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クリアを吹かないマット塗装（ツヤ消し塗装）のデメリット＆メリット

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マット塗装（ツヤ消し塗装）の知識。もっとも基本的なマット塗装はクリアを吹かない手法だが、そのやり方にはいろいろとデメリットがあるとわかっておきたい。もちろんメリットもあるのだが…

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  パーツ塗装でもよく頼まれるマット塗装について解説しておきたいと思います。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  マット塗装って、マットブラックみたいな色のこと？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  マットブラックであったり、マットガンメタであったり、下の色の候補はいくつかありますが、とにかくツヤ消し塗装になります。

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  ツヤ消し塗装には独特の存在感があります。

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  今回説明したい内容ですが、マット塗装にも塗り方にいくつか種類があるという話から始まります。

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  マットブラックもひとつではない？

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  そうですね。
  塗り方はひとつではないです。

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  フムフム。

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  もっとも基本的なマット塗装は、クリアを吹かないタイプのマット塗装です。

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  通常の塗装では、仕上げにクリアを吹きますね。



塗装の最終段階では、透明の塗料（クリア）を吹いて、ツヤを出しつつ塗装面を保護する。

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  しかしクリアを吹いたらツヤが出てしまうので「クリアは吹かない」塗り方で、マットカラーに仕上げます。

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  なるほど、なるほど。

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  でもこの塗り方にはデメリットもあります。

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  あー。クリアを吹かないことのデメリット…。

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  そうです。クリアを吹く目的はツヤ出しだけではなく、「保護」の意味合いもあるので。

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  クリアを吹かない状態は、紫外線攻撃にも弱そう……。

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  塗装の劣化問題ももちろんあるし、油汚れなどが付着してしまった場合にはもう取れない、というのもデメリット。

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  シャンプーのような洗剤を使っても落ちないの？

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  そもそも洗車するときに使う洗剤・溶剤も、シミになってしまったりするからね。基本的に「水洗いしかできない」と思ったほうがいいんですよ。

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  あらま。
  そうなんだ。

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  つまり触ったらダメ・汚したらダメ・ワックスをかけたらダメ……それがクリアを吹かないマット塗装のデメリットです。

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  いろいろ気を遣いますねぇ。

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  缶スプレーで売られている「マットブラック（ツヤ消し黒）」を使って塗っても、缶スプレーではなく僕らプロが使っている塗料で塗ったとしても、それらのデメリットは同じなんです。

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  DIYで塗っても、ほんだ塗装に頼んでも、クリアを吹かないデメリットは共通なのね。

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  しかしクリアを吹かないってことは、塗装の工程は少なく済む。これはメリットです。

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  その違いはつまり、塗装料金に跳ね返る。

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  クリアを吹く工程もなければ、その後の磨き作業もない。なのでその分、安くはできます。

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  ほんだ塗装は、そのあたりをキメ細かく値段設定してくれるからありがたい。

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  いつも言っていることですが、エンブレムなどを安く塗装したいとすればマットブラック塗装が一番安くできます。


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  小さいエンブレムなどを2500円とか3000円くらいの値段で塗装しているのは、マットブラック塗装です。

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  塗装料金が安いメリットっていうのは、今の世の中、デッカイと言えます。

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  ほんだ塗装では持ち込みパーツのマット塗装を依頼された場合、特に指定がない限りは、この「クリアを吹かないタイプのマット塗装」を採用しています。

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  ふむ……。その言い方だと、他にも手はあるようですね？

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  はい。マット塗装には、これとはちょっと違うパターンの塗り方があるんです。

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  ほう…？

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  世の中には、「三分艶」「七分艶」と言われるような塗り方もありまして。

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  さんぶづや……ちょっとは艶を出す、みたいな？

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  そうそう。通常のツヤ有り塗装に対して7割とか、3割とか……ツヤの度合いを落とした塗り方です。

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  そんな塗り方で、マットなツヤ消し塗装ができるんだ。

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  この場合はクリアを吹くマット塗装になるから、今回説明したデメリットはなくなりますが……

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  それなら理想的なんじゃないの？

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  でも、ほんだ塗装では、基本的にこの塗り方でのマット塗装はしません。

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  む？
  それはなぜ？

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  けっきょくのところ、そういう塗り方には別のデメリットがあって、僕としてはそれが納得いかないからなのです。