電装品取り付けのQ&A
デイライトへのスイッチ取り付け方法╱必要な部品は?
デイライトにスイッチを取り付けるための、必要な部品の選び方。主役の後付けスイッチは「空きスイッチパネル交換型」で、まるで純正で付いていたかのようなスマートさ。なお今回紹介する取り付け方法はリレーを併用するので、リレー選びも解説。
✔ この企画は、読者のちゃちゃまるサンから頂いた質問が元になっています。
空きスイッチパネル交換型の後付けスイッチを使う場合は…
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「デイライトにスイッチを取り付けて自由にオンオフさせるには?」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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今回は、必要な部品を用意しましょう。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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スイッチは、質問者のちゃちゃまるサンが「空きスイッチパネル交換型」希望なので、コレを使いたいんですよ。
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この場合は、スイッチに流せる電流の許容範囲が500ミリアンペア以下です。
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つまり単位を直すと、0.5アンペア以下。
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前回解説した通り、社外品あるいは純正のデイライトに使うには、キャパオーバーになる可能性が高いです。
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ふむ。計算上は、両側合計6W以下(※)でないとNGですね。
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こういう場合は、スイッチだけでなく、リレーを併用する配線パターンとなります。
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逆に言うと、リレーを併用する前提なら、スイッチは好きなものを選んでヨイ……ということ?
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そうですね。その場合は、スイッチの電流制限を気にしなくてよくなりますので。
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ナルホド。エーモンスイッチの種類については、下記記事でまとめています。
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なお、今回使う空きスイッチパネル交換型のプッシュスイッチは、車種ごとに適合が異なります。
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ふむふむ。
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なぜかというと、車種(自動車メーカー)によって、空きスイッチパネルの形状が異なるためです。
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質問者のちゃちゃまるサンの車種は、30プリウス後期なんですが、どれが適合ですか?
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その場合、プッシュスイッチ自体が「自光する」タイプか、あるいはスイッチ自体「自光しない」タイプのどちらかを使います。
自光する プッシュスイッチ(3216) 自光しない プッシュスイッチ(3218) -
ほお。
ここでも選択肢があるのか。 -
光るタイプのプッシュスイッチ(3216)は、スイッチオンで通常点灯→スイッチオフで減光点灯→エンジンオフで完全消灯……という風に変化します。
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デイライトに使うなら、点灯状況が手元で分かる「自光タイプ(3216)」のほうが良さそうですね。
プッシュスイッチ(純正交換型)
適合はエーモンの純正パネルインストールスイッチで確認。
※ デイライトの消費電力を12(車の電圧)で割り算すれば、デイライトの消費電流が分かる。
✔ 自光しないスイッチ……例えばトグルスイッチなどを使う場合でも、パイロットランプを併用して、オンオフを視認できるようにする方法はある。
4極リレーを用意する。理想は防水タイプ
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次にリレーを用意します。今回の用途では、4極リレーを使います。
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エーモンの4極リレーにもいろいろ種類がありますが……
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今回はデイライトに使うので、エンジンルーム内設置ですから、望ましいのは防水リレーです。
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あるいは防水処理は自分で簡易的になんとかするとして、普通の4極リレーを使う手もありますね。
防水の4極リレー
エーモンの防水リレー(2898)
非防水の4極リレー
非防水の4極リレーの定番モデル(20アンペアまで対応)。詳細はAmazonのエーモン 4極リレー(3235)
バッ直電源を取るならヒューズホルダー必須
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あとは、付け方によって変わりますが、電源をバッ直で取るのであれば、ヒューズホルダーも必要です。これも理想は防水タイプを使うこと。
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中に入れる平型ヒューズは、デイライトの消費電流に合わせて選びましょう。
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バッ直のときにはヒューズホルダーを使うと言いましたが、バッ直以外の配線パターンもあるの?
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例えばの話ですが、現状で純正デイライトなどが付いているとしたら、その配線をそのまま生かして、リレーとスイッチを割り込ませるパターンも考えられますね。
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フムフム。
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その場合は、現状のデイライト制御(例:スモールオンで消灯・減光するなど)を生かしたままで、スイッチ制御を付け足すことができます。
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あ~、なるほど。
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でも、社外デイライト……あるいはデイライト付きのエアロパーツをこれから付ける……ということであれば、デイライトの電源もこれから新規に取るわけです。
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質問者のちゃちゃまるサンは、これからデイライト付きのエアロパーツを付ける予定のようです。
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それならば、バッテリーから直接電源を取るのが一番安定するのでオススメです。
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デイライトとバッテリーは、位置も近いし。
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そうですね。ただしリレーをバッテリーに直結することはせず、必ずヒューズを介してつなぐようにします。
防水タイプのヒューズホルダー
エーモンの防水平型ヒューズホルダー(2889)。最大15アンペアまで対応。
平型ヒューズ
アンペアのラインナップは、エーモンの平型ヒューズ参照。
付け方によってはヒューズ電源も使う
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あとはACC電源を取るための部品として、必要ならヒューズ電源を使います。必須ではありませんが。
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ACC電源? バッテリーから常時電源を取るんじゃなかったの?
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デイライトのメイン電源はバッテリーから常時電源を取るとしても、スイッチに対してはACC電源を取ります。
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それ、なんのため???
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電源をバッ直で取る場合、もしもスイッチを消し忘れた場合にデイライトが光りっぱなしになってしまいます。
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あ、そういえば……。
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でもスイッチ用の電源としてはACC電源を取っておけば、ACCオフ(つまりエンジンオフ)になった段階で、スイッチオン状態でも電気が行かなくなります。
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ホー。
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それによってリレーの回路も遮断できるので、スイッチにはACC電源(またはIG電源)を取っておくと使い勝手がよいのです。
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ナルホド。
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定番のヒューズボックスから取るとすれば、ヒューズ電源が必要ってことか。
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これはまあ、例えば、ナビ裏からACC電源を取るような人だと、なくてもできますね。
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ハイ。
あとは延長コードや端子類などがあれば、できます。 -
そのあたりは、次回、配線図とともに解説していきます。
当然ながらスイッチは室内側に設置するので、ACC電源も室内のどこかで取ることになりますが……
ヒューズ電源
✔ ヒューズ電源を初めて使う人は、「ヒューズ電源の種類と選び方」参照。
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。