングアームを少し削ります。

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  ……ところでスイングアーム干渉が問題になるのは、ワゴンRだけじゃないですよねぇ？

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  そうなんですけど、ムーヴのようなダイハツ車は別の対策が打てるんですよ。

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  と言うと？

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  まず、ワゴンRの場合は、スイングアームとリアアクスルが別体構造（↓）になっていますよね。

ワゴンRのリアアクスル形状


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  これがムーヴだと、スイングアーム部分まで一体化したようなリアアクスル形状（↓）になっています。

スイングアーム一体型のリアアクスル


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  ほー。
  リアアクスルの形って、全然違うんですね。

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  で、ムーヴで6.5Jを履きたい場合は、J-LINE側での加工段階で処理できるわけですよ。

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  ああ、そういうことね。

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  「ホイール接触部アーム加工」というオプションメニューの用意があります。

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  つまりそのオプション加工をしておけば、アクスルキットを付ける時点で、6.5Jが接触はしないようになってるんだ。

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  そうなんです。ところがワゴンRの場合は、スイングアーム部分は、リアアクスルとは別。なので、J-LINE側としては手が出せないわけですね。

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  だから、キャンバー角を5度付けるのが現実的ってことか〜。

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  キャンバー角5度は一番人気があるモデルなんですが、今日の話も、その理由のひとつではあります。