板金塗装をもっと身近に
塗装の縮み(シワシワ)の直し方╱サンドペーパー編
塗装で「縮み」が発生した場合の直し方。なおここで実際に補修する中古ナンバー枠は、ミゾの部分がシワシワ・ボコボコに浮き上がった状態で作業的にかなり大変な例。直し方がわかっても「やめとこう」と思う人が多そうだが、それはそれとして詳しく解説。
塗装の縮み(シワシワ)が起きた場合の直し方は?
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「ナンバー枠を中古で買って塗装(色替え)する気なら、注意が必要かも…」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回は、ナンバー枠の色替え塗装でありがちな、ミゾ部分の塗装の縮み(ちぢみ)について解説しました。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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中古パーツを購入し、純正塗装の上から塗装した場合には起こりがちだという、シワシワの縮み。
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新たに塗った塗装が縮んだり、古い純正塗装の塗膜が浮いたりしている状況です。
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上から塗ってみるまで、なるかどうか分からないっていうのがやっかいな問題…。
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最初から元の塗料を完全剥離してしまえばこのようなシワシワにはならないけれど、そこまでしなくても、問題なく塗れる(色替えできる)ケースも多いですからね。
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そういう意味では仮にDIYでやるとしても、塗ってみて縮みが発生したら補修する、という考え方もアリ…?
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それは発想としてはアリだと思います。で、縮みが発生した場合の直し方。
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ふむ。
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剥離剤を使っていったん全部塗装を剥がす選択肢もありますが、今回は全部を剥がさないで部分補修するやり方でいきます。
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今回のナンバー枠で縮みが発生しているのはミゾだけだしね。
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まず、こういう場合にパテを使った直し方もあるんですが、この状況だとパテを使うのはビミョウな面もある。
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と言うと?
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パテだって溶剤を使っているので、パテでも縮む可能性があります。
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あ、そういうことか。溶剤が純正塗装の下に入り込む的な展開が……
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あり得ます。だからパテも使いたくない状況ですね。
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では他の方法が?
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縮みが発生したミゾ内の塗装を、いったんサンドペーパーで削って剥がしてしまう直し方でいきます。
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ミゾの部分だけ、塗った塗装も下の純正塗装も、全部剥がすんだ。
ペーパーを使って削り落とす直し方の、現実的な問題点
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ちなみにここでは180番のペーパーを使い、幅3ミリ程度のミゾに合わせて折り曲げて削っています。
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削っていると、もともとの純正塗装がめくれてきます。
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削ったところは黒くなっていきますね。
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それが一番下の下地の色ですね。つまりミゾが全部黒くなるような状態を目指して削っていきます。
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ミゾが黒いラインになったところはOKなのね。
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しかし、こういうときって「自分の中では平らにならせているつもり」でも、色を塗ったら「また縮んだ…!」というのはありがちです。
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ウーム……。
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なので、この作業で重要なのは、下にある純正塗装もなるべく残さず削ることです。
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またしても純正塗装の下にシンナーが流れ込んだら、また縮むことになるからね……。
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そうです。エンドレスです。だからなるべく塗装を削り落としてしまいたい。
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けっこう大変な作業だな…。
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そんなにカンタンには取れないくらい、固いですしね。
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ならばもっと荒い番手のペーパーを使ったらいいのでは?
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しかしここで、例えば80番とかの荒いペーパーを使うと、確かに純正塗装は削りやすいけれど……
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ふむ?
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どんどんえぐるような削り方になるので「塗装を削ったところ」と「塗装を残すところ」に段差ができる。
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む。今回の例でいうと「黒と白の境目の段差」のことね。
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ペーパーの目が粗いほどその段差がキツくなるし、ギザギザします。
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そういうことか。
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逆に細かいペーパーを使うほど、その段差はならされていきます。
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180番ならいいってこと?
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180番のペーパーだとしても、そのままというわけにはいきません。今回のケースでは、一番最初が180番スタート。最終は320番→600番で磨いてから、サフェーサーを吹きました。
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……ひええ。純正塗装がきれいに剥がせたら終わり、って話ではないと。
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もちろんそうです。番手を段階的に上げながら、段差をならし、荒いペーパーで付けた傷目も消していくのです。
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やっとキレイになった! ……けど、ここまで来るのに、とてつもない時間かかりそう。
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今回のナンバー枠のミゾでいうと、削る作業に2時間くらいかかりました。ミゾが狭いからやりにくいし、そもそもヘコんでいる場所って削りにくいし……。
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映画1本見終わっても、本多研究員はまだシャカシャカ削っているという……。しかもミゾだけ延々と。
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……それを普通の人ができるかといったら、途中でココロが折れて、荒いペーパーを使うと思う。
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でしょうね。
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でもそういう直し方だと、サフェーサーを吹いた段階でまた縮んだり浮いたりする可能性が大です。
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直し方の理屈は理解できても、並の精神力では難しそう…。
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そう考えたら剥離剤を買ってきて、それをかけて全部を剥がしてしまうほうが早いかもしれません。
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DIYでやる人はそのあたりも考えて判断してください。
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塗装が剥がせたらサフェーサーを吹きますが、これも普通に吹くのはリスキーです。
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