車高調やダウンサスを付けたら光軸調整が必要?
車高調やダウンサスの足まわりにして、変化するのは車高ばかりではなく、光軸もズレてしまう(オートレベライザー付き車)。そこで車高を落とすと、どのくらい光軸がズレるのかを検証。車高変化による光軸ズレを直す、調整の方法についてもガイド。
車高を落とすとどのくらい光軸がズレるのか? 検証してみた!
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車高調やダウンサスを付けた車の、「光軸ズレ」問題について。
●レポーター:イルミちゃん
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車高調を付けて車高を落とす人は世の中にいっぱいいますが、「光軸調整が必要になる」ということを認識している人は少ないです。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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なぜ光軸が狂うのか……という理由については、以前にやりましたね。
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とはいえ、まだまだこの問題は認知が少なくて、解決策をとっている人が少ないので……
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今日は実験してみました。
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J-LINEデモカーの30アルファードの例ですが、本来の正しい光軸だと、このように(↓)路面を照らしています。
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しかし車高調(およびアーム類も交換)で、車高を落とすと、光軸がこう変化します(↓)
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前方が暗ッ!!
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正確に言うと、ヘッドライト自体が暗くなったわけではありませんが……
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え!?
どう見ても暗くなってますよ? -
光軸が下向きになっていて、手前の路面しか照らしていないから、こうなってしまうんです。手前は明るいでしょ?
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それにしても、こんなに変わってしまうのかッ!!
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……まあ、これはJ-LINEデモカーの極端な例ではありますが。
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……なるほど。ヘッドライト光軸のズレっぷりは、車高の低さに比例するのですね。
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そうなんですが、逆に言うと、極端に低車高にしなくても、それなりに光軸が下向きになっていると言える。
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あ。
そういうことか。 -
自覚していない人もいるでしょうし、あるいは「こんなもんかな〜」とガマンして乗っている人も多いと思います。
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でも、放置していると運転しにくいはずですよね。
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もちろんそうだし、危ないですよね。上のような状態だと、いきなり段差が現れるし。
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うーん、考えてみると、車高が低いほど段差がイキナリ現れる……これは深刻な話だ。
✔ この問題は、純正でHIDやLEDヘッドライトが装備されているオートレベライザー(※オートレベリングシステム)付き車で起こる。
※その理由は「ローダウン車のオートレベライザー(光軸下向き)対策」でおさらい。
モデル車は、このようなベタベタの低車高
ハイトセンサーにつながるリンクロッドを「調整式」に交換するのが定番だが、別の手もある
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対応策として昔からあるのが、リアの足回りに付いているハイトセンサーのリンクロッドを交換する方法。
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純正リンクロッドから、長さ調節できるターンバックル式のリンクロッドに交換するのです。
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リンクロッドの長さを調節することで、その先につながっているハイトセンサー(車高傾き検知)の状態をノーマルと同じに戻します。
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ただ、このリンクロッドというのは基本的には汎用品なんですよ。
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それは車種別専用設計ではない、という意味ですか?
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そうです。長さの調節範囲の違いで、複数のバリエーションがあって、その中から自分の車種に適合するモノを選ぶ仕組みです。
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まあ、でも自分の車種に適合するモノを選べばいいだけでは?
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そうなんですが、車種別の構造に合わせて作られてはいないから、「基準点」はないわけですよ。
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……と言いますと?
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ロッド式に交換してしまうと、純正状態がどこだか分からなくなってしまいます。
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フムフム。
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リンクロッドをまるっきり交換してしまいますから、全開に伸ばしても、純正状態にならない……などのケースもあったりします。
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なるほど。
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あるいは完全に汎用品だと、どのタイプを選んで、どう長さ調節すればいいのか、分かりづらかったりする。
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確かにどっちに回せばいいのか、ややこしそうですね。
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そこで、J-LINEとしては、ブラケット側を交換する方式を取っています。
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ブラケットと言うのは……
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コッチ(↓)を交換する、ということですね。
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この場合は、リンクロッド自体は純正のままで、その固定位置を変えるということです。
社外品のリンクロッド
✔ なぜこの棒の長さが変わると、光軸が変わるのか……は、「ローダウン車のオートレベライザー(光軸下向き)対策」で解説している。
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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