電装DIYの知識
オートブレーキホールド機能を自動オンにする方法
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オートブレーキホールド機能は便利だが、エンジン始動時に毎度オンにするのが面倒。それを自動オンにする方法だ。ところでこの機能は、一部の新型車に採用され始めたばかり。まだ一般的ではないが、車好きとしては知識として押さえておきたい。
純正のオートブレーキホールド機能のおさらい
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オートブレーキホールド機能に関するカスタマイズを紹介します。
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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なんですか!? その機能?
●レポーター:イルミちゃん
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まだ、一部の新型車にしか採用されていない機能なので、一般的にはあまり浸透していませんよね。
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では、まず純正機能の解説からおさらい、ということで。
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オートブレーキホールド機能とは、信号待ちや渋滞などの停車時に、ブレーキペダルを踏み続けなくてもブレーキ状態を保持する、という機能のことです。
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信号待ちで、ブレーキを踏んでいなくてもいいんですね。
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そうですね。で、アクセルを踏めば自動的にブレーキ解除となります。
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それって実際、便利なんですかね?
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いざ使い出すと便利ですよ。安全面から言っても「ブレーキを踏んでいるつもりで、しっかり踏めていなかった」などという問題を回避できますし。
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ブレーキを踏んでいるつもりで、荷物をごそごそやっているうちに……
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クリープ現象で進んでいて、前車にコツンと当ててしまうとか。そういう危険も回避できますね。
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なるほどね。でも、もし、うっかりそのまま車から降りたら危なくないのかな。
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例えば、Dレンジのままで、オートブレーキホール機能で停まっていることを忘れて、そのまま車から降りたら……
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どうなるんでしょう?
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そのへんはよく考えられています。ホールドで停まっている状態で、運転席のドアを開けたら、電動パーキングブレーキがかかります。
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なるほどねぇ。
さすがは最新機能。 -
ただ、まだ採用例は限られていて、トヨタ・レクサス系の車でいうと、レクサスの一部車種と、トヨタ車ではアルファード╱ヴェルファイア、それからC-HRで採用された位ですね。
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その便利機能を、どうカスタマイズするというのでしょうか?
オートブレーキホールド機能を自動でオンにしたい
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しかし、このオートブレーキホールド機能、エンジンをかけた後、毎回ボタンを押さないといけないんです。
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ボタンがあるのか。
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そして、あくまでもエンジン始動時はオフの状態なんですね。だから毎回、オンにしないといけない。
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常用するつもりの人には、不便な話ですねぇ。
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そうなんです。
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オートブレーキホールドに馴れていて、たまたまオフ状態だったら、それはそれで焦りそうですし……。
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そういう面もありますよね。それを自動オンにするための電装ユニットが、オートブレーキホールドキットなんですよ。
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これを付ければ、エンジン始動時にオンにしてくれるんだ。
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ええっとですね、正確に言うと、オートブレーキホールド機能をオンにする条件が整った段階で自動オンにします。
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む……どういうことですか?
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まず、元々の純正のオートブレーキホールド機能に、ホールドを有効にする条件というのがあるんですよ。
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フムフム。
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その条件とは「運転席のドアが閉まっている」ことと、「シートベルトを装着している」の2点。これを満たした状態でボタンを押すと、有効になるんです。
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なるほど。それを満たしていないと、ボタンを押してもオンにならない。
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そういうことですね。
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で、キットを後付けしたあとはどうなるかというと……
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運転席のドアを閉めて、エンジンをかけて、シートベルトを締めた段階で、オンになります。
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ほー。
つまり純正と同じ条件になっているんですね。 -
そうなんです。そもそも、「運転中の状態」ではじめて作動させるべきもの。だから、純正でもそういう制御になっているんです。
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そういった純正の安全機能に、変化はないわけですね。
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ハイ。あくまでも「最初のボタンを押す」というアクションだけを人間の代わりにやっているだけで、それ以外はまったく純正の動作のままですよ。
デンクルのオートブレーキホールドキット。写真はC-HR用。
写真は新型CX-5のオートブレーキホールド
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/