防水カプラー端子の付け方(圧着・かしめ方法)
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まずカプラーの選び方。そして、防水カプラー端子の付け方を実践しながら解説する。カプラー端子のかしめ方はギボシ端子とソックリで、電工ペンチで圧着して接続する。なお非防水のカプラー端子も、かしめ方は同じだ。
カプラーの使い分け(選び方)について
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今回はカプラー端子の付け方(かしめ方)を解説します。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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その前にまずどういうカプラーを使っているのか、という話なんですが……、
●レポーター:イルミちゃん
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ピン数の違いはいろいろありますが、球屋で使い分けているのは基本的にはこの2種類ですね。
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まず非防水と防水があって、それぞれにピン数の違いで、いろいろな種類があります。2ピンだけもあれば、20ピンもある。
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ピン数はどのへんを使うんですか?
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それは配線の数次第ですが、球屋で使うのはせいぜい10ピン、12ピンあたりまででしょうか。
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でも将来的な拡張に備えるなら、最初からピン数の多いものを使っておく手もあるのでは?
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でも、それだと余りピン(穴)ができるので、防水カプラーの場合は、防水ゴムキャップを全部の穴に付けておく必要があります。
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あー、なるほど。
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そういった意味では、カプラーの空きピンが少ないほうが無駄がないです。
「内装」または「水で濡れない外装」で使う非防水タイプ
「水に濡れる可能性のある外装」で使う防水タイプ
防水カプラー端子の付け方
配線に防水ゴムキャップを通しておく
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今回は、外装の配線で使う想定で、防水タイプのカプラーで解説します。
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防水カプラーの場合はまず、端子をかしめる前に、配線側に防水ゴムキャップを通しておきます。
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最終的にこのキャップで穴を防水処理するんですね〜。
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そうなんです。だから配線を付けない穴(未使用の穴)にも、この防水ゴムキャップは必要になるんです。
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カプラー端子には、ギボシ端子と同じように、ツメが2箇所(↓)ありますね。
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先端側のツメは銅線部分にかかり、根元側のツメは配線の被覆と防水ゴムキャップにかかるように付けます。
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カプラー端子のかしめ方は、ギボシ端子とソックリです。
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工具もギボシ端子同様に、電工ペンチを使います。
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かしめる順番も同じで、まずは銅線にかけたほうのツメを圧着します。
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電工ペンチのハート形の小さい穴(↓)を使ってかしめています。
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その次は、根元側のツメをかしめます。この時のポイントは配線の被覆と防水ゴムキャップの両方をいっしょに圧着することです。
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ここは、電工ペンチのハート形の大きい穴(↓)を使っています。
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オス端子とメス端子を組み合わせることで脱着可能にしているのも、ギボシ端子と同じです。
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次はオス端子を付けます。付け方はメス端子と同じです。
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カプラー端子を使う場合は、複数の配線をまとめて1個のカプラーで脱着できるのがメリット。
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まず全ての配線にメス端子・オス端子を組み合わせて付けてしまいます。今回は3本の配線を、3ピンカプラーに付ける例です。
端子をセットする位置
端子をかしめる(圧着する)
✔ ひとくちメモ
「かしめる」とは、電工ペンチ等の専用工具を使って、端子のツメを配線に圧着することを指す。単につぶして挟んでいるのではなく、ツメを食い込ませるように付けることで、抜けないようにしている。※ラジオペンチのような、挟むだけの工具では「かしめる」ことはできない。
2か所、かしめ終わった状態
オス端子もメス端子も付け方は同じ
オスとメスの端子を付け終わった状態
配線の数だけ同じことを繰り返す
カプラーに端子を差し込む
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端子かしめが全部できたら、カプラーに差し込みます。
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まずメス端子を、メス型カプラーに差し込んでいるところです。
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この時、メス端子は押し込むだけだと奥まで入らなかったりする。つまようじでアシストすると、しっかり押し込めます。
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奥まで入ると「カチッ」となりますよ。手でがんばってもカチっとならない時は、つまようじで押しましょう。
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これを繰り返して、3本とも入れます。
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次に反対側のオス型カプラーに、オス端子を差し込みますが、カプラー同士を合わせた時、配線順が逆にならないように注意です。
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カプラーを合わせるときの向きも含めて、事前に確認(↑)してから差し込みましょう。
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そして、オス端子については、つまようじで押すのではなくて、前方向からラジオペンチで引っ張るといいです。
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そうすると「コクッ」という感触があって、きちんとハマります。
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ここは先が細いラジオペンチでないと入りませんね〜。
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カプラーに端子を差し込めたら、ガイドを入れます。
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これもオス型、メス型用に分かれているので、それぞれのカプラーにオモテ側から差し込みます。
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この時、オス型のほうは手では押し込みきれないので、ラジオペンチのような先端の細い工具を使って押します。
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このガイドがあることによって、単に引っ張っただけでは抜けない構造になっています。
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ところで防水処理は、最初に入れたゴムキャップでしているんでしょうか?
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それと、メス型カプラー内に入っているパッキンが密着することで防水処理される仕組みになっていますね。
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なるほどね〜。
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これは余談ですが、防水カプラーだけだともしかして水が浸入するかも知れない、というリスクを考えて、球屋ではキャップにブチルゴムもかぶせてます。
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「防水カプラー」といっても、完全には信用しないのが、プロの特長のひとつと言えます。面倒ではない人は、参考にしてくださいね。
グイ!
カプラー内にガイドを差し込む
これでいつでも手で脱着可能な配線のできあがりです
配線コードを選ぶときは「太さ」を間違えるとリスクが生じる、という話については、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。配線コードの選び方のおさらいにも最適。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。