通好みの電装カスタム
サンキューハザードがステアリングスイッチでできる技
ステアリングから手を離さずに、サンキューハザードできる技。走行中にハザードスイッチを押すためにステアリングから手を離す必要がなくなり、安全性もアップ。そして後付け感はなし。
「サンキューハザード」や「高速渋滞ハザード」の問題点
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道を譲ってもらったときに行う、サンキューハザードってありますよね。
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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ハザードランプを3回ぐらい点滅させて、お礼するやつですね。
●レポーター:イルミちゃん
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そういうときって、ステアリングから片手を離して、ハザードバタンを押しに行きますよね。
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まあね。ハザードスイッチ(ボタン)は、離れておりますので。
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だいたい、ナビ周辺のパネルに付いている車が多いですよね。これが意外と遠いから、左手を伸ばしてハザードボタンを押しに行く。
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しかも1回ハザードスイッチを押して、チッカチッカチッカ……って3回点滅させて、また消しにいきますよね。
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手を離すんですね。
2回も。 -
しかし、停車時ならいいんですけど、サンキューハザードって走行中にやるわけですよ。
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考えてみると、危ない面もありますねぇ。
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しかも、「後ろの人に早くお礼いわないと!」って焦ったりするから、なおさらなんです。
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そういえば、インダッシュナビの画面が開いていると、ハザードボタンがビミョウに隠れる例もある。
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そういう場合はなおさら、走行中に押しに行くのは危ないと言えます。
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確かに。
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似たようなシーンで、高速道路で前方が渋滞しているときなども、後続車に対して知らせるためにハザードランプを点灯させますよね。
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高速渋滞ハザード、ですね。より重要なハザードランプの使い方です。
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でも、もしカーブの途中で渋滞を発見! なんてときは、ステアリング操作しながら・ブレーキを踏みながら・ハザードを押すために左手を離す? 危ないですよね?
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そうだけど、カーブで渋滞が始まっている場面なら、1秒でも早く後続車に知らせないと、もっと危ないですよ? 突っ込まれる。
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まあ、どっちが危険でどっちが安全かの議論をする気はありません。
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自分から議論をふっかけておいて、感じ悪い……。
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なぜならこの問題は、ステアリングから手を離さずにハザードランプが点灯できれば解決するからです。
レーンディパーチャーアラートスイッチを、サンキューハザード化!
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ステアリングから手を離さずに「お礼」ができたら、安全だしスマートです。
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またなにか発明できたんですね。
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それを可能にするために研究開発したのが、ステアリングスイッチハザードキットです。
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これを付けると、ステアリングのスイッチで、サンキューハザードができるようになります。
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ステアリングのスイッチって?
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最近のトヨタ車の傾向で、ほぼ標準装備になりつつある「トヨタセーフティセンスP」(衝突回避支援パッケージ)に付く機能に、「レーンディパーチャーアラート」というのがあります。
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フムフム。
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車線からちょっとハミ出したりすると、『ハミ出してますよ!』と警告してくれる車線ハミ出し警告ですね。
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あー。
いる人といらない人に分かれるやつ。 -
そうそう。だから、ステアリング横に「レーンディパーチャーアラートスイッチ」っていうのが付いていて、有効・無効が切り替えられるようになっているんですよ
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このボタンを活用します。
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活用するって?
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サンキューハザードや渋滞ハザードを、このスイッチに割り当てようという発想です。
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ほほう。
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ステアリングスイッチハザードキットを取り付けると、このステアリングスイッチ1回押しで、「ハザードが3回点滅して、自動で消灯」します。
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つまりサンキューハザード点滅。
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そうですね。でも、高速道路の渋滞最後尾でハザードを付けるときは、3回では足りませんよね。
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後続車が、遅れてくるかも知れないし。
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で、しばらく点滅させたいときは、スイッチを2回押しするんです。
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ポチポチ。
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すると、ハザード点滅がはじまります。
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フムフム。
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で、もういいかな〜ってなったら、短くポチって押すと、ハザードが消灯します。
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つまり手を離さずに、ハザードスイッチのように使えるんだ。
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そうです、そうです。なので、いちおう「高速渋滞ハザード」とは呼んでいますが、ハザードランプを使いたい場面ではどの場面でも活用できます。
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ハザードスイッチが、ステアリングに移設されたようなものですねぇ。
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ハイ。だから便利なだけではなく、安全性にもつながります。
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……しかし、ここまでの話を聞いて、誰でも疑問に思うことがありますよね?
デンクルのステアリングスイッチハザードキット。適合車種はどんどん増えている最中なので、デンクルHPで確認してみよう。
レーンディパーチャーアラートの切り替え機能は、「長押し」で残せる
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サンキューハザードや渋滞ハザードが、ステアリングを握ったままできるのは素晴らしいけれど……
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劇的にやりやすくなりますヨ。
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しかし、もともとの純正機能、「レーンディパーチャーアラート」の切り替えボタンはどうなってしまうのか。
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それは「長押し」すればいいんです。約1秒ぐらいです。
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そもそも、いったんレーンディパーチャーアラートを有効(あるいは無効)にしてしまえば、エンジンを再始動したときにも前回状態を引き継ぐんですね。
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つまり、普段は触る必要がないってことか。
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そうですね。「車線逸脱警告は便利だから使っている」っていう人はオンのままでしょうし、「うっとおしいからいらない」っていう人はオフのままだと思うんですよ。
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なるほどね。
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まあ、「時々切り替えるよ」っていう人でも、例えば普段走る道では「オフ」だけど、高速道路を走るときだけは、いねむり対策として「オン」にするとか、そういう頻度でしか使わないはず。
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確かに。通勤の行きと帰りで、設定変更する人はいないでしょうね。
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つまり、「レーンディパーチャーアラートのオンオフ機能が長押しになってしまうと不便だ」、という人はそんなにいないと思います。
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それに比べるとサンキューハザードの頻度は、はるかに高いですもんねー。
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そういうことなんです。
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目の付け所がさすがデンクルだ!
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なんなら、完全に純正状態に戻すこともできます。
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純正復帰ですね。
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5秒以上長押しすると、このキットが付いていないのと同じ状態。まったくの純正状態に戻すことができます。
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それすらも純正のステアリングスイッチでできるわけか〜。
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ハイ。例えば車を整備に出すから、完全に純正状態にしておきたい、なんていう時があれば、使う機能ですね。
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整理すると、こういうことになりますね(↓)
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スイッチ類は、何も後付けする必要はありません。本体ユニットも付けるときに隠してしまったら、触る必要はないですね。
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後付け感ないのは、ポイント高い。
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以前に紹介した、ステアリングスイッチホーンとの併用もできます。
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あのときは、「レーダークルーズの車間距離切り替えボタン」を利用したんでしたね。
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そうです。今回はその隣のボタンを利用しました。だから両方同時にも付けられる。
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前回は、レーダークルーズのボタンが、「ホーンを鳴らしているようにしか見えない」と断言していた岡本研究員ですが、その点、今回はいかがでしょうか?
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う……。
そ、それは。 -
これは車線逸脱にしか見えないか。
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いや……、道を譲ってもらって、道路上に割り込んだときのマークですよね。コレは。
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そうか、これは車線逸脱マークではなく、道路上に割り込んだマークだったのかッ! コンビニから道路に出てきた瞬間、みたいな。
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ええ。
……僕の目には、そのように見えます。 -
最初に聞いたときにはムリヤリ感があっても……だんだん、そのように見えてくるから不思議です。
長押し=純正動作
デンクル・ステアリングスイッチハザードキットの働き
操作 | 動作 |
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✔ 短押し | サンキューハザード→自動消灯 |
✔ 短押し2回 | ハザード点灯開始 |
→ 短押し | ハザード消灯 |
✔ 長押し(約1秒) | 純正動作 |
✔ 長押し(5秒以上) | 純正復帰 |
→ 再び5秒長押し | デンクル有効化 |
ありがとうのタイミングを示す割り込みマーク?
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/
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