エレクトロタップに関する疑問
配線の太さが異なる場合、エレクトロタップで配線分岐はできるの?
エレクトロタップで配線分岐するときの疑問。配線の太さが異なるケース(例えば0.2スケア線から0.5スケア線で分岐させたい)では、定番のカニタイプ(※上写真)の赤でも白でも青でも適合しないのだが、解決方法はある。
0.2スケア線から0.5スケア線で分岐させたい
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今回は〈動画部〉の視聴者の方から頂いた、以下の質問に答えていきたいと思います。
●DIYラボ 本館:イルミちゃん
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また私たちが〈動画部〉のクレーム処理をやらされるのね。ヤレヤレだわ…。
●DIYラボ 別館:ユキマちゃん
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クレームじゃなくて「鋭いイイ質問」が来たので取り上げているのですッ!
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なんのこと…?
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一般的によく見かけるカニちゃんタイプのエレクトロタップには、このような色の違いがありますが……
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エレクトロタップは色の違いによって、適合する配線コードの太さが異なります。
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細線には細線用のエレクトロタップ(白カニ)を使わないと、接触不良になるよ~っていう話よね。そんなの知ってるわ。
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そこまでは基礎知識なんだけど、太さが異なる配線を分岐したいケースもあります。
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それって……どういう場面?
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まずは今回の質問とは逆のケースになりますが、配線から電源取り出ししたい場面などで、電源線が「ちょっと太めの配線」であるケース。これはよくある。
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細線から電源取り出しするよりは中太線のほうがいいって、コムエンタープライズ・服部研究員もいつも言っているよね。
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それはそうなんだが、例えば取り付けたい電装品が消費電力の小さいモノだった場合は、電装品側の配線は細線だったりするんだな。
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ふむ。
細線なら白カニを使えばよい。 -
いやいや、電源線が太めだったとしたら、こうなってしまうでしょうがッ!
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このパターンで無理にかませると、純正配線側が断線してしまう。
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あわわ!
なんか大惨事になりそう……! -
細線用のエレクトロタップを使わなかったことによる接触不良も恐いけれど、逆パターンの断線も恐いよ。
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でもこの場合は、赤カニや青カニを使うわけにもいかないよね…。
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そこでこういうパターンに向けては、エーモンが「異線径配線コネクター」というのを用意してくれています。
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これはエレクトロタップの亜種で、電源側と分岐側の配線コードの適合範囲が異なっているのです。
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ほー。こんなのもあるのか。普通の白カニちゃんとは違うのね。
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上の「3332」を例にすれば、電源側は0.5~0.85スケアに対応していて、分岐側は0.2~0.5スケアに対応しているので……
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0.5スケア線から0.2スケア線で取り出しできるね。
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そうなんですが……しかし今回の質問は、これとは〈逆〉なんだよね。
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あれ……そういえばそうだ。みっつんは0.2スケアから0.5スケア線で取り出ししたいのか。
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そうそう。
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エーモンの異線径配線コネクターの逆バージョンはないの?
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ないんだよね…。
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なんで作らないんだろう? どれ、エーモンのジュニア研究員にクレームを入れてみるか……
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いや、ちょっと、止めなさいよ! 今はお盆休み中なんだから!!
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……まてよ。
いい方法を考えたわ。 -
いい方法って?
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この異線径配線コネクターを逆に使えばいいじゃないの!
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逆に使うったって……エレクトロタップの分岐側のミゾにはストッパーがあるから、逆向きには使えないよ。
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ストッパーのところをくり抜けば……いけそうじゃない?
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あ!……えーっと! 実はそういう技を使っている強者ユーザーも世間にはいますが、ここでは「加工は無し」で考えたいと思います。メーカー推奨外の話になるのでね。
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お盆休み中だからエーモンのジュニア研究員から物言いが付く心配もないわよ?
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……そういう話じゃなくて。
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じゃあ他に方法があるの?
■ 質問
エレクトロタップ0.2sqのカシメの反対側に、0.5sqの配線は接続できますか?
質問者╱みっつんさん
中太線とつまようじの比較
ちょっと太めの中太線の例。ちょうどつまようじぐらいの 太さの配線だ。
太線に細線用を使うと断線の危険あり!
エレクトロタップで分岐後に配線の太さを変換する
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昔から教わってきたやり方としては、配線コードの太さの変換テクニックを使う方法があるね。
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なにソレ?
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ひとまずは細線用のエレクトロタップ(白カニ)と、0.2スケアコードの組み合わせで配線を分岐させてしまう。
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みっつんがつなぎたいのは0.5スケア線なんですけど?
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……なので、0.2スケア線で取り出ししたあとで、0.2スケア線と0.5スケア線をつなぎます。カンタンなのは接続コネクター(黄色)などを使う方法。
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接続コネクターにも適合範囲によって種類があるけれど、ここで使うのは「黄色」のほうです。
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定番のギボシ端子でもいい?
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いや、エーモンのギボシ端子は0.5スケア以上しか使えないので、この場合はギボシ端子はNGかな。
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そっか。0.2スケアでも0.5スケアでもどっちでもいける端子とかコネクターに限られるのね。
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あるいは普段からギボシ端子を使っている人なら、こういうアイテムを使う手もあります。
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なにコレ?
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細線用のエレクトロタップで電源取り出しをしたあとで、ギボシ端子に変換できるアイテムです。
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こんなのもあるんだ。
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これを使えば、つなぎたい配線(0.5スケア線)側にはギボシ端子オスをつけてつなげばいいのだ。
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探せば方法はいろいろあるわけね。
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ただ普通のエレクトロタップ(カニちゃん)に比べるとニッチな存在なので知らない人も多いと考え、改めて解説しておきました。
黄色の接続コネクター | 0.2〜0.5スケアに対応 |
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緑色の接続コネクター | 0.5〜0.75スケアに対応 |
今回の質問の元ネタになっている動画はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているエレクトロタップの接触不良問題。ぜひ見てね。
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