タイヤサイズ入門②
DIYユーザーが、ネット通販でタイヤ&ホイールを買うときの注意点
ネット通販でタイヤ&ホイールを買うメリットは価格の安さに尽きるが、デメリットもある。それはサイズ選びの難しさ。よくあるDIYユーザーの失敗例を挙げると…
サイズのチョイスミスが起こりやすいのがネット通販のデメリット
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「タイヤサイズの決め方入門(ホイールを交換する人向け)」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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今日は、タイヤサイズの選択でよくある失敗例を紹介しましょう。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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……失敗したくないからね。
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最近はネット通販でタイヤ&ホイールを買う人も増えましたが……
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それは安いし当然。DIYでタイヤ&ホイール交換する方法はこちら(↓)です。
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交換をDIYでやるのはいいんですけど、通販で買うってことは、自分でタイヤとホイールのサイズを決めるわけですよ。
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ふむ。
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ここでタイヤサイズの選択に失敗する人は、けっこう多いです。
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それって、どういう失敗?
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DIYユーザーにありがちなケースとしては、自分で選んだオフセットに、吊るしのタイヤサイズを組み合わせる……とか。
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……んん?
オフセットは選んだ??? -
ホイールメーカー推奨のタイヤ&ホイールサイズでは、全然ツライチにならない。自分である程度、オフセット計算などはやる必要がありますからね。
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オフセット計算のやり方なら、前に勉強しましたよね~。
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ホイールのツライチ計算だけなら、糸をたらせばDIYでもできます。
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しかし、じゃあ、タイヤサイズはどうするの? …ってなったら、そこはよく分かってない人が多い。
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ムムム……。
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それでけっきょく、タイヤサイズだけはメーカー推奨の……いわゆる吊しのサイズを買ってしまう人がいます。
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タイヤはよくわからんから、無難なサイズでいいや、と。
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でもその結果のマッチングは、全く無難ではない。むしろ無謀です!
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それはなぜ?
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ホイールだけは、オフセット計算でツライチに近いサイズを選んでいるから、フェンダーに接近しています。
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それでタイヤサイズが普通っぽい選択でボテっとしていたら、フェンダーにがっつり当たるに決まってます。
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ウッ……。
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ツライチはホイールだけでなく、タイヤサイズも含めて、煮詰めないと無理なんです。
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考えてみればこれは当然か。
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ようするに、そういう仕様は、引っ張りタイヤにするのが前提だったりするのです。
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……でも、どのタイヤサイズにすればどの位ショルダーが寝るとか、分からないのがフツウだと思う。
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そこはタイヤ銘柄によっても変わるし、自分の知識だけで選ぶのはなかなか難しいとは思いますが……。
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そこがよく分かっていないまま、通販でツライチを狙うっていうのは、確かに無謀ですね。
必要もないのに、デメリットの多い引っ張りタイヤにしてしまう人もいる
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自分でタイヤサイズを選ぶと、最初の話とは逆で、あまり意味もなく引っ張りタイヤにしてしまう人もいます。
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意味がない!?
どういうこと? -
ようするに、引っ張りタイヤでないとかわせないほど、車高が低かったりツライチにしているわけでもないのに、なぜか引っ張っているパターン。
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う〜ん。
とりあえず引っ張りたかった……のカナ? -
しかし、車高がそれほど低くはないのにタイヤだけ引っ張っていると、タイヤとフェンダーの隙間はかえって大きくなってしまいます。
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逆効果ってやつか……。
車高を落として、この隙間(↑)埋めたくなる。 -
この車高でいくなら、もっと太いタイヤサイズにしておけば、安心感も増えたのに。
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引っ張りタイヤにはデメリットも多いですからねぇ。
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そうなんですよ。車高を低くしたいとか、ツライチを攻めたい等の狙いがあって、そのためにリスクを取るならともかく。
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……そういう人は、なぜ唐突に引っ張りタイヤにしたのだろうか?
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よくあるのが「雑誌などで同車種のマッチングを見て、そのままマネる」ケースです。
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雑誌には、イベント仕様のハイレベルなドレスアップカーたちが載ってるから……。
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そういう車のマッチングを、普通に通勤に使っている車に持ち込むと……
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どうなるの?
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ひどいケースだと、物理的に入らない。雑誌に載っているような車だと、アーム交換や足回りの加工もして履いていたりするので。
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届いて履こうとして……ビックリでしょうね。
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あるいは、極端な引っ張りタイヤや超薄いタイヤを履いてみた結果、段差に気を遣いまくり、テンションが下がってしまう人も多いです。
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ウーム……。なんかそれも、もったいない話だなー。
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イベント仕様の車と、普段乗りで使う車のマッチングは違いますからね。そのギャップに苦しんで、相談にくるお客さんはけっこう多いですよ。
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スパイスは、街乗り仕様がメインですもんね。
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逆にスパイスのお客さんは、イベントに行く人ってあまりいないです。ほとんど街乗りスタイル専門店ですね。
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そういうプロショップに行けば、リアリティのあるタイヤ&ホイールサイズがわかります。
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電話でマッチングを聞いてくる人もいますけれど、車高やキャンバー角にもよるし、個体差もあるし……実車を見ないと、答えようがないですね。
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そういう要素を煮詰めたい人は、プロショップの門を叩いたほうがヨイでしょう。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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