カプラーが外れない問題
ロックがかかったカプラーの外し方に、コツはないの?
カプラーはロックを押しながら引っ張って抜くものが多い。それが分かっていてもなお、押しても引いても外れる気がしないカプラーに遭遇することもある。そこでカプラーに詳しい・デンクルの岡本研究員に、外れないカプラーの外し方を聞いた。
20ヴェルファイアの天井裏のカプラーが抜けない。外し方は?
-
読者の方から頂いた、「カプラーが外れない!」という切実な悩みに回答していきたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
-
補足しておくと、こうきさんが言っている「天井裏のカプラー」とは、これ(↓)ですね。
-
上の写真は以前に記事に載せた30ヴェルファイアの例ですが……20系ヴェルファイアの場合は、また事情が違うのかな?
-
いや……そんなことはないです。基本的にはそんなに変わらないんですよ。
●アドバイザー:デンクル 岡本研究員
-
え、そうなの?
-
参考までに、20ヴェルファイアの天井裏にあるカプラー(↓)です。
-
前に解説した30アルファードのカプラーとは少し形状は違いますが、カプラーの外し方としては同じなんです。
-
ふむ。
-
ロックを解除するツメの位置も同じで、下側にあります。
-
ツメを押しながら引くことで、カプラーを抜きます。
-
むむ。カプラーの抜き方が30系も20系も全く同じだとすると、これは逆に回答が難しいですねぇ。
-
そうなんですよね。カプラーを外す方法は、「ツメを押しながら引っ張る」ということでしかなくて……。
-
なぜ抜けないんだろう?
-
ロックの位置が分からないか、あるいは押し込みが甘いか。その可能性が高いと思います。
-
まあね。
天井裏で手が入れにくいしね。 -
よくあるのが、「ロックを押しながら引く」のは分かっていても、ロックが固くて、指で押してもロック解除の状態になっておらず、なかなか抜けないパターン。
-
岡本研究員でもそういうケースはあるんだ。
-
たまにあります。その場合は「マイナスドライバーなどを使ってツメを押しながら、引っ張る」というような外し方をすることはあります。
-
ただ、今回問題になっているアルファード╱ヴェルファイアの天井裏のカプラーに関していえば、そこまでしないと抜けないようなタイプでもないんですよ。
-
べつに道具が必要なカプラーっていうわけではないんですね。
■ 質問
30系ヴェルファイアの、「パワーバックドアオープンキットの取り付け方法」の記事を拝見させていただきました。
天井裏のカプラーを外す方法についてなんですが、20系ヴェルファイアでは上手くいきません。詳細をもう少し知りたいです。よろしくお願いいたします。
質問者╱こうきさん
写真は30ヴェルファイアの天井裏。
※写真は30アルファード
※写真は30アルファード
金属製の長い内張りはがしを使っている例。
カプラーのロック解除ができていないか、引っ張る力が足りていないか
-
質問者の方の状況は、「カプラーのツメを押して引っ張る」のは分かっているけど、それをやっても抜けないってことなんですかね?
-
念のためこうきさんにその点を確認してみたところ、こういう回答を頂きました。
-
「かろうじて手が届く」感じだとすると……ツメが押せていない可能性が高い気がします。
-
なるほど。ツメの状況が認識しにくい、ということであれば、いい方法があります。
-
いい方法とは?
-
デンクルのパワーバックドアオープンキットを取り付けようとしていて、それが手元にあるのなら、「割り込ませるキットのカプラー」が見られるじゃないですか。
-
キットのハーネス側にも、純正カプラーと同形状のオス・メスのカプラーが付いていますから、ロックの部分がどうなっているかも確認できます。
-
おお!
なるほど。 -
抜こうとしている純正カプラーは、天井裏の狭いスペースでの作業なので、ツメも見えにくいですけど……
-
製品のカプラーを見れば、ツメを押し込むアクションの練習というか……確認ができる。
-
そうなんですよ。それを知ってから本番の作業をすると、だいぶ違うのかなと思います。
-
これはぜひ試してほしい!
-
それから「ロック解除のツメは押せているけれど、カプラーを引っ張る力が足りていない」可能性もあります。
-
押すだけじゃなくて、押しながら引っ張るからね。
-
ロックは解除の状態になっていても、カプラー内ではまだ無数の端子のオスメスがつながったままです。
-
ふむ。
-
20ヴェルファイアでいうと18ピンコネクターなので、18ピンのオスメスが噛み合っている状態です。それを引き抜くには、ちょっと力がいります。
-
ロック解除状態だとしでも、けっこう固く感じる可能性がありそう。
-
そうですね。①ロック解除のツメをしっかり押す ②コネクターをしっかり引く。このどちらが足りなくても、カプラーは抜けないので。
-
天井裏なので力をかけにくいとは思いますが、理屈としてはそれが全てってことですね~。
-
そうですね。
-
あとは……ケガをしないように注意しながら、頑張って頂くしかなさそうです。
そうです。かろうじて、手は届くんですが、上手く外すことができません。いまいちツマミの形状が認識しずらいですね。
※こうきさんのメールより、一部を抜粋
デンクルのワンタッチパワーバックドアオープンキット
写真は20ヴェルファイア。カプラーが抜けたところ。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) https://denkul.jp/
関連記事