接触不良が起こる原因。車のLEDパーツ取り付け時の定番は…
車の電気系をいじる人が増え、誰でもLEDなどの電装パーツを取り付けする時代になったことで、「付けたけど光らない&動かない」事例が増えている。その原因の多くは初歩的な「接触不良」だ。
車業界、「接触不良」は増加傾向?
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LEDリフレクター、LEDテールランプ、加工ヘッドライト……どれにでも言えることなんですが、「付けたけど光らない」という問い合わせがものすごく増えました。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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よく聞く話ですが、なぜ、それが増えているんだろう?
●レポーター:イルミちゃん
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単純に電装品の需要が増えて、誰でも取り付ける時代になったから、と見ていますが。
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電装カスタムも、しっかり市民権を得たってことか〜。
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それはいいことなんですけど、誰でも車の電装をいじるようになったのに対して、知識も技術も追いついていないというのがクルマ業界の現状なのです。
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まあ、車は好きでも電気苦手、という人は多いですからね。よく聞くセリフです。
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冒頭の「付けたけどLEDが光らない」原因は、ほとんどが「接触不良」なんです。
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どこの?
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ようするに電源を取るために、配線に直結する場所。ここで接触不良を起こすパターンが圧倒的に多い。
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我々「加工屋」としては、ココはハンダで直結するのが確実です、と言いたいところですが……それだと敷居が高いと感じる人は多い。一般的には、エレクトロタップを使っていますよね。
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しかし、エレクトロタップを正しく使っていないケースがとても多いのです。
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……定番ですね。
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細線なのに(エーモンの)「赤」を使っているとか(↓)
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太線なのに、「白」を使っているとか(↓)
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特に多いのは前者ですね。配線側が細いため、しっかり銅線に食い込んでいない。中はスカスカなんです。
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「細線でも赤」、は事故の元。詳しくは「エレクトロタップの正しい使い方」の記事を参照してください。
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で、持ち込まれた車のエレクトロタップを、試しに指でぐーっ!と押したら光る。「ホラ、ここですよ」というやり取りは定番です。
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怪しければタップを押してみるのも手か。押して光れば、確実にエレクトロタップなんだから。
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そもそもエレクトロタップに配線の太さの適合があるのを知らない人がほとんどではないでしょうか。
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そのようですね……。
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また、世の中には品質の低いエレクトロタップも出回っていますので注意です。
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それはもう、配線の適合ウンヌンではないレベルだから論外ですね。
✔ 定番のエーモン製エレクトロタップ「赤」は、細線用ではありません。
✔ 定番のエーモン製エレクトロタップ「白」は太線用ではありません。
配線を挟んで(噛んで)しまうケースも多い!
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あとは、バンパーを取り付ける時に配線を挟み込んでしまうケースなどもあります。
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配線をまとめておらず、1本ずつ結線していって、配線がバラバラの状態のままバンパーを付け直す、という人が多いのですが……
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そうすると、1本くらいは配線を挟んでしまったりするんですよ。
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なるほど。
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細い配線を1本挟んだ状態でも、バンパーはフツウに取り付けできてしまいます。
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どうなるの?
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被覆に傷ついて銅線が車体に接触するのが恐い。挟んだ線がプラス線だったら、ショートすることになるので。
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そういうショートコースもあるのね。
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これが原因でヒューズが飛んだりもするんです。
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配線の挟み込みって、意外と恐いんだな。
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すぐ気づけばいいんですけどね。……そういう意味では、ある程度は配線をひとくくりにまとめたほうがいいですね。
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コルゲートチューブを使うとか、せめて配線も束(たば)だったらある程度太さも出てくる。そうすると噛んでしまう心配はなくなります。
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バラバラの空中配線が一番危険ってことね。
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そういう意味でも配線をキレイに処理するっていうのは、意味のあることなんですよ。
※こういった配線作業のコツは、「加工ライトの車体取り付け方法」参照。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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