ドレスアップの気になる話題
T10とT16のLEDバルブの違い。変換なしで同じソケットに付くって本当?
T10のバルブはいろいろなランプで使われているのでポジションLEDは流用がきくが、実はT16のソケットにも変換なしで刺さってしまう。ということはT16のバックランプにも流用していいのか? 何ならその逆もアリなのか? 気になるT10・T16の違いについて。
T10とT16のLEDバルブの違い。同じソケットには付くが……
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T10ウェッジ球は車のいろいろな場所で使われているから、ポジションLEDバルブは流用がききやすい、という話は以前にしました。
●レポーター:イルミちゃん
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いっぽう、世の中にはT10・T16兼用をうたうLEDバルブも存在します。この不思議について、IPFに教わります。
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まあ、T10とT16のバルブタイプは、ソケット部分だけでいうと同じですからね。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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え、そうなの?
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そうなんですよ。
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じゃあ、T16のバックランプのソケットに対して、T10のLEDポジションバルブを付けたら付くってこと?
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付きますね。
実際、そういうことをしている人もいますね。 -
いやまてよ…? それどころか、T10のポジションランプに、T16のバックランプも付くってことか。
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……あ、え~っと、その場合はですね……
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それこそ500ルーメンのLEDバックランプが、流用できたりなんかして。
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世の中にはそういうことを考える人もいますが、T10やT16の「10」「16」という数字は、ガラス管の径のことです。
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T10のバルブは、ガラス管の径が10Φなんです。
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T16は、ガラス管の径が16Φってことだから、太い。
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そうです。ソケットだけ比較すると同じでも、ガラス管の太さがぜんぜん違う。
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でもソケットは同じだから、付けられるんでしょう?
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しかし、もともとT10のバルブが入っていた灯体側の穴に、T16のバルブが通せるのか? という物理的な問題が出てきます。
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そっか~。もしもT10しか通らない穴だったら、T16は通るはずがない。
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中には入ってしまうケースがあるため、そういう車種に限定して、「T16バックランプをポジションに流用できた」という人も現れるのですが。
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そういうことか。
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でもそれは「灯具側の口が大きければ」という条件付き。
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……なるほどね。
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トヨタ車などを例にすれば、バルブを差し込む口の部分がギリギリになっている車種が多いです。
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それだと、T16のLEDバックランプを流用するのは無理ですね。
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そうです。ソケットには付いても、車両には装着不可ということですね。
T10のソケット部分
T16のほうがはるかにアタマが大きい
T10はT16バックランプに流用できるが、T16専用品には及ばない!?
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そういうことなら、T16のバックランプに対しては、問題なくT10のLEDポジションバルブが付いてしまう。
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確かにそのパターンは、流用できてしまいますね。
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T10・T16兼用とうたっている製品があるのは、そういうことだ。
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ですね。
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でも、そうだとすると、IPFのLEDポジションはべつにT10・T16兼用とうたってはいないけど、T16でも付くってこと?
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……付くってことですね。
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実際のところ、一部のユーザーさんの中には、最新型の300ルーメンのT10を、T16に差してバックランプとして使っている例もあるようですが……
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300ルーメンあれば、バックランプにも使える明るさってことか。
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まあ、バックランプが2灯付いている車種だと、合計600ルーメンですからね。
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ムムム。
そういえばそうだ。 -
ちなみに、IPFのLEDバックランプの従来モデルが、T16で500ルーメン(1灯あたり)でした。
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最新のLEDポジションバルブである504Wを、2灯のバックランプに入れるなら……1灯バックランプには勝てる明るさ!
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ただ、新型モデルのLEDバックランプは1灯あたりで800ルーメンに達していますよ。
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……え?
いつの間に……。 -
進化しているのは、当然LEDポジションバルブだけではありませんので。
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そういうことね。
この流用も、あまり意味はないか。 -
それに、単純なルーメン比較だけで、LEDポジションバルブとLEDバックランプの比較はできないんですよ。
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と言いますと?
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……もしかして、IPFが「T10・T16兼用」という言い方をしないのも、ポジションとバックランプでは作りが違うため?
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そういうことですね。両者の違いは、単純にルーメン(明るさ)だけではありません。
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ふむ。では次回は、最新型のLEDバックランプについて学びます。
✔ 例えばIPFのT10 LEDバルブの中で最も明るいのは504W(300ルーメン)で、製品としてはポジションLED用だが、T16タイプのバックランプにも付いてしまう。
IPFのLEDバックランプ・303BL。純正球サイズで500ルーメンを実現した従来モデル。
IPFでは、バックランプはあくまでもバックランプ専用品として開発しています
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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