バッテリーメンテナンスの知識
バッテリーターミナルとは? 交換する目的はなに?
バッテリーの部品・バッテリーターミナルについての解説。「バッテリー交換」というとバッテリー本体のみを換えるイメージだが、錆や腐食が気になるバッテリーターミナルも新品に交換できるし、交換のメリットもあるのだ。
バッテリーターミナルとは?
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先日お伝えした通り、エーモンがバッテリーメンテナンスカテゴリーの製品群をリニューアルしましたが……
●レポーター:イルミちゃん
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今日の話題は、バッテリーターミナルです。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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……。
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……どうかしましたか?
満面のウソ笑いですね。 -
なんでしたっけ、バッテリーターミナルって?
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バッテリーの部品ですよ(↓)。プラスとマイナスの、端子のところにつながっている。
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バッテリーの端子にはそのまま配線をつなげませんから、バッテリーターミナルを介して、プラス線とマイナス線が接続されているのです。
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あー、大きい端子みたいなものですね。
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バッテリー交換のときも、このターミナルを外すことで配線が脱着できますので、便利ですね。
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なるほど。……で、このバッテリーターミナルをどうすると?
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通常のバッテリー交換ではターミナルまでは交換しませんが、たまには交換しましょう、という話題です。
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なんでまた?
これがバッテリーターミナル
バッテリーターミナルを交換する意味・目的はなに?
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バッテリーターミナルって、長年使っているとどうしても錆びてきます。あるいは漏れたバッテリー液で、腐食する例も多いですね。
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あー。そういえばバッテリー周りが汚くなっているのは、よくあることだ。
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そうなんです。
けっこう劣化する部品なんですよ。 -
放っておくとどうなるの?
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当然、電気の流れが悪くなります。抵抗が大きくなりますので。
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なるほど。
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例えばアースケーブルを交換しても、そもそも接続部分のターミナルが腐食していたら、その効果も落ちてしまう。
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それで交換用のバッテリーターミナルが、単品で売っているのか〜。
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そうです。ちなみにエーモンのバッテリーターミナルは、昔から売っているロングセラーアイテム。それをリニューアルしました。
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従来モデルは真鍮メッキをかけていましたが、なにしろ20年以上も前の製品でしたからね。それでも年月が経てば錆びる。
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歴史のあるアイテムだったんだなァ。
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新型では、特殊メッキをかけていて、錆耐性を強くしています。
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これなら錆びない?
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……永久に錆びないとまでは言えませんが、かなり錆びにくくなっているのは確かです。
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そっかー。そもそもバッテリーターミナルは、定期的に交換すべき消耗品なんですね。
新型のバッテリーターミナル達
バッテリーターミナルの種類と選び方。純正と違うタイプに交換してもいいの?
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ところでバッテリーターミナルにもいろいろ形状の種類があるようですが、どう選んだらいいのでしょうか?
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まずは、バッテリーサイズに合わせて適合があります。Bタイプと、C・D・E・F・G・H共用タイプですね。
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そこはバッテリーサイズ次第ですね。
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ハイ。そして締め方の違いで3種類あって、プラスネジを使った挟み込みタイプ、六角ボルトを使うボルトタイプ、それから手で回せる蝶ねじタイプがあります。
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昔の車に多いのが、締め込みタイプ。最近の車で増えてきているのが、ボルトタイプです。
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これって……交換するときは、好みで選んでよいのでしょうか?
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基本的にはそうなんですが、ひとつ知っておいてほしいのは、配線の接続方法が違うという点。
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もともとバッテリーにつながっている、太いプラス線とマイナス線の接続部分ですね。
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そうです。挟み込みタイプのバッテリーターミナルの場合は、芯線(銅線)を露出させた状態で挟み込みます。
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ボルトタイプや蝶ねじタイプのターミナルを使うならば、配線に端子(丸型端子)を付けないといけません。
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端子を挟んで留めるんだ。
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ハイ。しかし、バッテリーにつながる太いケーブルに付けられるような端子は、エーモンにもないので……
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あー。
端子に困る。 -
そうなんです。そのあたりをクリアできる人は、純正とは違うタイプに交換しても問題ありませんが。
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ナルホド。
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ただ、最近の車の例でいうと、ボルトタイプのバッテリーターミナルがベースで、もうひとつ配線側のターミナルブロックがカポっと合体しているパターンも多い。
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この場合は、交換するときにボルトタイプを選んでおけば、配線側の純正ターミナルブロックをつなぎ直すことができます。
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他のタイプのバッテリーターミナルを選んでしまうと、元のようにはつなげない?
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そうなんです。
入りません。 -
純正配線側の処理は、車両によって違うんですね〜。
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そうなんです。
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……ということはまあ、基本的には、純正で使っているのと同じタイプのものに交換すればいい話か。
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それなら、配線の接続で困ることはありませんね。
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蝶ねじタイプというのも、純正で出てくるの?
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これはちょっと特殊なタイプでして、主にサブバッテリーなどに使用するのがオススメ。蝶ねじの利点は、工具などを使わずに手でクルクルと回せることです。
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つまり脱着が簡単。
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そうですね。だから、脱着を頻繁に行うサブバッテリーのターミナルに最適です。
バッテリーターミナルの種類
昔の車に多い挟み込みタイプ
Amazonでも販売されているエーモン バッテリーターミナル(8851) 適合バッテリーサイズ:B
最近の車に多いボルトタイプ
詳細はAmazonのエーモン バッテリーターミナル(8855) 適合バッテリーサイズ:B
ターミナルブロックを外したところ
✔ 通常はこの部分は外さずに、根元のターミナルを外してバッテリー交換をするのであまり意識しない。しかしターミナルを交換するとなったら、純正ターミナルブロックがつなぎ直せないと困る。
蝶ねじタイプ
詳細はAmazonのエーモン バッテリーターミナル(8853) 適合バッテリーサイズ:B
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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