バッテリーメンテナンスの知識
ワニグチクリップの使い方。オリジナルの12Vテスト用電源を作ろう
ワニグチクリップの使い方はいろいろだが、車の電装系をいじる人におすすめなのが、12Vテスト用電源のDIY。ここでは実例として、車内でパパっと12V電源がほしい時などに便利な、シガープラグ型テスト用電源の作り方をガイド。
ワニグチクリップの使い方。ハンダ不要で配線コードを付けられる
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車の電装系をいじる人や、電子工作をする人なら、持っておきたいのがワニグチです。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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通称、ワニグチクリップ(ワニ口クリップ)ですね〜。
●レポーター:イルミちゃん
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そうです。実はエーモン新製品の中にもワニグチクリップがあるのです。
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ワニグチクリップというと、汎用品がたくさんあるイメージですけど……
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そんな中でも、従来モデルはず〜っと一定の人気があったロングセラーアイテムなんです。
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ホホウ。それがリニューアルされたんですね。
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で、ワニグチクリップの使い方のおさらいなんですが……
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電装品の動作、LEDの点灯テストなどに使う部品ですね。
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フムフム。
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だから、電池ボックスと組み合わせても便利ですよ。
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乾電池で12V電源を作る、魔法の電池ボックスですね〜。
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この電池ボックスに、被覆を剥いた配線(の導線)を差し込んでおき……
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この配線の反対側に、ワニグチクリップを付ければいいんですね。
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ハイ。電池ボックスは単体でも使える仕様ですが、ワニグチを併用するメリットは付け外しのスムーズさです。
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どうやって配線にワニグチクリップを付けるんでしょう?
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カンタンですよ。エーモンのワニグチクリップは、ハンダ付けも不要です。
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それは良かった。ここでハンダ付けとか言われると、敷居が高い人も多いと思いますので。
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配線コードの被覆だけは、剥いておく必要がありますけどね。
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フムフム。
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まず、絶縁用のカバーを外して、先に配線コード側に通しておきます。
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上写真のように被覆を剥いた導線の先端を、Uの字に曲げておいて、ネジに巻き付けます。
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そしてネジを締め込む。
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最後に、根元のツメをプライヤーでつぶして、配線コードの被覆に対して圧着します。
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根元のツメは、あくまでも被覆のところにかけるのがポイントですね。そこは端子のカシメと同じ要領だ。
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配線コードを付けたら、カバーをしっかりかぶせて絶縁します。
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なお、ワニグチクリップは、細線でも付けられます。
Amazonでも販売されているエーモン ワニグチ(8866)。クリップ開口部5ミリの小型タイプ。5アンペアまで。
クリップ開口部15ミリの大きめタイプは20アンペアまで対応。詳細はAmazonのエーモン ワニグチ(8867)
車内でパパっと12V電源がほしい場面で便利な、シガープラグ型テスト用電源を自作
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ワニグチの使い方は人それぞれですので、ここで紹介するのはほんの一例ですが……
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フムフム。
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例えばエーモンには、こんなアイテムがあります。
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この電源プラグからは2本の配線(プラスとマイナス)が出ていて、切りっぱなしになっています。ここにワニグチクリップを付ければ……
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……これは何を作ったのでしょうか?
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シガープラグに差し込んで、ACCオンあるいはIGオン(※)の状態にすれば、車内で自由に使える、簡易電源になります。
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なるほど〜。電池のいらない、12Vテスト用電源のできあがり。
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そうです。
その代わり、車が必要ですけどね。 -
車内でのテスト用途に限れば、これはこれで面白い。
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車内で12V電源がほしいときも、ありますからね。
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そういえば……マイナス線を調べる目的で検電テスターにプラス電源を取りたい、なんていう場面でも使えそう。
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電源プラグ・スイッチ付きを使えば、シガーソケットに差したままオフにもできるので、使用していないときにワニグチクリップを転がしておいて、ショートさせる危険も減ります。
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……あ。ワニグチクリップの赤(プラス)と黒(マイナス)を接触させたら、ショートするのか。
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そうなんですが、その場合でも、電源プラグ内のヒューズが飛んでくれます。
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そこはポイントですね。プラグ内にヒューズがなかったら、車両のシガーソケットのヒューズが飛ぶから。
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そういうことですね。
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ワニグチクリップを活用すると、自分なりに「あると便利な12Vテスト用電源」が考えられそう。ただし、ショートには気をつけて。
詳細はAmazonのエーモン 電源プラグ・スイッチ付き(1538)
※ シガーソケットの電源が入るタイミングは車種による。
✔ 検電テスターでマイナス線を調べるときには、テスター自体をプラス側(電源)につなぐ必要がある。
※やり方は「検電テスターでマイナス線を調べる方法」参照。
✔ 車両のマイナス線を調べるときは、電池ボックスではなく、車両のプラス電源が必要となるため、シガーソケット型テスト用電源が役立つ。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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