60ハリアー後期の「ヘッドライト」を加工屋目線でレビュー
60ハリアー後期のヘッドライトに特化したレビュー。ライト加工専門店「球屋」がデモカーとして購入し、さっそくいろいろ調査した結果なので、非常に鮮度の高いルポ。ヘッドライト加工に関心がある人には、とても興味深い情報だ。
注目はシーケンシャルウインカーと3眼プロジェクター
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今日の「重たい話」は、趣向を変えて、60ハリアー後期のレビューをしようと思います。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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へー。なんかマトモな自動車メディアみたいな感じですが……
●レポーター:イルミちゃん
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といっても、ヘッドライト限定の話です。
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ですよね。
ウチはフツウの車情報サイトとは違いますので。 -
……なぜそんな話をするかと言うと、今回の60ハリアー後期のヘッドライトの注目ポイントは、「シーケンシャルウインカー」だけではないからです。
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シーケンシャルウインカー以外にも注目……?
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もうひとつのポイントは、プロジェクターを3つ並べた「3眼ヘッドライト」になったことですね。
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この3眼ヘッドライトは、今回の後期では「きっとやってくるだろうな〜」と予想していました。
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それはなぜ?
球屋が前期ハリアーで、3眼加工していたから? -
そうではなくて、3連プロジェクターは先にレクサスで採用していたからですよ。その流れを汲んでいる。ようは今風ヘッドライトデザインのトレンドなんですね。
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そっか〜。
ハリアーもレクサスに追いついたのか〜。 -
ただ、レクサスと同じ3眼ヘッドライトにはなったものの、レクサスのそれとはやっぱりちょっと違うんですけどね。
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と言うと?
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ロービームだと、一番外側だけしか点灯しないんです。
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あ、そうなんだ。
なんか、もの足りないような。 -
ハイビームに切り替えると、内側の2つも点灯するんですけどね。
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つまり3眼の3つとも点灯しようと思ったら、ハイビーム状態でないとダメなんです。
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ハイビームで走れってこと?
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そうじゃなくて、普段の走行時は1眼ってことです。
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そーゆーことか。
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このへんは、レクサスに対する遠慮があるのでは? と僕は見ていますけど……。
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???
レクサスだと、どう光るんでしたっけ? -
レクサスはプロジェクターがL字になっていて、ロービームでL字に3つ光ります。
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このL字の光×3つで、ロービームとしての配光を出しているんですね。
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さすがレクサス。
凝っているなァ。 -
それによって、ロービーム時でも3眼が点灯します。
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非点灯時のパッと見は同じような3眼でも、光らせると明確に差がある……。
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そうなんです。
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……まあ、車両価格差を考えたら、その違いは仕方ない?
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しかし、ハリアーのヘッドライトだって(単体で買うと)約40万円もする高級品。3つとも光ってくれてもいいのに、とは思いますけどね。
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「高価なヘッドライトを単体で買ったことがある人」らしい、重みのある意見ですね。
3連でプロジェクターを搭載する3眼ヘッドライト。
レクサスRXの3連プロジェクター
ロービーム点灯時
ハイビーム点灯時
レクサスRXのロービーム点灯
ロービームで3眼を光らせるカスタムは可能か?
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実際、60ハリアー後期のカスタムに関する球屋への問い合わせで、リアシーケンシャルの次に多いのがこのロービームがらみなんです。
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どんな問い合わせですか?
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「光らない内側の2眼も、ロービームで光らせたい!」というリクエストが、早くもけっこう来てるわけですよ。
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皆さんずいぶん展開早い。
もうそんな話してるのかッ! -
ハリアーは、カスタマイズに興味のあるオーナーがたくさんいますから。
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で、それって出来そうな話なんですか?
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ただ、プロジェクター自体がハイビーム配光として作られているんですよね。
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そっか。
そういえばそうですね。 -
だから、これを普通に光らせてしまったら常時ハイビーム状態になるだけですから、あり得ないわけですよ。
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それはあり得ない話ですね。
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ハイビームをつぶしていいなら話は別ですけど、それは皆さんあまりやらないと思うんで。
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でしょうね。
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となると、間接照明的な光らせ方を検討していくことにはなると思います。
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ハイビームイルミか〜。
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そういうことですね。
どうやるかは検討中の段階です。
内側も光らせたい!
スモールのデイライト化は人気が出そうだが、課題は山積
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ヘッドライトの下を見てください(↓)。シーケンシャルウインカーと併設されているライン状の部分が、スモール点灯します。
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これは、デイライトではなくスモールランプなんですね。
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デイライトは、バンパーの縦ラインのほうです(↓)
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C-HRのデイライトみたいに、ヘッドライト下が昼間から光るわけではないんですね〜。
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そうなんです。そこで球屋では、ヘッドライトのラインのほうをデイライト化させるメニューを開発しています。
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いわゆるLEDスモールのデイライト化ですね。
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ただし、60ハリアー後期のヘッドライトはコンピューター制御。ヘッドライト外側からだけいじって、どうにかしようっていうのは無理です。
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コンピューターとヘッドライトの間で、何かをしようという、企み?
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そうですね。このカスタムはヘッドライトを殻割りしないでも出来るようにしようと、現在開発中です。
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電源は、すぐ下に本物のデイライトがあるから、そこから持ってくればよさそうですね。
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いや、これ(デイライト)はパルス制御なんですよ。普通には、電源は取れない。
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新しい車は、電源取り出しも普通にさせてくれない。
こっちがデイライト
白ラインの強発光はできそうにない?
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そういえばC-HRでは、ヘッドライト下のライン(※C-HRの場合はデイライト)を、強発光させる技が大人気になっていますよね。
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ハリアーもスモールをデイライト化させた上で、さらに強発光させることはできますか?
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残念ながら、このラインの強発光はできそうにないですね。
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えー!
それはなぜダメなんでしょう? -
もともと明るいというのもあるし、構造的に難しいんですよ。C-HRやレクサスはLEDを横に並べているのに対して、ハリアーはLED1球で光らせているので。
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しかもこのライン、シーケンシャルウインカーと併設しているんです。
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ここの後ろにLEDを増やすのは、無理がある。そんな狭いところにパワーLEDを並べられたとしても、熱で持たないでしょうね。
※詳しくは、「純正デイライトを約2倍の明るさにする〈強発光〉とは?」参照。
スモールLEDと併設して、すぐ上をシーケンシャルウインカーが走る。
アクリル加工をするヘッドライトではない?
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最近のヘッドライトに言える傾向ですが、インナーらしいインナーがないのは相変わらずですね。
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インナーがないと、得意のアクリル埋め込みができない。
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アクリルを埋める場所も限られているし、そのためにわざわざカーボン消すの?(※)みたいな面もある。こうなると、もう難しいですね。
(※)カーボン調はターボモデルのみ。他グレードはメッキ仕様。
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なるほどねー。
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置くとかならできるけど、それがカッコいいのかどうかは別ですよね。
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ヘッドライト加工の手法も、変わらざるを得ない局面なのでしょうか。
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そんな中、我々に何ができるのかを考えていくのみです。
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例えば、リ○シーケンシャルという大技が控えてますからね。今日はヘッドライト・ルポなので、テールの話は後の楽しみに取っておきます♫
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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