バッテリーメンテナンスの知識
バッテリーフレーム(ステー)の交換・取り付け時の注意点
バッテリーフレーム(ステー)も、交換することができる。交換の実質的な意味は、錆などで劣化したものを新品にすることだが、どうせ換えるならオシャレに……と、ドレスアップの観点も考えられた新アイテムを紹介。取り付けの注意点もわかる。
バッテリーフレーム(ステー)を交換する意味はなに?
-
エーモン製品を使った〈バッテリーメンテナンスガイド〉3日目です。
●レポーター:イルミちゃん
-
今日のテーマはバッテリーフレームです。バッテリーステーとも呼びますが、同じモノですね。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
-
バッテリーフレームって、バッテリーを固定している棒とカバーみたいなやつ?
-
そうですね。構成部品としては締め付け金具(固定金具)と、ロッドです。
-
フツウにバッテリー交換するときは、それまでに付いていた純正品を流用しますよね。
-
そうですね。でも、バッテリーを固定しているバッテリフレーム(ステー)にも、交換用パーツがあるんですよ。
-
あまり考えたことがない人も多いと思いますが、バッテリーフレームを交換する意味ってなんなんでしょう?
-
いくつかありますが、まずは、錆びてしまった場合。
-
フムフム。
錆びて折れたら大変だ。 -
それからバッテリー交換で容量(サイズ)アップしたときに、それまでの固定金具では固定できない場面とか。
-
あー、なるほど。
-
そんなわけで、交換用のバッテリーフレームも、エーモンでは昔から扱っていて、カー用品店で売っているのです。
-
すぐ手に入る補修部品といえば、エーモンだ。
-
そんなバッテリーフレームも、このたびモデルチェンジしまして、進化しました!
-
……バッテリーフレームが、どう進化するっていうの?
✔ 樹脂製のフレームだと、劣化してねじを締め込んだときに割れてしまうこともある。
バッテリーフレーム(ステー)のサイズの種類と選び方
-
さきほどバッテリーフレームの交換目的を挙げましたが、新モデルで重視した第三の目的が、ドレスアップです。
-
え、バッテリーフレームってドレスアップになるのッ!?
-
従来モデルは、昔ながらの固定金具的な雰囲気でしたが……
-
フムフム。
-
……せっかく交換するならスタイリッシュなほうがいいな〜ということで、新型バッテリーフレームは、シルバー塗装としました。
-
ほほう。
確かに、ただの固定金具ではない雰囲気。 -
バッテリーって、ほとんどは上が黒くて、下が白い……という色使いですよね。
-
そうですね。
-
そこで天面にシルバーを入れると、ワンポイントでオシャレになる、ということで。
-
なるほど、なるほど。
-
ちなみにバッテリーサイズに種類があるように、バッテリーフレームにもサイズの種類があるので注意しましょう。
-
上のはA、Bのバッテリーサイズに適合しているんですね。
-
もう一種類あって、バッテリフレーム(8861)は、Dに適合しています
-
バッテリー規格の表示は、例えば「55D23R(L)」などと表記されていたら、55のあとにくる「D」がバッテリーの幅と高さを示しています。
-
A、B、D、E、F……などが出てきますね。
-
まあ、ようするに、バッテリーサイズの記号と、バッテリーフレームの適合サイズを確認して、一致していれば大丈夫ってことですね。
-
いや、他にもまだ注意点があるんですよ。
Amazonでも販売されているエーモン バッテリーフレーム(8860)・締め付け金具サイズ:130mm・ロッドボルトサイズ:5.5Φ×250mm・適合バッテリーサイズ :A・B
詳細はAmazonのエーモン バッテリーフレーム(8861)・締め付け金具サイズ:173mm・ロッドボルトサイズ:5.5Φ×250mm・適合バッテリーサイズ :D
バッテリーサイズ記号と実寸の関係
記号 | 幅 | 高さ |
---|---|---|
A | 127mm | 162mm |
B | 129mm | 203mm |
D | 173mm | 204mm |
E | 176mm | 213mm |
F | 182mm | 213mm |
バッテリーフレーム(ステー)取り付け時はロッドサイズに注意!
-
新型のバッテリーフレームは、従来品に比べてロッドの長さが30ミリほど短くなっています。
-
それって、バッテリーフレームを取り付けるときの注意点とからむ話?
-
そうです。というのも、最近の車のエンジンルームはどんどんコンパクト設計になっています。
-
確かに。
-
それによって、エンジンルームの隙間というものが、だんだんなくなって来ています。
-
フムフム。
-
これはバッテリーの上の空間に関しても同じことが言え、バッテリーフレームを交換した際に、ロッドが長すぎるとボンネットを閉めたときに干渉……つまり突いてしまう危険があります。
-
……それは大惨事ですね。
-
バッテリーフレームというのは、あくまでも汎用品ですから、交換後に純正より長くなる場合は、そういうことがあり得るのです。
-
そこで新モデルでは、今どきの車に合わせてちょうどいいロッド長に見直してあるのです(※A・B・D用のロッド長は、250mmに設定してある)
-
単なる固定金具と思いきや、バッテリーフレームにもいろいろポイントがあるようです。
バッテリーフレーム(ステー)交換後のロッドの出っ張り量に注目
>>> 「バッテリー交換時にショートさせる原因と、その防止策」に続く
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
関連記事
- バッテリー交換時のメモリーバックアップとは?
- バッテリーターミナルとは? 交換する目的はなに?
- バッテリー交換時にショートさせる原因と、その防止策
- バッテリークリップで、簡易的にバッテリーから電源取り出し
- ワニグチクリップの使い方。オリジナルの12Vテスト用電源を作ろう
- バッテリーメンテナンスに役立つエーモンアイテム「番外編」
- バッテリー交換方法①╱外す前にバックアップ電源をセット
- バッテリーのマイナス端子を外すメリットと、デメリット
- ダミーセキュリティでバッテリー上がりの心配はないのか?
- 電気のショートとは何か? 車いじりで起こる原因と対策
- 車のヒューズが切れた! 正しい交換方法は?
- ヒューズのアンペア数(容量)の選び方
- バッ直とは何か? 初心者向き「バッ直電源取り出し」入門