C-HRの純正デイライトを約2倍の明るさにする「強発光」とは?
純正デイライトのデザインはそのままで、明るさのみ2倍程度にまで引き上げる「強発光」。今後の新型車カスタムで、人気メニューになる予感しかない最新技だ。C-HRの他、新型レクサスRXでも強発光化に成功した「球屋」からのレポート。
純正デイライト本来のパワー(明るさ)を引き出す技
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LED加工専門店の球屋が、C-HRの純正デイライトの強発光化に成功したもよう。今日はそのレポートです。
●レポーター:イルミちゃん
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C-HRのLEDヘッドライトには、横に長いライン状のデイライトが内蔵されています。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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シーケンシャルウインカー同様、デイライトもかなり凝ったデザインですよね〜。
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その純正デイライトのデザインはそのままに、明るさだけを約2倍程度にまで引き上げるのが「強発光」の技です。
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おお〜!!
なるほど。 -
ただ単に強発光させるだけでは、夜間は明るすぎる……という問題もある。そこで「スモールオンで、元の純正発光に復帰する」回路も組み込んであります。
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つまり夜間は、純正の発光状態に戻るんですね〜。
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そうです。ライトスイッチ「オート」に入れている状態なので、暗くなったら自動スモールオンとセットで、自動減光します。
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なんだか純正オプションのようなノリですね〜♪
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この技は、べつに無理矢理なパワーをかけて明るくしている、というワケではないのがポイント。純正LEDのオーバードライブではありません。
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オーバードライブは、規定より多く電流を流して明るくすることですけれど……、
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純正状態より明るくできるLED、だということが分かってやっている加工です。
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どういうことですか?
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純正の回路を分析してみると、もともと国内仕様では暗く点灯するように回路が組まれているだけなんです。
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へー! じゃあ海外仕様向けの明るいデイライト機能が封印されてる、みたいな?
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そんな感じですね。それを解放する、という加工内容なんです。
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ちなみに一般的に日本仕様のデイライトが暗め、というのには、「法律的な背景」があるのでおさらいしておきましょう。
純正デイライトは、ライトスイッチ「オート」の状態で、シフトを「Dレンジ」に入れたら点灯。
純正デイライトの点灯状態
強発光化させると……
✔ ひとくちメモ
●日本ではつい最近までは「デイライト」としての法規上の規定がなく、「その他灯火類」に分類されていた。その場合は「300カンデラ以下」、というルールが適応されるため、日本のデイライトは社外品も含め、総じて明るさを押さえて作られている。
●2016年10月からは保安基準が改正され、デイライト(昼間走行灯)としての規定が新設された。
※「車検に通るデイライトの条件。新保安基準(2016年10月改正)対応」参照。
●新基準では(デイライトとしての要件を満たせば)「1440カンデラ以下」と大幅に数字が引き上げられているため、今後は純正・社外品を問わず明るいデイライトが増えそうな気配だ。
純正デイライト点灯は、日中は控えめ過ぎる印象
※スモールオンで純正復帰させたところ
強発光させた方が、デイライトとして存在感が出る
※他車にとって眩しい、というほどではないのがポイント。
純正デイライト強発光化は、どんどん難易度が上がる!?
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欧州などではむしろ明るさが求められるため、欧州仕様では「フルパワー」、国内仕様では「減光モード」。そんなデイライトの作りは、珍しくないんですよね。
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以前に紹介した、86前期などは、国内仕様では減光させてスモールランプとして使っている部分が……、
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「DRL」と書かれた端子に電気を流すだけで、デイライトとして強発光させることが可能でしたよね。
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今回のC-HRの場合は、もともと下部のライン状の部分がデイライトとして点灯はしているものの……、
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明るさを抑えている、という点では同じなんですよね。
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ナルホド。
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ただし86前期みたいに、簡単な話でない。C-HRのヘッドライトは、コンピューターで制御されていますから。
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「新型車ヘッドライトカスタムの問題点」で触れた通り、このコンピューターまでの配線はCAN(※)でつながっているので、ヘッドライトの配線には手が出せません。
(※)キャン:自動車各部の装置をつなぐ専用ネットワーク
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……ムムム。
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ですので、コンピューターを外して、その出力線をヘッドライト内部で加工していく、という手法を取っているんですよ。
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ウッ……。
難易度が上がりましたね。 -
それとスモールオンで減光させたいので、そのリレー回路もヘッドライト内で組まないといけない。
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ユニット取り付け、みたいなノリでは無理なのか〜。残念。
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そうですね。86前期のスモールデイライト化とかに比べたら、ものすごく敷居が上がってしまいました。
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メニュー的にはやりたい人が多そうだけど、DIYでできそうなノリではないようです。
純正状態のスモール点灯
デイライト用の強発光モード
ヘッドライトの底面に、コンピューターが付いている。
加工代にいくら位かかるのか?
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というわけで、カプラーオンで強発光!みたいな手軽さでできる加工ではなさそうなんですが……、
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ただ、救いなのはヘッドライトの殻割りまではしなくても施工可能なことです
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え!? ヘッドライト加工なのに殻割りしない? それは朗報では?
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さっき説明したコンピューターを外せば、そこから手が入る位の穴はあるので、それで配線加工していくんです。
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殻割りしないでできるということは、その分の工賃はいらない?
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それもそうですし、事前に予約しておいてもらえれば1日で施工完了できます。
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あれ?
ヘッドライト加工にしては安いッ!! -
球屋で直接取り付け作業をする場合は、バンパーとヘッドライトの脱着、車両側の配線作業の工賃(1万8000円)がかかりますが……、
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DIYで車をいじれる人なら、外したヘッドライトを単体で球屋に送ってもらって、施工することも可能ですよ〜。
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「フロントバンパーの外し方」と「ヘッドライトの外し方」はDIYラボで公開していますので、その1万8000円はショートカット可能♪
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これは「半DIY、半プロショップ加工」という、画期的なカスタマイズ手法とも言えそうです。
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ちなみに新型レクサスRXのデイライトも、同じ手法で強発光化に成功しました。
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今後の新型車のカスタムでは、人気メニューになりそうな予感♪
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これまでのハードなヘッドライト加工とはイメージが異なるので、より多くの人にカスタムの楽しさを知ってもらうきっかけになれば、と思います。
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残る問題点は、(球屋に直接行けない人が)加工してもらったヘッドライトを、自分で付けられるのか? という疑問。
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今後はこのパターンが増えそうなので、加工ライトの取り付け性も工夫しました。それについては「C-HR純正デイライトの強発光(後編)╱加工ライトの取り付け方法」で解説しています。
C-HR|デイライト強発光メニュー概要
強発光回路への変更、スイッチ付属、取り付け用ハーネスを含む
※取り付け用ハーネスはOPカプラーの空きが必要
✔ ヘッドライト加工の他、専用の取り付けハーネスなどもセットになったメニュー。問い合わせは、球屋HPの「C-HR強発光デイライト (DRL)」ページから。
バンパーやヘッドライトの脱着工賃は別。
ヘッドライト単体での空中戦も可能
※その場合も事前予約しておけば1日で施工が可能なため、往復の配送を含めた数日程度で、手元に戻ってくる。
※コンピューターは外さないでそのまま送る。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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