電装DIYの知識
カプラーの抜き方。…抜けないときは?
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カプラーが固くて抜けない!……そんな時どうするか。まず基本的な抜き方をおさらい。しかしツメが固くて押せないとか、カプラー自体のかみ合わせがガチガチで抜けないケースもあり得る。対応策を知っておきたい。
基本的なカプラーの抜き方
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前回、カプラーオン製品は取り付けがカンタンなのが魅力って言っていましたよね……?
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。
カプラーオンは、カチャンカチャンっとつなぎ直すだけ♪●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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……って言うけど、純正のカプラーが固くて抜けません!
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カプラーは、引っ張るだけじゃ抜けませんからね。ねんのため、言っておきますけど。
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……ウ。
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確かに固いのはありますが、まず、基本的にどんなカプラーもツメでロックがかかっています。ロックがなにもなかったら、抜けてしまいますので。
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例えば上のカプラーも、引っ張っただけでは抜けません。この部分を押すんです(↓)
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押すことでツメのロックが解除されるので、そのまま引っ張って抜きます。
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差し込むときは、ツメがはまってロックがかかるところまで差し込みます。
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以上が基本的なカプラーの抜き差し方法なんですが、確かに固くて抜けない、というケースはありますね。
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やっぱりね。
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まず、ツメのロック解除のための押し加減。これってカプラーによって、差があります。完全に押し込んでいないと、ロックが外れないものもある。
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フムフム。
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「ロック解除部分を最後まで押せていない」のが、固くて抜けない原因であることは多いです。
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押せていないということは、ツメのロックがまだかかっている。
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ですね。カプラー自体のかみ合わせが固くて、抜きにくいこともありますが。
ツメ(↑)が引っかかってロックされている。
押して
抜く!
カプラー外し専用工具を使う手もある
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カプラーは、基本的にはツメを押しながら引っ張れば抜けます。しかし種類によっては、ツメをロックしている部分が押しにくいものがあります。
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見えにくいところの作業で、手探りだったりすると、なお押しにくそう。
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手に力を入れにくい場所、というのもありますしね。
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ムムム。
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抜けにくいカプラーの抜き方は、力の入れ方に若干コツがあるんです。ようは慣れの問題なんですが……
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馴れていない人は、どうしたらいいでしょう。
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道具を使う手があります。
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道具って?
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カプラー外し(コネクター外し)と呼ばれる工具があるんですよ。
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カプラーのツメのロックをガシっと押さえながら、引っ張るための専用工具です。
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こんなのまであるんですね〜。
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こういうツールを使うと、ロックが押せていない、という事態はまず起きないです。
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なるほど、なるほど。
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狭いと、手を入れて引っ張るのもやりにくいです。意外とこういう工具を使ったほうが、小さいスペースでも作業できたりするんです。
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へぇ〜。
狭い場所では工具が使いにくい気がしますけど? -
いや、むしろその逆ですね。手だけで引っ張ろうとすると、そこそこスペースがないとやりにくいです。
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そっか。
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そんなに頻繁には使いませんが、「カプラーが抜けない!」という時は、コレがあると重宝します。
室本鉄工、MERRY(メリー)のHS175Cカップリングツール
純正配線のカプラーを外した時の注意点
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最後に、純正配線のカプラーを外したときの重大な注意点に触れておきますね。
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重大な注意点?
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カプラーが外してある状態で、車の電源を入れてはいけません。
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それはつまり、プッシュスタートボタンを押すなという意味ですね。
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それはなぜ?
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純正配線が全部つながった状態でないと、エラーが出る(※ハイブリッドシステムエラー等)車種が増えているからです。
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あー。エンジン始動時にいろいろ読みにいくからですね〜。
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プリウスあたりからのハイブリッド車は、だいたいみんなそうです。
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フムフム。
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一度エラーを出してしまうと、ディーラーに車を持っていかないと消せないケースもあるので、要注意です。
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それは……やってしまった感が大きいなぁ。
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いろいろなパターンがあって、しばらく走ると消えるパターンもあるんですけど、消えない車もある。
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感じ悪いですねぇ。
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特にトヨタ系のハイブリッド車のエラーには、絶対消せないものもあります。
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カプラーを抜いたまま、ちょっと検電テスターで調べたいから電源入れよ〜とかやらないように注意しましょう。
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電源を入れるのは、カプラーをつなぎ直してから……ですね。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/
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