LED自作のQ&A
パワーLEDに放熱板(アルミ板)を取り付ける方法
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パワーLEDの放熱用にアルミ板を付けたい場合、どうしたらいいのか。放熱板(アルミ)を付ける方法はいろいろ考えられるが、何を作るにしても、最強に参考になるのはプロの実装例。実際に取り付けたところを見てみよう。
パワーLEDに放熱板(アルミ板)を付ける・実装例
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「パワーLEDの放熱対策でアルミ板を使いたい。固定はどうする!?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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実際にパワーLEDでシーケンシャルウインカーを製作したときの、放熱板(アルミ板)実装例を紹介します。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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ヘッドライトのインナー裏に、ずら~っと並んでいるのがパワーLEDですね。
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そうですね。16個のパワーLEDを使って、1ブロック2個ずつ・8ブロックで点灯させる仕掛けの例です。
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16個のパワーLEDの放熱板に、ここでは0.5ミリ厚のアルミ板を使っています。曲げ加工が必要ない場所なら、0.8ミリでいいと思いますが。
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アルミ板はどこに?
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このあと、付けるんですよ。
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……ほう。てっきりアルミ板にパワーLEDを並べてから、ヘッドライトに固定するのかと思っていましたが。
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普通はそうですよね。このタントのヘッドライト加工は、例外的に、先にパワーLEDを固定しています。
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それはなぜ?
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もともと何もない場所にシーケンシャルウインカーを増設しているので、インナーに穴開け加工しているんですよ。
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ふむふむ。
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その穴の位置と、パワーLEDを厳密に位置合わせしたかったので、LEDを先に固定しているわけです。
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では、パワーLEDの固定は、どうやっているんでしょう?
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3Mの車両用の超強力両面テープを使って、ヘッドライトインナー裏面に直接固定しています。
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なるほど、なるほど。
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そして前回紹介した、放熱用シリコンの出番です。
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これを、パワーLEDの背面に付けていきます。
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けっこうタップリ。
盛るように塗るんですね。 -
そうですね。アルミ板との間に隙間が開くのが一番恐いので、多めに盛ります。
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そして、後ろからアルミ板を付けるんだ。
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注意点は、アルミ板とパワーLEDをシリコンで付けるだけだと、外れる可能性があること。アルミ板とヘッドライトインナー自体も、放熱用シリコンで付けておきます。
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なるほど。
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ワイヤー固定などを併用する手もありますが、ここでは、ワイヤー通しの穴を開けるとヘッドライトオモテ面から見えてしまうので、シリコン固定のみです。
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この放熱用シリコンって、すぐに固まるのでしょうか?
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1日以上、放置したほうがいいですね。
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アルミ板がLEDから離れないように、さらにアルミテープで固定しました。
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これは仮固定用?
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それでもいいんですけど、そのまま保険として付けておくのもいいと思います。
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だから、アルミテープを使っているんだ。
放熱用シリコン
そもそも発光効率の高いパワーLEDを使うことが重要
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パワーLEDって、こうやって放熱すればいいのか~。
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これは一例です。16個のパワーLEDを薄いアルミ板で放熱できているのは、LEDの性能にも助けられているし。
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と言うと?
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ここで使っているパワーLEDは、日亜化学製のウインカー用パワーLEDです。
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このLEDは、そんなに極端な電流を流さなくても十分明るくなります。
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つまり、熱の発生も少なくできると?
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そうなんです。実際のところ、流している電流は250ミリアンペアですが、それでもウインカーとして十分な光量を確保できています。
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もしも、違うパワーLEDだったら……放熱が追いつかない可能性もある?
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当然ありますよね。350ミリアンペアとか流したら、熱量はまったく変わってくるし。
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かといって電流値を抑えたら、暗くなるしなァ。
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だから、LEDの発光効率って重要なんですよ。
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そういうコトかぁ。
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発光効率の高いパワーLEDを使いつつ、電流値を控えめにする。これで発熱は減らせます。
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それならアルミ板でも、放熱しきれるってハナシね。
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なお、今回使っているのは16ミリ基板付きのパワーLEDなんですが……
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もっと大きい20ミリ基板付きもあります。
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放熱性という意味では、この20ミリ基板モデルを使ったほうが有利ですよ。それと固定もしやすい。
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じゃあ、どうして野本研究員は使わなかったの?
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シーケンシャルウインカーを作るときって、LED同士の位置を寄せたいからですよ。
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基板がデッカイと、ジャマなんだ。
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……ですね。16ミリ基板でも大きいから、削って並べたりとか、よくやりますね。
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そのぶん、放熱性の面では不利になりそうですが……
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そういう意味でも、流す電流は控えめにしてあります。
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なるほど。単に「放熱する」だけじゃなくて、総合的に「熱」をコントロールしているんですね~。
✔ 日亜化学のウインカー用パワーLED「NJSA172BT」。詳しくは「日亜化学のウインカー用パワーLEDは、要注目の存在」参照。
パワーLEDに流す電流値は、ドライバー(↓)のチョイスでコントロールできる
PowerLED Driver ※左から
PT-1030 300ミリアンペア | PT-1025 250ミリアンペア | PT-1020 200ミリアンペア |
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エルパラで販売している「日亜化学 NJSA172BT 16mm基板付き」
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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