ローダウン車のオートレベライザー(光軸下向き)対策。J-LINE流は?
ローダウンしたら、ヘッドライトが暗くなった! その原因はオートレベライザー。荷物を積んだ時など、車が尻下がりになるのを想定して、光軸を自動調整する機能だが、低車高車は誤認されてしまうのだ。その対策は複数あるが、ここではJ-LINE流を紹介。
ローダウン車のオートレベライザー対策とは?
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「J-LINEはオートレベライザー対策はどうしてますか?」と時々、聞かれるので、その話をしたいと思います。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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オートレベライザーってなんでしたっけ?
●レポーター:イルミちゃん
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ところが、車高を検知するハイトセンサーがリアにしかないと、ローダウンする(車高を落とす)ことで、「荷物を載せて尻下がりになった」と誤認されてしまうんです。
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実際の車高は、水平に落としていても?
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そうなんです。オートレベライザー的には尻下がり、と考えるので、自動補正して光軸を下向きにしてしまう。
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そうなると……どうなるんだ?
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「ローダウンしたら、ヘッドライトが暗くなる」ということです。
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あらま。
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極端に車高を落とせば、暗くて前が全然見えなくなりますよ。
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それで、低車高でお馴染みのJ-LINEはどうしているの? という話になるんですね。
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この対策では「車両側のヘッドライトの光軸調整をし直す(※)」という手もありますが……
(※)通常の光軸調整の他、オートレベライザーを初期化して、車高が下がった状態を基準車高と認識させる方法等がある。
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しかし「ヘッドライト側の光軸はあまり触りたくない」という人は、リアのハイトセンサーに手を加えるんです。J-LINEもセンサー側の対処です。
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「オートレベライザー対策」って、手法がいろいろあるんですね。
✔ オートレベライザーとは?
オートレベライザー(※オートレベリングシステム)は、車の姿勢変化に応じて、光軸を自動調整する機能のこと。
後ろに重い荷物を積んだり人を乗せたりすると、車の姿勢が尻下がりになる。すると光軸が上向きになって対向車を幻惑してしまうため、オートレベライザーが働いて自動で下向きに調整する。
純正でHIDやLEDヘッドライトが装備されている車は、基本的にオートレベライザー機能を搭載している。
※参考までに、「ヘッドライト光軸調整の正しいやり方」などの関連記事もあり。
ハイトセンサーのリンクロッドに手を入れる手法
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ところで、車高を検知しているハイトセンサーって、どこにあるんですか?
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足回り(アクスル等)と車体の間に、リンクロッド(※センサーにつながる棒)が付いていますよ。
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車高が下がると、足回りの位置が車体に近づきますよね。
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ふむふむ。
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そうするとハイトセンサーに向かって、リンクロッドが上がります。
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それによって、車高が下がった(尻下がりになった)と誤認するんですね。
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そうです。だから、このリンクロッドの位置を下げないといけないのです。
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どうやって?
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一般的な手法としては、リンクロッドを短いモノに交換します。ただ、もともと純正リンクが短い車種だと、それより短いリンクがなかったりするんですよ。
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ムム。
その場合、どうするんですか? -
リンクロッド(棒)の部分はそのまま純正を使いながら、下のブラケット部分を加工するんです。J-LINEではいつもこのやり方で対処しています。
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ブラケットって、リンクロッドがつながっている土台のプレート(↑)なんですね。
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ですね。純正だと一点しかボルトを固定する場所がない。J-LINEでは、鉄板を大きく作っておいて、固定部分を長穴にしているんです。
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そうすると、固定位置を下に下げられる。
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つまりリンクロッドを短くしたのと、同じことになる。
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そういうことですね。そして下向きのヘッドライト光軸が、前を照らすようになります。
ワゴンRのリンクロッド。
J-LINEの低車高対策パーツのひとつ
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「リンクロッドのブラケット加工」は、これまでずっとワンオフ加工で対応してきたメニューですが、アルファードやワゴンRでは製品版もありますよ。
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ホントだ。
リンクロッドの固定穴が長〜い穴になっていますね。 -
車高に合わせてリンクロッド固定位置をスライドさせて、いいところに合わせることができます。
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これって実際に合わせるときは、光軸を見ながらやるんですか?
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理屈はそうなんですけど、この方式の場合、調整するときはジャッキアップしている状態なので、実際の光軸とは同時には見られないんですよ。
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あ、そっか。
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だからリンクロッドの固定位置を調整して、走ってみて、もうちょっと下かな〜などと、やる感じですね。
それがヘッドライトレベライザーアジャスター
J-LINEのヘッドライトレベライザーアジャスター(30アルファード用)。興味のある人はJ-LINEまで(TEL:022-367-7534)
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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