ドレスアップ用語解説

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カンデラ、ルーメン、ルクスの違いをスッキリ理解

カンデラ、ルーメン、ルクス。どれも聞いたことはある。しかし違いがわかりにくい。例えばLEDバルブの商品の箱には「ルーメン」がうたわれているのに、車検の時は「何カンデラ以上必要」など、謎すぎるランプ用語。ここでいったん整理してみよう。

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  LEDバルブを買おうとすると、箱の表記は「ルーメン」。しかし、いざ車検になると「何カンデラ以上必要」などと言われたりして、もうワケがわからないランプ用語！

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ……アハハ。
  ちょっと、怨みに思っているみたいですね。

  ●アドバイザー：IPF 市川研究員

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  今日は、そんな分かりにくい自動車のランプ用語について整理します。

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  車業界でよく出てくるのは、ルーメンとカンデラですね。家電業界だと、ルクス表記も多いですが。

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  ルーメン・カンデラ・ルクス……。「結局、明るさはどれ！」ってツッコミたくなるばかりですね。

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  ルーメンに関しては「ルーメンとは？」の記事で解説しましたが、光源から出ている光の総量のことなんですね。

全方向に出た光を、全部集めて測定するのがルーメン



ルーメンの測定には「積分球」という球体状の測定器を用いる。

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  つまり車のヘッドライトでいうと……。純正の電球であれ、HIDであれ、LEDであれ、バルブが出している光の量ってことですね。

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  そうですね。簡単に言えば、「光源の明るさ」を示す数値として「ルーメン（全光束）」が使われます。

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  ところが、ルーメン値の高いLEDヘッドライトバルブを買ったのに、いざヘッドライトに付けたらそうでもなかった、なんてことが起こりうるのが車業界です！

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  ……アハハ。
  だいぶ、怨みがあるんですね。

「照らした場所」の明るさは、ルーメン値とは別！


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  バルブの明るさじゃなくて、路面の明るさを教えてよ！ というのが消費者の声だと思いますが！

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  それはルーメンでは分かりませんね。「照らされた場所の明るさ」を示す数値は、「ルクス（照度）」なんです。

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  じゃあ、例えばIPFのLEDヘッドライトバルブのルクスを測ろうと思ったら……

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  車のヘッドライトバルブの場合は、灯具（ヘッドライト）に収めて初めて地面を照らすもの。なので、ヘッドライトに付けて測定します。

ルクスは灯具（ヘッドライト）に収めて測定する


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  今回の例（↑）では、ハイエースのヘッドライトに収めています。

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  ……これって、ヘッドライトが違う車種だったら、結果が変わる？

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  当然、ルクスの数値は変わってしまいますね。

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  だからHIDやLEDのバルブに、ルクス表記はできないんですね〜。

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  そうなんです。さらにルクスの場合は、あくまでも「照らされた場所の明るさ」なので、測定距離で数値がどうとでも変わってしまいます。

まずは25メーター先のボードに照射してみた！



157ルクスと出た！


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  測光ポイントによっても変わってしまうので、左上がりのカットラインが立ち上がるエルボー点の下あたりを計測しました。 ※一番明るいポイント、というわけではありません。

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  今回のテストでは、車検場と同じ25メーター先のボードを照らしました。ここで150ルクス位だったものが……

3メーター先に置いたボードを照らすと……



5000ルクスを超えてしまった！


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  3メーター先に置いたボードで、ほぼ同じエルボー点の下あたりを測定すると、5100ルクス超まで上昇しました。

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  イキナリ、何十倍にもアップしましたね。

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  今回のはザックリとした計測ですが、ルクスの数値が測り方で大きく変わることは、分かって頂けるかと……

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  近いほうが壁や路面が明るくなるのは、当たり前ですね。

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  そうなんですよ。場所の明るさを調べるならルクスでいいんですが、灯具の性能比較には使えないのです。

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  ウチのLEDヘッドライトはウン万ルクスだぞとか、大きいことを言うためには測定距離を近づければいいのか！

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  そーなんですよ。

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  消費者の立場からすると、まったく意味ないですね。

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  灯体（ヘッドライトなど）の性能を示す数字としては、ルクスではなく「カンデラ」（光度）を用いることになります。

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  ここでカンデラの登場か〜。車検で測るのは、カンデラですね。

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  カンデラはルクスを元に算出できる数値。そしてルクスと違って、測定距離は関係なくなります。

カンデラの計算方法

「ルクス」×「距離」×「距離」（※二乗）

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  つまり近くで測っても、遠くで測っても同じ数値になる。

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  ただし、カンデラだって光源からの角度がズレたら数値は大きく変わってしまう。だから車検でも「測光ポイント」というのが決められているんです。

ヘッドライトのカンデラ測光ポイント



「照明部中心の高さが1mを越える」クルマの場合は、照明部中心の左23センチ・下16センチの位置が測定ポイントとなるが、たいての車種は1m以下なので、上写真の条件になる。

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  カットラインを基準にして、測光ポイントが定められている。

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  そうですね。だからカットラインが出てないと、そもそも車検に通らないっていう、例の話ですね。

  ※「H4ヘッドライトのLED化は配光性能が問われる時代へ」参照。

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  でも、車検時のヘッドライトの測定は距離が決まっていましたよね？

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  25メーター先と決まっています。

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  それなら……。
  ルクスでもいいような気がしますけど？

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  そこは、保安基準がカンデラで表記されているから、車検でもカンデラを測定しているんでしょうね、きっと。

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  でもそのカンデラ算出の基準になっているのは、ルクスなんですね。

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  例えば、今、車検場と同じ25メーター先の明るさを測っているので……

ルクス×距離の二乗＝カンデラなので……


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  実際の車検では、テスターがこんな風に（↑）ルクスを元にカンデラを自動算出しています。

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  上の表示でいうと、ルクス×25×25（距離の二乗）＝カンデラの数値になりますね！

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  結果としてカンデラは、距離が変わっても（測光ポイントが厳密に同じなら）同じ数値になります。

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  なるほど。要するにカンデラは、ヘッドライトの性能を測っている。

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  そういうことです。バルブだけ単体で明るくても意味がないので、「バルブのルーメン」ではなく、「ヘッドライトのカンデラ」を調べているんですね。

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  ユーザーからすると、「じゃあカンデラを商品の箱に書いてよ！」という思いになりますが。

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  しかし、どの車のヘッドライトを入れるかで数値が変わってしまうので、バルブの性能を示す数値としては、やはり使えないのです。

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  カンデラは、バルブではなく灯具（ヘッドライト等）の性能を示す数値になるのか。

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  そうなんです。「このヘッドライトの最高光度なら何カンデラだ！」……という風になら、カンデラ表記は使えますね。

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  でも、「このヘッドライトって何ルクスですか？」と聞かれても困るんだ。

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  ですね。「何メートル先の地面が何ルクスになります」……みたいな答えになってしまう。

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  整理すると、「バルブの明るさはルーメン」「ヘッドライト（灯具）の性能はカンデラ」「路面の明るさはルクス」みたいな感じですね。