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パドルスタートキットの取り付け方法②╱ホンダ車編
パドルシフトでエンジン始動できる「パドルスタートキット」取り付け方法・ホンダ車編。取り出す配線の種類は多めだが、配線情報サポートが手厚いキットなのでDIYでできる。
ホンダ車にパドルスタートキットを取り付ける場合の難易度について
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「パドルスタートキットの取り付け方法①╱マツダ車編」に続きまして、今回はホンダ車編です。
●レポーター:イルミちゃん
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ホンダ車への取り付けは、マツダ車のときに比べると作業工程が増えます。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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とはいってもDIY取り付けは十分に射程圏内ですよね?
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そうですね。ちなみにホンダ車は車種によって難易度が変わりまして、一番カンタンな組は、オデッセイ(RC1・2系)・ステップワゴン(RP1~4系)・S660あたり。
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フムフム。
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次いで難易度が低いのが、N-BOX・N-ONE・N-WGN・N-VANといったNシリーズの軽自動車群で……
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なるほど、なるほど?
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そして、一番工程が多くなるのがフィット系のグループ(※)です。ヴェゼルなども、この組に含まれます。
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今回はあえて「一番工程の多いグループ」を例にした取り付け方法です。他車種の人は、これよりカンタンならできるかも?というふうに判断してもらえれば。
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パドルスタートキットの取り付けに登場する配線は、以下の通りです。
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これはマツダ車の場合とまったく同じ。ホンダ車の場合は、どこからどう取るのかを解説します。
※工程が多めのホンダ車グループ
ヴェゼル(RU1~2系)、ヴェゼルハイブリッド(RU3~4系)、シャトルハイブリッド(GP7・8系)、グレイスハイブリッド(GM4・5系)、フィット(GK3~6系)、フィットハイブリッド(GP5~6系)
取り出す配線(信号) |
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常時電源 |
アース |
スタートスイッチ線 |
フットブレーキ線 |
パドルシフトスイッチ線 |
IG電源 |
Pポジション信号線 |
※詳細はコムエンタープライズのパドルスタートキット参照。
ヒューズボックス周りでIG電源と常時電源を取る
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はじめに運転席側にあるヒューズボックス周りで、IG電源と常時電源を取ります。
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ヒューズ電源を使うんですか?
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いいえ。ヒューズから取るのではなく、ヒューズボックス周りの配線から取れるんですよ。
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ホー。
そういう手もあるのか。 -
まず運転席ドアを開けて、ウェザーストリップを外しましょう。
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ダッシュボード右端のパネルを、内張りはがしなどを使って外します。
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続いて、運転席側アンダーパネルを、手前に引くようにして外します。
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ヒューズボックスまわりの配線に、アクセスできる状況になりました(↓)
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このコネクターからIG電源が取れます。
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こちらのコネクター(写真下の左側のコネクター)からは、常時電源が取れます。
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配線情報が分かっている状況ならば、ヒューズボックスのヒューズではなく、配線から取る、という方法もあるんですね~。
※グレイスとシャトルは、中にあるボルトも外す。
何番ピンのどの色の線なのかは、キット購入者向けの「車種別配線情報」で確認できる。つまり取り付け時に検電テスターは必要ない。
ハンドルコラム内でパドルシフトスイッチ線を取る
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次はハンドルコラムカバー内で、パドルシフトスイッチ(のアップ側)線を取る作業です。
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フムフム。
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それから、アースもここでいっしょに取ってしまうのが効率的です。
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なるほど。
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この作業では、ハンドルコラム下のネジ(またはクリップ)を外します。
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そして、内張りはがし等を使って、コラムカバーの上半分を外します。
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ハンドルを切った状態で見えるネジ(↓)を外します。ネジは反対側にもあります。
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この左右のネジを外してから、コラムカバーの下半分を外します。
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ステアリング裏にある、このコネクター(↓)に配線します。
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パドルシフトスイッチ線やアース線は、このコネクターを通過しているんですよ。
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なお、パドルシフト線はいったん切断して、双方をコントローラー(ユニット)の配線とつなぎます。
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ここまでの作業で、常時電源・IG電源・アース・パドルシフトスイッチ線が取れたことになる。
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残りはメーター裏での作業です。
配線の色などは車種により異なる。キット購入者向けの「車種別配線情報」で確認できる。
メーター裏のスマートECU付近で一網打尽
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メーター裏の作業って、なにをするの?
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メーター裏にはスマートECUというコンピューターユニットがありまして、そこにつながるコネクターで、スタートスイッチ線(複数あり)やフットブレーキ線・Pポジション信号線などが取れるのです。
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シフト周りやスタートスイッチ周りではなくて、メーター裏でまとめて取るんだ。
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ホンダ車(フィット系グループ)の場合は、それが一番効率的なので、そのように案内しております。
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なるほどね。でも、メーター裏ってどうやってアクセスするの?
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まずは、メーターパネルを内張り剥がし等を使って外しましょう。
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そして、下写真の位置にあるネジを外します。
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それからメーターを引き出してきます。
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途中でメーター裏のコネクターを抜き、メーターを完全に取り外します。
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メーター裏にあるスマートECUの、写真位置のネジを外すと、スマートECUを手前に引き出せます。
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このスマートECUにつながるコネクターの配線から、いろいろ取れるんですね~。
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Bコネクターから「スタートスイッチ線のプラス・マイナス」と「フットブレーキ線」が取れ、Cコネクターで「Pポジション信号線」が取れます。
※ただし、グレイスは除く。グレイスの場合は、グローブボックス裏にスマートECUがあるので、そこで取る。
※写真はフィット・ヴェゼルの場合。
配線の色などは車種により異なる。キット購入者向けの「車種別配線情報」で確認できる。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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