車検に関する話題
H4(ハイ・ロー切り替え)ヘッドライトのLED化は配光性能が問われる時代へ
テスターでバルブをロックオン! 次の刹那に!!!!
ピッ!
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すると、結果が出ます!
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え…終わり?
あの〜、市川兵長!? -
へ?
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展開が分かりにくいんですけど……どの数字が、バルブの戦闘力ですか?
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……明るさのことでしたら、画面下の一番左のやつですけど。
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フムフム。250ね!
……良いのか悪いのか分かりませんが!! -
250ヘクトカンデラ、つまり25000カンデラということです。
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ええっと、車検をクリアするのに必要な明るさは……
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6400カンデラ以上です。
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ほえーー!
余裕でクリアですね。 -
最近は明るいLED素子も出てきたので、明るさは出せますよ。
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ここまではさすがIPFといっておきましょうか……。
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ん?
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しかし今回の問題は「配光」です、みなさん!
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いや、ですから、バルブの配光が整っていなかったら、今の測定が出来なかった……という話なんですよね……やっぱり分かってないな。
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え……。
なんか、分かりにくいぞ? -
もう一度見てみましょう。ロービームの場合、カットラインがあります。この左上がりのラインが立ち上がるところを、エルボー点(下の写真の緑のライン)と言いますが、この少し左下の測光ポイントで、明るさをチェックしていたんですね。
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エルボーてん。
……ヘンな名前。 -
この場所をヘッドライトテスターが自動で認識して、その少し左下の「測定ポイントを測りに行く」ということをやっているのです。
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その結果が、さっきの25000カンデラだったと。
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そうです。ところがカットラインが出ていないと、このエルボー点を機械が見つけられない。
エルボーくんドコ?
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なんか画面下の文字のところにも、赤が出てきましたが。
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これがエラー。
測定不能の状態です。 -
コレでは……バルブが十分明るくても、測ってもらえない?
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このとき、検査員がマニュアルで位置調整して測ってくれれば問題はないのですが、オートでしかやらなかった場合は車検に通らないということになってしまいます。
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検査員さん、そこをなんとか! 明るさは出てますから!!
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……っていうのは、淡い期待だと思うんですよー。
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そりゃそーだ。
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H4はリフレクターに反射させた上で、なおかつ配光を出す必要がある。そのため、LEDバルブ作りが本当にシビアでした。H4と比べたら、プロジェクターはずっとラク。
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なるほど。IPFのH4バルブが遅れて出てきた理由は、これだったのかぁ。配光って地味だけど大切なんだな。
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ルーメンみたいな数字で「配光性能も数値化」してくれれば、ユーザーにはもっと分かりやすいんですけどね。
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……確かに配光性能は伝わりにくいですよねェ。
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職人気質な開発姿勢は、クルマ好きなDIYユーザーには伝わりやすい気がしますけどね。
LED光源の位置なども純正バルブと厳密に合致
✔ 破線で囲んだ部分が光源。よく見ると上(ロー)下(ハイ)の光源は真っ直ぐタテに並んではおらず、微妙にズレている。そこも再現して、純正と同じ配光に。ここまでやるのがIPF。
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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