通好みの電装カスタム
サンキューホーンの取り付け(配線)方法
「サンキューホーン〈パパーン〉が純正スイッチで鳴らせるってどういうこと!?」の続編。ここでは実際のユニット取り付け方法を解説。カプラーオンで取り付けできるので、純正配線を傷つけることもないし、配線加工の手間もない。
デンクル製のサンキューホーンはカプラーオン取り付け
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今日は具体的に、サンキューホーンの取り付け方法をガイドします。
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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サンキューホーンを付けると言われても、どのへんでどんな作業をするのか……まったくピンと来ませんが。
●レポーター:イルミちゃん
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ハンドルコラムカバー(※冒頭の写真)の裏側付近ですね。
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へぇ〜。
そんなところで。 -
この内部に、関連した配線が通っています。なお、デンクルのサンキューホーンキットは、カプラーオン取り付けですから、純正配線を切ったり加工したりする必要はありません。
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ここでは60ハリアー後期をモデルに取り付け方法を解説していきますが、最近のトヨタ車の場合は、どれも似たような付け方になります。
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今回の作業、内装パーツの分解は最小限でいけそうですね♪
デンクルのステアリングスイッチホーンキット
ハンドルコラムカバーの外し方
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まず、ステアリングを90度切ります。
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そうすると奥に隠しネジが見えます。
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ネジは反対側にもあるので、1本取ったらステアリングを反対方向に回して、同じように取ります。
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ネジをなくさないように注意しましょう〜。
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ハンドル奥のコラムカバーは、上側と下側の2ピースに分かれていて、サンドイッチしているんですが、下側の両サイド(真ん中あたり)を押し込むとツメが外れます。
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で、そのまま引き下げると、パカっと外れます。
車種によっては、カバー下側にネジが1本使われていることもある。
パカ!
カプラーオンでユニットを割り込ませる
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ハンドルコラムカバー(下側)が外れると、中に純正配線のカプラーがいくつも見えると思います。
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見えるには見えますが。
ドレがドレだか……。 -
それは大丈夫。デンクルのサンキューホーンは、車種別専用設計なので、説明書も車種ごとになっていて、「このカプラーです」と書いてあります。
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60ハリアー(後期)の例でいうと?
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黄色いカプラーの奥に見える、黒いカプラーがターゲットです。
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まず、この純正カプラーを抜きます。
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ツメでロックされています。ロック解除になるように、指で押しながら引っ張ります。
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ただ引っ張るだけでは抜けませんよ〜。
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そして、ユニットのカプラーをつなぎます。
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カプラー形状が合うのは正解パターンのみなので、差し込み間違いは起きませんね。
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そうです。それがカプラーオンのいいところです。あとは最初に抜いた純正カプラーを、ユニットの反対側のカプラーにつなぎます。
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これで、純正カプラーの間に、ユニットが割り込んだことになります。
ACC電源取り出しもスマート設計
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あとは電源取り出し。これはACC電源を、ヒューズから取り出します。
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ということは、ヒューズ電源が必要ですね。
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いや、最初からエーモン製のヒューズ電源がセットになっているので、別途用意する必要はありません。
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なるほど。
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モデル車のハリアーは、ヒューズボックス位置が助手席側。なので、ユニットから出ている赤い電源線を、ダッシュボード裏を通して助手席側へ通します。
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助手席側足元の、アンダーカバーを外します。ツメでロックされているので、ツメを押しながら引き下げます。
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下から奥を覗き込むとヒューズボックスが見えるので、説明書で指定しているヒューズを抜いて、ヒューズ電源と差し替えます。
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デンクルのサンキューホーン(ステアリングスイッチホーンキット)は、車種別専用設計なので、どのヒューズと交換するかは説明書に書いてあります。
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つまり、検電テスターでどれがACC電源(またはIG電源)なのかを調べる、といった作業はショートカットできるんですね。
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そうですね。
単純に差し替えるだけのことです。 -
で、ヒューズ電源が取り付けられたら、ユニット側から取り回してきた赤い電源線とつなぐだけ。
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取り付け方法としては以上です。
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これで、ステアリングスイッチの下のスイッチ(↓)を押すと……
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「パッ」とサンキュホーンが鳴ります。
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あの〜。
「パパッ」って2回鳴らしたいんですけど? -
それは設定で変更できます。デンクルのサンキューホーンは、設定の変更も純正のスイッチだけでできるように工夫しました。
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1個のスイッチで、そんなにいろいろできるの?
ヒューズ電源の取り付けをしたことがない人は、「ヒューズ電源の正しい付け方(取り出し)。向きに注意!!」を参照。
デンクルのサンキューホーンは設定方法が秀逸
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え〜、続いて設定の変更方法ですね。ここからはちょっと地味な話になりますが……
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む。地味ではありませんよ!
重要なコダワリです -
ハイ。
どうぞ。 -
まず、サンキューホーンを鳴らす回数は「パッ」と「パパッ」と「パパパッ」の中から選べます。
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1回〜3回まで。
これは好みの問題ですね。 -
そして回数だけでなく、「パ」1回あたりの長さも、「長い」「短い」の2段階で調節できます。
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細かいなァ。
それ、いる? -
ホーンの種類によって、時間が短いと鳴りきらない、という問題も出てくるためですよ。
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あー、そういうことか。
車種によって違うんだ。 -
つまり6パターンあるわけですが、すでにユニットを取り付けているので、短く押すと「サンキュホーン」が鳴ってしまいますよね。
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「パッ」って一回鳴りました。
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そして、1秒程度長押しすると純正機能として、レーダークルーズコントロールの車間距離設定が働きます。
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短押しでサンキューホーン、長押しで純正。ここまでは分かる。
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さらにもっと長く、5秒長押しし続けると、サンキューホーンのパターン切り替えになるんですよ〜。
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これで「パパッ」になります。もういちど5秒押したら「パパパッ」になって、さらにもう1回やったら「パーッ」(長めの1回)になる、という具合です。
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どんどん切り替わるんですね。
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そして5秒ではなく10秒長押しすれば、完全に純正復帰します。 (オフ状態で10秒長押しすればオンに切り替わる)
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おー。
なるほどォ! -
というわけで、何もスイッチを増設しないで、純正スイッチだけで全部できるようにしたというところがポイント。
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だから後付け感はまったくない!
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そうです。今回の研究で一番こだわったポイントは、そこなのです。
5秒押しでモードが切り替わる
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/
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