LED自作コラム
パワーLEDを投入してバックランプ爆光化
パワーLEDを車のLED加工で使おうとすると、問題になるのがヒートシンク(放熱器)の設置スペースと発熱。それを踏まえてイルミスタの野本研究員が実験製作したのは、軽トラのバックランプ。なるほどバックランプなら連続点灯の必要はないし、明るさはほしいし、パワーLED化に向いている!?
バックランプ灯体の背面を切ってパワーLEDを投入
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パワーLEDを使ってみたい! でも車のどこにどう使えるかで悩んでいる人が多いと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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実はひとつの実験として、軽トラのバックランプにパワーLEDを使ってみました。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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実験?……ということは、イルミスタのお客さんの車ではない?
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これは僕の父親の軽トラです。
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実験ってそういうことか。
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パワーLEDを使うと放熱器(アルミヒートシンク)も必要になるので、バックランプユニット後部を切らないといけません。
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バルブの穴からは入りませんからね〜。つまり裏側は、切った貼ったの加工が前提。
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そうなんです。だからイキナリお客さんの車で提案する気はなかったので……
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お父さんが実験台になったと。……これ切った裏側はどうなっているんですか?
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最終的にはヒートシンクも灯体に収まったので、灯体をカットした樹脂は溶着しなおしてあります。
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ほぉぉ〜、ということはバックランプ灯体の厚み的には、パワーLEDとヒートシンクが両方入るんだ。よく収まりましたね。
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軽トラの場合は、なんとか入れることができました。普通の軽自動車よりはサイズも若干大きめなので。
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ただ、今回のバックランプにはこのヒートシンクを2個並べていれるほどの幅はなく、ヒートシンクの横幅を少しカットしています。
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アルミのヒートシンクって切れるんですか?
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今回は強引にカット用のサンダーを使って切りました。ヒートシンク裏面から刃を入れて、表側のフィンとフィンの間で切断します。
バックランプにパワーLEDを6発投入
光量は抑えて撮影した状態。
使用したパワーLED
エルパラで単品購入可能なEdison 3W白色 基板なし(基板つきもある)
放熱用のヒートシンク
こちらも単品購入可能なアルミ放熱器 35×35×14ミリ
パワーLEDとヒートシンクの固定方法
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今回は大きめヒートシンクひとつに対して、3個のパワーLEDを貼り付けています。
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固定はどうするんですか?
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パワーLEDの貼り付けには、「固まる放熱用シリコン」を使っています。
固定にはコレを使う
サンハヤト製の固まる放熱用シリコーン
シリコンをLEDの裏面に貼り付けて
ヒートシンクに貼り付ける
完全硬化するまで1日放置
パワーLEDは3個直列で組んでいる
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パワーLEDといっても、白色LEDを3個直列で組んでいる点では普通のLEDと同じです。
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白色LEDは1個あたり3V強のものが多いから、車の電源(12V)に対しては3個直列まではいけるんですね。
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そうです。その基本通りの組み方です。
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メチャクチャ眩しいんですけど、これいったいどんだけ電気流しているんですか?
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今回は600ミリアンペア流れるドライバーを使いました。
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600ミリアンペア流すドライバーって、ずいぶん強気ですね! いつもは慎重派の野本研究員にしては。
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今回はバックランプなので、点灯している時間は短いですよね。だから多めに流しているんです。
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ああ、なるほどそういうことか。
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ヒートシンクも大きめのものを付けているので、完成後も実用上問題ないことが確認できてます。
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考えてみるとバックランプは明るさが欲しい、点灯時間は短い、という意味でパワーLED向きなんですね〜!
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ちなみに今回作り替える前は、3年前に私がフラックスLEDで作ったものだったのですが……
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これは明るくなりましたね〜! お父さんもさぞかし喜んでくれたのでは?
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いや、父親には何も言ってないんで、たぶん今も気づいてないと思います。
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無断だったんかいッ!
1セットあたり3個直列でつないでいる
3個×2ユニットで爆光になる
パワーLEDに電気を流すドライバー
ドライバーにもいろいろ種類がある。今回使ったのは「降圧タイプ定電流ユニット 600mA」
こんな感じのバックランプが…
超★爆光に生まれ変わった!
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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