C-HR後期のヘッドライトを加工者目線でレビュー
C-HR後期が登場したので、恒例の加工者目線でのヘッドライトチェック。今回のC-HRは、なぜかヘッドライトのシーケンシャルウインカーをやめてきた。その一方で欧州車風の新しい光り方を採用するなど、なかなか斬新で興味深いパターン。
なぜかヘッドライトのシーケンシャルウインカーをやめたC-HR後期
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先日登場した、C-HR後期のヘッドライトを加工者目線でレビューします。
●レポーター:イルミちゃん
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今回のマイナーチェンジで、ヘッドライトとテールランプのデザインが大きく変わりましたね。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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C-HRといえば、前期がデビューしたときにシーケンシャルウインカーが話題になった車種ですが……
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そうですね。C-HR後期になってリアシーケンシャルウインカーが搭載されましたが……
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ホホウ。ということはC-HRも、純正で前後シーケンシャルに……
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ではないんですよ。
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あん?
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フロントはシーケンシャルではなく、点滅ウインカーに変わりました。
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……って、え?
あれ? どういうこと? -
C-HR後期は、リアだけシーケンシャルウインカーなんですよ。
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斬新なパターンで来るなァ。
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ウインカーのデザイン自体は、過去最大級に、横に長~いラインになっていまして……
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いかにも流れそうなのに、流れない。
白ラインがアンバー点滅に切り替わる、欧州車風の光り方
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シーケンシャルウインカーが見送られたいっぽうで、新しい光り方のポイントも採用されています。
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新しい光り方?
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最近欧州車でも使われている手法ですが、ポジション(スモール)ランプとして光っている白ラインが、ウインカーの時はアンバーに切り替わる。
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お~。
この光り方は確かにオシャレな感じがしますね。 -
トヨタ車でこの光り方を採用してきた、という点でC-HR後期ヘッドライトは斬新ですね。
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シーケンシャルウインカーより、そっちを優先したかったのかな。
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ちなみにこのラインと、3連ミニランプは、共にデイライトとしても点灯しています。
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デイライトはそこそこ明るいですが、強発光デイライト加工を施工したあとの前期C-HRよりは暗いですね。
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……ということは、強発光モードが温存されている可能性もありますね?
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そうですね。そのあたりは、これから球屋で検証していきます。
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あ、その前に、シーケンシャルウインカー加工かな?
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う~ん……。
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なにその煮え切らない態度。
まさか……。
ポジション点灯時
ウインカー点滅時
✔ ウインカー点滅時は、方向指示側の白(ポジション)は消灯する。
✔ これは、ポジション兼ウインカー構造の車に対する、最新の保安基準に沿った動き。
ヘッドライトが「オート」の状態だと、昼間から点灯する。
C-HR後期のシーケンシャルウインカー加工は問題アリ!?
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まあ、まだヘッドライトを分解する前なので、初見での予想を含む話なんですが……
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ふむ。
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もしかすると、C-HR後期のシーケンシャルウインカー加工は厳しいかも知れませんね。
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えー!! なんで??
絶好の加工ポイントなのにぃ。 -
その理由としてまず、最近の純正ヘッドライトの傾向でもあるんですが、面発光させるために、ラインが乳白色っぽくなっているんですよ。
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確かに乳白色ラインですね。
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これって、アクリル加工でも同じことが言えるんですが、乳白色を通すとかなり明るさが犠牲になるんです。
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純正LEDウインカーは、強烈に明るいですけど……
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純正は、強烈に明るいパワーLEDを使っていますからね。
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じゃあ、球屋もパワーLEDでシーケンシャルウインカーにすればいいでしょう?
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しかし、この長さでシーケンシャルウインカー加工するとなると、どれだけの数のパワーLEDを入れるのか? それで放熱できるのか? という問題が出てきます。
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……長いほうがいいって言ってたくせに。
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デザイン面の話をすればそうだけど、現実的な話をしているんですよ。
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うーむ。
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それと、もうひとつの問題は、純正で白発光とアンバー発光を兼用している点。
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ふむふむ。
そこが特長なわけですが。 -
この乳白色のラインの奥には、チューブ状の導光板が使われています。
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あ、本当だ。乳白色の奥に、透けて棒みたいのが見えますね。
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シーケンシャルウインカー化して、なおかつ白発光も残そうとすると、このチューブ状の導光板を外せません。
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そっか。これ取っ払ったら、白ライン点灯できなくなるんだ。
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となると、いよいよ、シーケンシャルウインカー用のLED配置などが難しくなってくるわけです。
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導光板も残して、その後ろにLEDを後付けしても……
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ウインカーとしては、ぜんぜん明るさが足りないでしょうね。
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……もしかして、純正でシーケンシャルウインカーを見送ったのも案外そんなところに理由があるのかも。
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ただ、現時点ではあくまでもヘッドライトを分解する前の見立てに過ぎません。
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そうだ。やる前からあきらめては、加工屋ではなく「無加工屋」になってしまう。
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……。
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というわけで、近いうちにC-HR後期ヘッドライト分解レポートもやります。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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