古い車のメンテナンス

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テンションロッドはガタが出やすい。2人いればできるガタの確認方法

テンションロッド（↑）は、足回りのガタが出やすい部分。疑わしい症状例は、ブレーキを踏んだ時の「ゴンゴン」異音。一般ユーザーでもできる、テンションロッドのガタの確認方法を解説する。

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  「ボールジョイントのガタ」（※）に続く、足回りのガタシリーズ。

  ※「ボールジョイントのガタってなんのこと？ 確認方法は？」参照。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回は、フロントロアアームとナックルをつなぐボールジョイントのガタについて解説しましたが、ボールジョイント自体はいろいろな箇所で使われている部品です。

  ●アドバイザー：シャルマン 岡田研究員

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  足回りは、ロッドやアームだらけですからね。

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  その中で、ガタが出やすい部品として挙げられるのがテンションロッド。

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  テンションロッドって、どれでしたっけ？

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  足回りを前後方向から支えているロッドですね。下写真は20セルシオの例です。


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  前回のロアアームが横方向なら、テンションロッドは前後方向か。

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  そうです。そして前後方向なだけに、常に負荷がかかる。ブレーキを踏んで車体が前のめりになった場面などを想像すれば、分かりやすいですよね。

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  確かに……負荷がかかりそう。

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  テンションロッドも前後、あるいは片側の接合部分には例のボールジョイントが使われていますから、ひび割れが起こりやすい。



✔ 20セルシオの例（↑）だと、前後の接合部分のうちフロント側はボールジョイント。アッパーアーム側はボルト留めになっている。

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  それで岡田研究員の「ヘタリ注意報」。

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  ひどい例を挙げると33シーマ。ニッサン系はブッシュの中にグリスが入っている車種もあって、そのグリスが抜けると余計にガタが出ます。

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  トヨタ車は？

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  トヨタ車の場合はゴムだけです。でもゴムですから、劣化はしてきます。古い車にのっていると、テンションロッドのガタは定番トラブルのひとつですね。

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  で、そのテンションロッドのガタが出るとどうなの？

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  テンションロッドの場合は、ブレーキング時にゴンゴンといった異音が出たりする可能性があります。

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  ふむふむ。
  ブレーキでゴンゴン……ね。

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  疑わしいときに試してみる価値のある、テンションロッドのガタの確認方法というのもありますよ。

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  ここから、テンションロッドのガタの確認方法です。

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  2人いないと、できないんですけど……

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  ふむ。

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  ひとりは車に乗って、クリープ現象ぐらいでゆっくり進んでいる状態から、「ガン！」ってブレーキを踏む。

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  ほう。

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  もうひとりが横からホイールを見ながら、その瞬間の挙動をチェックするんです。

ホイール前後の動きに注目する


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  挙動って？

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  ブレーキを「ガン！」と踏むと、回っていたタイヤはロックしますが、テンションロッドにガタがあると、その瞬間に車体だけが「ゴン！」と前に行って戻る……みたいな不自然な挙動が出るんです。

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  前後方向にガタがあるから……か。

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  そうなんです。ブレーキングで車体がぎゅうって前のめりになるのは普通ですが、そういう滑らかな動きではなくて、もっと極端にゴンっていう感じの不自然な動きです。

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  なるほど、なるほど。

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  ブレーキング時に「ゴンゴン」異音が出ているような車は、試してみるといいかもしれません。

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  ハブベアリングのガタみたいに、手で持ってユサユサしてみる確認方法ではどうなんでしょう？



テンションロッドを手で持ってゆすっている。

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  そのやり方もありますけど、手で動くほどガタがあるとしたら、相当にガタガタでしょうね。

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  なるほど。

力のかかる部分なので、ひび割れも起こる。ひび割れは、目視でも確認できます



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  テンションロッドのガタといっても、実際に劣化しているのは「ボールジョイントブーツ」なんだから、それを交換すればいいんですよね？

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  基本的にはそうなんですが……こういう問題を抱えている古い車になると、交換用のボールジョイントブーツ単体では、部品が出ない場合などもあり得ます。

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  ど、どうすんのそれ？

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  そういう場合でも、テンションロッドごとアッセンブリー交換なら出来たりもするんですが、費用的に高くつきますね。

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  どのくらい違うんでしょう？

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  ブッシュ交換なら1個2000円程度で済んだものが、ロッド丸ごと交換となると、数万円単位の出費になるでしょうね。

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  長く乗るつもりなら、ブッシュ単体交換できるうちにしておく、という手もありそうです。