オートサービスショー2019・ルポ
知らない人も多い、光軸調整の専用工具「光軸調整レンチ」の存在
光軸調整の重要性は、じわじわ周知が進んでいるが、光軸を調整する専用工具があることは、まだあまり知られていない。LEDヘッドライトバルブに交換する人にも関係ある話なので、知識としてその存在を覚えておこう。
普通車だけでなく、大型車用の光軸調整専用レンチも登場
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オートサービスショー2019・ルポの続き。KTCブースで発見した、興味深いアイテムをレポートします。
●レポーター：イルミちゃん
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長いプラスドライバーね～。新作の「超ロング」？
●DIYラボ別館 ユキマちゃん
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……違います。これは「光軸調整レンチ」の大型車用なのです。
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光軸調整レンチってなに？
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ヘッドライトの光軸調整専用の工具です。もともと「普通車用」はあったけど、「大型車用」も登場したの。
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てゆーか、光軸調整用の専用工具なんてものがあったのか！
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……まあ、そこから知らない人も多いと思うので、この機会に普通車用も含めて解説しておきましょう。
KTCの普通車用の光軸調整レンチ（ラチェットタイプ）
ヘッドライト光軸調整専用「光軸調整レンチ」とはどんな工具か？
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光軸調整がどんな場面で必要になるか、という話は以前に別の記事でやっています。
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バルブ交換したときは、必ずやらないとダメなんでしょ。
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そう。だから自分で光軸調整するときのやり方についても、解説しました。
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ヘッドライト側に備わっている光軸調整用スクリューは、プラスドライバーの2番でも回せるので、長いプラスドライバーで回している人が多いんだけど……
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ふむふむ。
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でも、この光軸調整スクリューのギザギザ形状は、厳密にいうとプラスドライバーの先端形状とは違います。
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しかも、光軸調整用スクリューは、プラスチック製なので強度はない。
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ふむ。
調整用ツマミみたいなもんだから。 -
工具側とは形状が若干違うから、角度ズレや力の入れ具合によっては、プラスチックのパーツが破損する可能性があります。
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プラスドライバーでやったらダメってこと？
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自動車の整備解説書にも、プラスドライバーの2番を使う指示がある位だから間違いではないけれど、「ベストな工具ではない」とKTCは考えました。
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それで、KTCが専用工具を作ったんだー。
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光軸調整レンチを使うことで、光軸調整ねじのギアに対して広い面積で噛み合わせることができます。
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あ～。ホントだ。
プラスドライバーよりピタっとフィットしてる。 -
これが、光軸調整レンチの正体です。
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ただの長いプラスドライバーじゃなかった。
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ほかにも、ラチェット機構が付いていて、たくさん光軸を動かすときは便利だったりとか……
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ラチェット機構まで付いているのか。
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いっぽう、微調整シーンでは「締める」「ゆるめる」を微妙に繰り返すので、ラチェット機構をオフにもできたり。
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なるほど。
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長いレンチなので、収納するときは軸が分離できるとか。
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いろいろ考えてあるなぁ。
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光軸調整に特化した工具だから、いろいろなところが専用設計になっています。
大型車（トラック・バス）用の光軸調整レンチは、普通車用と何が違うのか？
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先に登場していた普通車用の光軸調整レンチは、整備業界におけるヒットアイテムとなりましたが……
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ふむふむ。
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しかし、普通車用の光軸調整レンチではどうにも届かない例がありました。
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それが大型車か〜。
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そうね。例をあげると、日野自動車のプロフィアで採用された長～いヘッドライト。
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日野自動車の整備指示書には、350ミリ以上のNO.2のプラスドライバーを使うという指示がありましたが……
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そんな長いプラスドライバー、なかなかないよね。
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……まさに、業界的にそういう問題に直面してしまいまして。
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それで再びKTCが動いた。
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そうです。それが今回のオートサービスショーで参考出品されていた「大型車用の光軸調整レンチ」。
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ちなみにコレ、単に普通車用のものを長くしただけではないそうだ。
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なにが違うの？
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ヘッドライト側には、光軸調整用の工具を入れるためのガイドがあるんだけど……
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普通のプラスドライバーの細さでは、ガイドに対してガタ（遊び）ができる。
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ガイドのほうが太いんだ。
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そう。だからガイドを経由しているからって、ピタっと噛むとは限らない。
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確かに。
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しかも実際の光軸調整作業では、噛んでいるかどうかは見えないから、ガタがあると外れやすかったりするし……
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そうやってスクリューを破損させたりするのね。
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そこで、大型車用の光軸調整レンチは軸の部分に太さがあって、ちょうどフィットする設計にしてあるそうです。
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長さも太さも、ちょうどいいんだ。
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結果的に、ガイドに沿ってすーっと入れれば、光軸調整スクリューのギアにピタっと安定して噛みます。
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なるほど。
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普通車用にしてもトラック用にしても、光軸調整作業を行う整備士・ショップの人には超オススメの工具と言えますが……
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悩ましいのは、DIYユーザーの場合ね。
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……そうなんだよね。
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違いを知ってしまうと、普通のプラスドライバーではやりたくないけど、めったにやらない光軸調整の専用工具を買うのもねぇ。
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確かにそういう面はあるけど、光軸調整に使えるような長いドライバーって持ってない人が多いはず。
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……ふむ。
それはそうだ。 -
もしも、光軸調整用に長いドライバーを買うぐらいだったら、専用工具を買ったほうがいいんじゃないかな。
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それは言えてるかも。
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しょっちゅうLEDヘッドライトバルブを買い替えて「壁ドン（※）」しているようなマニアの人には、超オススメの工具ね！
※壁にヘッドライトの光を当てて、カットラインなどの配光をチェックする行為のこと。
参考出品。6月発売予定。
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