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爆光のT10 LEDポジションを買う前に知っておくべきこと
LEDポジションバルブに求められる性能は何か? 明るいだけの爆光LEDポジションは溶ける・切れるトラブルが多発している。LEDバルブは「放熱性能」が大事なのは周知の事実だが、小さなT10ウェッジ球なら、なおさらだ。
300ルーメンの明るさでも溶けないLEDポジションバルブ
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「ルーメンに踊らされるより、ルーメンパーワット(lm/W)を見るべき」の続き。最新型の爆光LEDポジションバルブの秘密に迫ります。
●レポーター:イルミちゃん
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IPFの最新型のLEDポジションバルブは「504W」というモデルで、明るさは300ルーメンに達しています。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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ポジションに300ルーメンもの明るさが必要かどうか、という議論はさておきまして……
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……。
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300ルーメンあるけれど、寿命が短くなったり、溶けたりする心配はないという話でしたね。
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もちろんです。IPFの社内基準はとても厳しいので、無理のあるバルブは製品化できません。
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……つまり、300ルーメンの爆光ポジションではあっても無理はしていない。ホントかな……。
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まだ疑ってますね。
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だって市場では、爆光をうたうT10 LEDポジションが溶けたり切れたりするのは珍しくない話でしょう。
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それはそうです。
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一度痛い目に遭った人には、IPFの300ルーメンも疑いのまなざしを向けられるのは、避けられないはず。
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そこで重要となるのは、LEDヘッドライトバルブなどと同じく、放熱性です。
300ルーメンのポジション点灯
Amazonでも販売されているIPF LEDポジションランプ T10 300ルーメン(504W)
「爆光」を支える「放熱性能」こそが真の性能と言えなくもない!?
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ふむ。
従来モデルが「501W」で、最新型が「504W」ね。 -
ちなみに従来モデルの501Wの明るさは、150ルーメンでした。
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登場した当時は、LEDポジションバルブとしては、最強レベルの明るさでしたね。
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それが最新モデル(504W)では、倍の300ルーメンに増えました。
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……2倍のルーメン。完全に爆光LEDポジションだ。
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そもそもLED自体の発光効率が違うというのもありますが、じつは基板の種類も違うんです。
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従来モデル(↑)は、筒状のボディの内部に、普通の基板が立っていました。
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フムフム。
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新型モデルでは、極薄のフレキシブル基板(フィルム基板)を使っていて、アルミボディに直接貼り付けているんです。
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熱がダイレクトにアルミボディに伝わるので、どんどん熱を逃がせます。
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なるほど。小さなT10 LEDポジションバルブにとっては、ボディこそがヒートシンク(放熱器)ですもんね。
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そうなんですよ。基板の熱を、いかに外側のアルミボディに効率よく伝えるかが重要なんです。
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さらにLED基板だけではなく、ボディ内部にはドライバー基板も入っているのですが……
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ドライバー基板は、LEDを駆動するための部品で、これもまた熱を持つ存在。
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そうなんです。従来モデルは、これもボディ内部の空間に立っているだけでしたが……
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新型モデルだと?
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内部にグリス(高熱伝導グリス)を充填して、空間を埋めているんです。
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ドライバー基板生き埋め。
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ハイ。それによってドライバー基板の熱が、外側のアルミボディに伝わりやすくなっています。
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ほえ~。
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アルミボディなのは従来モデルも同じなんですが、そこまで熱を運ぶ仕組みがぜんぜん違うのです。
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ナルホド!
相変わらずIPFの自慢点は地味だ! -
このような放熱の工夫を重ねた結果、パワーを上げられるようになり、300ルーメンのT10 LEDポジションバルブができた、というわけなんです。
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溶けない、壊れない、爆光LEDポジション。
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はい。
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逆に言うと、放熱性能がともなわない300ルーメンだったら、その数値に価値はない、とも言えます。
従来のフラッグシップモデル(501W)と比較しながら説明しましょう
150ルーメンのLEDポジションバルブ、IPFの501W(※執筆時点ではまだ販売されている)
✔ 細かいことを言うと、基板とアルミボディを接着する両面テープも、グラファイトを含有した特殊なテープ(熱伝導率が高い)を使っている。
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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