C-HR後期のヘッドライトを分解レビュー（後編）

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C-HR後期ヘッドライトの分解レビューの続き。なおC-HRのヘッドライトは熱分解ができないため、超音波カッターで実際に殻割りする方法からチェック。分解しないと見えない内部構造を、加工者視点で検証していく。

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  ここからは、実際に球屋の職人に、ヘッドライトのレンズを切って開けてもらいます。

  ●レポーター：イルミちゃん



球屋の腕利きインストーラー・田中氏。森田研究員の右腕。

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  超音波カッターでレンズのフチを切っていくコツは、以前に解説した通りです。

  ●アドバイザー：球屋 森田研究員



✔ 基本的なことは、「超音波カッターでライト╱テールを殻割りする方法」でおさらい。

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  ただ、C-HR後期のヘッドライトは、部分的にレンズが分厚くて固いところがあるようです。

これは、けっこう固いですねー


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  そういうのも車種によって、若干差があるんですね。

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  この場合、超音波カッターの刃はマメに交換しないとだめですね。切れにくい刃で無理に切ると切り口が汚くなるし、超音波カッターの本体に負担がかかります。

刃をマメに交換


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  それから、単純にレンズのフチを切ろうと思っても、ところどころに障害物が現れます。

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  C-HR後期ヘッドライトでも、黒いハウジングが、レンズのフチにカブっている箇所が出てきます。

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  そんなときに考えたいのは、カット痕がオモテから見えてしまわないかどうか、という点です。


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  上写真で指をさしたポイントなどが、まさにそう。ハウジングを切らずにレンズだけカットしていこうとすると、カットラインが見えてしまう場所なんです。

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  どうしたらいいでしょう？

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  ハウジング側を多少切ってでも、オモテから見てカットラインが見えないラインで切り進めます。

ハウジングの出っ張りをカットして……



まっすぐ切り進める


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  このへんが、「単に切ればいい」という話ではないため、難しいところです。

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  こういった出っ張りの部分（↓）も、そのままでは進めません。


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  ムムム……。
  コの字の出っ張りがジャマをしている。

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  こういう場合は、削いでトンネルを作るんですよ。



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  おお。

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  こうすると、レンズのフチを切り続けることができます。


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  なるほど。

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  こうやって超音波カッターで、一周ぐるっとレンズを切りますが……

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  あれ？
  全部切ったのに外れない……。

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  もうひとつ注意点として、一周、刃が通ったからって、開くわけではありません。

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  なんで開かないんだ？？？って焦る人が多そうですが……

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  超音波カッターは刃の振動で切っていますが、それによって熱が発生します。その熱で樹脂が溶けて、再び溶着してしまう部分が出てくるのは当然なのです。

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  …そういうことか。

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  そこで、切り切れていない箇所を確認しながらもう一周します。

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  目で見ただけでは、全部切れているわけですが……

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  それでも、軽く押すと、切れている箇所とくっついている箇所が判別できます。



切れていない箇所に、再び刃を入れる


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  こうして、2週目のカットを終えると……あ、浮いた！


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  最新型のC-HR後期ヘッドライトでも、開けられないわけではありません。


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  う～ん……。

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  あれ、どうかしましたか？

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  特に目新しい感動はありませんでしたね。

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  ……無事に分解できたというのに、ほんとドMな性格ですね。さて、せっかくヘッドライトを開けたんだから、内部をチェックしてみましょう。

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  では、さらにインナーを外します。



数本のネジが使われている。

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  インナーとハウジングが分離されました。


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  ウインカー兼デイライトの、白とオレンジに切り替わるLED基板が、ハウジング側に付いていますね。


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  ふおぉ。
  これが純正のLED基板か～。

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  正面に近いLEDが、正面に強く発光していた光で、奥のLEDがライン側面を光らせる、という役割分担でしょうね。

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  フムフム。

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  だから、ラインを長く光らせるための後方LEDは、白が多めになっています。

手前のLED基板はウインカー重視



ウインカー用アンバーのチップが6個で、デイライト兼ポジションの白が1個。

後方のLED基板は白色を増量



アンバーが5個で、白が3個。

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  それにしても、こんなに小さなチップLEDで、あんなに明るく光るとは……。

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  最新のLEDはスゴイですよね。

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  でもシーケンシャルウインカーを作るとしたら、純正の光源位置は役に立ちませんね。2箇所しかないんだから。

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  そうですね。シーケンシャルウインカーを作るとしたら、外れたインナー側にLEDを仕込むことになります。

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  なるほど。

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  もうひとつ、バラしてみて面白かったのは、3連で光っていたポジションランプ。


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  これ、ヘッドライトを外側を見ている分には3連プロジェクター風なんですけど、実際には光源は上にあって、リフレクターに反射させています。

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  ほお。つまりこれ、プロジェクター風のリフレクターライトなんですね。

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  コストを抑えつつも、デザイン的に今風にしたかったんでしょう。メーカーの見せ方の演出ってすごいなぁ、と思いますね。

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  ……こうしてC-HR後期ヘッドライトを無事に分解できましたが、果たしてシーケンシャルウインカーやデイライト強発光はできるのかどうか。

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  ひき続き、検証していきたいと思います。