エレクトロタップの外し方(正しい取り外し方法)
- 1
- 2
エレクトロタップの外し方。付け方はわかっていても、いざ電装品を外そうと思ったら、「エレクトロタップの取り外しってどうやるの?」ということはありがち。強引に外すことはできるかもしれないが、スマートにキレイに外す方法を知っておきたい。
意外と知らない人が多い、エレクトロタップの外し方
-
配線の分岐や、純正配線からの電源取り出しでバンバン使われるエレクトロタップ。
●レポーター:イルミちゃん
-
電装品の製品取り付けでも、エレクトロタップはよく出てきますね。
●アドバイザー:デンクル 岡本研究員
-
ハンダが使えなくても、カンタンに配線を分岐できるので便利なんですが……
-
そのように取り付けた電装品を取り外すときには、どうすればいいのでしょうか?
-
なるほど。
外すときの心配ですね。 -
カプラーオンなら、カプラーをつなぎ直すだけで元通り。でもエレクトロタップで純正配線に合流させたところは、そうはいかないでしょう?
-
エレクトロタップの外し方(取り外し方法)を知っていれば取るのはカンタンです。
-
どうやって外すんですか?
-
細めのマイナスドライバー1本あれば、取り外しできますよ。
-
フムフム。
-
隙間からマイナスドライバー先端をさしこみます。
-
このとき、配線が2本出ている側からさしこんだほうがいいですね。
-
それはなぜ?
-
隙間が多いからです。
-
なるほど。
-
そして、くるっと回転させるようにこじると、パカっとフタが開きます。
-
あ、そんなもんで開くのか。
-
いちおうツメがかかって保持されていますが、マイナスドライバーの先端をさしこんだ時点で、少しフタが浮き気味になるくらいの弱い力でしか留まっていないので。
-
こんなカンタンに取れて、逆に大丈夫なの???
-
いや、フタを開けただけで取れるわけではありません。
-
む?
-
最終的にガッシリ固定されているのは、エレクトタップの金属のスリット部分に、配線がグイっと食い込んだところです。
-
だから、この配線を抜くときのほうが固いですね。
-
これは、どうやって抜くの?
-
ここは手で引っ張って外しますが、何も考えずに引っ張る前に、知っておいてほしいことがあります。
✔ なお、付け方は「エレクトロタップ(配線コネクター)の正しい使い方」参照。
エレクトロタップのスマートな取り外し方法
-
とりあえず、手で引っ張って配線を抜くしかないのですが……
-
あ、本当だ。
……けっこう固いぞ。 -
まあ、でもここは引っ張って抜くしかありません。
-
思ったより、固いけど、なんとか抜けましたぁ!
-
しかしエレクトロタップって、配線が2本付いている状態なんですね。
-
分岐コネクターなんだから、当然ですね。
-
問題は2本目の配線を抜くときです。……まあ、やってみましょう。
-
反対側のフタもマイナスドライバーでこじるの?
-
いや、片側が開いた状態になっているので、ラジオペンチなどで横方向からフタを掴んで、開けます。
-
あとは、さっきと同じように引っ張って配線を抜けばいい……でしょ?
-
しかし、2本目を抜こうとするときは、ありがちな現象が起こります。
-
このようにただ引っ張ると……
-
エレクトタップ内部の金具ごと、配線が抜けてしまう………。
-
……え。
なにこの展開!? -
エレクトロタップの金具って、けっこうカンタンにボディから抜けてしまうんですよ。
-
1本目は抜けなかったのに!?
-
1本目の配線を取り外すときは、もう1本が固定されていてフタも閉じています。それによって内部の金具が保持されていました。
-
ムムム……。
-
しかし2本目を外すときは、反対側のフタも開いていて、金具もフリーの状態に近い。だからすぐ抜けるんです。
-
軽くショックを受けますね。
-
というわけで、エレクトロタップを外したら、金具が抜けて配線側に残ってしまった! ……これ、ありがちな話なんです。
-
ウーム。
-
この金具を取るのって手が痛いし、イマイチな作業です。
-
そんなことより、このエレクトロタップ、再利用しようと思っていたのに!
-
まあ、そもそも再利用はしないほうがいいんですけど……。
-
メーカーはそう言うでしょうけど、でも再利用する人はいると思う。
-
まあ、だとしたら、なおさらキレイに外したいところですね。
-
こうならないエレクトロタップの正しい外し方は?
-
単純なことですが、2本目の配線を抜くときは、金具側を押さえながら抜くというテクニックを使うといいですね。
-
なるほどね。
-
で、このことを考えると、配線を抜くときの順番も注意したほうがいいことになります。
-
なんのこと?
グイ!
※配線が食い込んでいるスリットは2つある
グイグイ
ボン!
ガシ!
パカ!
グイグイ
スポン
???
金具を押さえながら引っ張る
スポン
エレクトロタップを外すときの順番
-
車に電装品が付いているという状況を考えると、「まずは純正配線側を先に外すほうがいい」ことになります。
-
それはなぜ?
-
だって、純正配線からエレクトロタップを外した時点で、フリーになるでしょう。
-
フムフム。
-
2本目(分岐線側)は、外でゆっくり外せばいい。
-
そういうことね。
-
1本目で先に分岐線を外してしまうと、車内の狭い空間で2本目も外さないといけなくなります。
-
そして2本目は、金具が抜けて純正配線側に残ったりする……
-
そうなると例の金具を、狭い空間で覗き込んで取るはめになるんですね。
-
面倒くさがって雑にやると、よけい面倒になる典型的なパターンと言えます。
-
だから今回の「エレクトロタップの外し方のコツ」をマスターしておきましょう。
-
……というわけで、エレクトロタップの外し方は分かりましたが……
-
配線側に傷が付いていますね。
-
まあ、配線コードの被覆を切って芯線(銅線)に接触させるというのがエレクトロタップの仕組みですから。
配線分岐にエレクトロタップを使うときは「選び方」に注意! これを間違うと「接触不良」が起こる。DIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/
関連記事
- エレクトロタップを外したあとの処置
- エレクトロタップの正しい使い方
- エレクトロタップによる断線に注意!
- エレクトロタップによる「タコ足分岐配線」は何が問題か?
- エレクトロタップ VS 異線径配線コネクター
- 防水エレクトロタップの正しい付け方・使い方
- 配線を分岐する方法はいろいろあるけれど、どれが良い?
- 配線の分岐方法╱プロ流はスプライス端子
- 防水で配線を分岐(防水電源取り出し)するには?
- シガーソケット裏から、分岐でIG電源/ACC電源を取り出す方法
- 接触不良が起こる原因。車のLEDパーツ取り付け時の定番は…
- 純正配線を傷つけずに、カーナビ裏から電源取り出しできる技
- 配線の分岐をハンダで行う方法