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青いデイライトは違法で車検に通らないって本当? 真実は…
「青いデイライトは車検に通らない」や「デイライトは白以外NG」という話は間違いではないが、誤解も多い。実は多くのデイライト商品は、品名がデイライトなだけで、法規上はデイライトではない可能性がけっこう高い。どういうことなのか、わかりやすく解説する。
300カンデラを超える青いデイライトならば、明確に車検NGだが…
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今日は誤解している人が多い、デイライトの法規上の問題について、整理しておきます。
●レポーター:イルミちゃん
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デイライトは、ややこしいです。2016年10月に改訂された「デイライト(昼間走行灯)に関するルール」と、それ以前からある「その他灯火類のルール」が入り混じって。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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ひとつ例を挙げると、「青いデイライトは違法で、車検に通らない」という話。これが今日のテーマ。
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それはですね、法規上のDRL規格に沿ったデイライト(昼間走行灯)としては、確かにNGです。
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その場合には、「白しかダメ」でしたね。
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そうです。白色範囲に収まっていない色は、すべてNG。電球色は白色範囲に含まれますが。
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しかし、問題点は、後付けする社外品のデイライトが、本当に法規上のDRL規格に属するデイライトなのか? ……ということ。
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社外品のデイライトに関しては、300カンデラ以下の「その他灯火類」に準じたアイテムであることも多いと思います。
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……となると、その場合の色については、白以外もOKということになってきますね。
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付ける場所によっても変わってきますが、フロント周りに付ける前提のデイライト風ランプで言えば、赤はNGですが、それ以外の色は禁止されているわけではありません。(リア周りの灯火なら橙や白もNGとなる)
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その場合のルールは、下記記事で触れた内容になります。
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つまり、自分が付けようとしている社外デイライトが、300カンデラ以下で「その他灯火類」として付けられるパーツであれば、青でもいいということですね。
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そういうことになりますね。
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「青いデイライトは車検NG」は、フレーズとして間違っていないのですが、実態においては誤解も多いです。
最大1440カンデラまでOKのDRL規格準拠のデイライトは白のみ
社外デイライトの取り付け位置のルールも、混同しやすい
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デイライトなのか、その他灯火類なのかで、ルールががらっと変わるのは、色だけではありません。
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取り付け位置のルールも、全然違いますね。
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例えば以前に読者の方から、こんな質問を受けたこともあります。
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法規上のデイライトの条件に照らせば「デイライトがヘッドライトより高い位置にあるのはNG」ですから、ヴェルファイアの例が気になったわけですね。
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これは、ナルホド! な質問だったので、市川研究員に聞いてみたところ……
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……よくよく調べてみたら、この読者の方が付けている社外品も、300カンデラ以下の「その他灯火類」に属するものだったんですよね。その他灯火類なら、ヘッドライトの高さを超えてもいいのです。
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つまり上記のような心配は、そもそもいらなかった。
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ですね。ただし、その他灯火類だとしても「他の交通を妨げるような光」を出さないことが大前提。また他の灯火の照射に影響が出るのも、NGです。
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そのあたり、詳しくは、下記記事でやった通りです。
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つまり、話を整理すると、300カンデラを超える明るさのデイライトを付けるときには、デイライトとしての保安基準を満たさないといけません。
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色は白のみ。
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しかし、300カンデラ以下のデイライトであれば、これは法規上はデイライトではありません。「その他灯火類」です。
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製品名がデイライトでも、法規上はデイライトではない。あー、ややこしい。
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その他灯火類としての保安基準を満たせばよいので、色や取り付け位置のルールは自由度が高くなります。
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メーカーがうたっているデイライトが、真のデイライトなのかデイライト風なのか、がポイントですね。
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新保安基準を満たす社外品のデイライトを作るのは(厳密に考えると)大変なことですので、実質的には、「その他灯火類」に属する製品が多いです。
※その理由は、「車検に通るデイライトの条件╱〈協定規則 第87号〉の重圧」参照。
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つまり、市場によくある「300カンデラ以下の青いデイライト風ランプ」は、付け方を間違えなければ車検NGではありません。誤解しないようにしましょう。
■ 質問
デイライトの取り付け位置は、ヘッドライトより上はNGとのことですが、20系ヴェルファイアのように、ハイ╱ロー分離型のヘッドライトの場合に、ハイ/ローの間にデイライトを追加した場合は、保安基準違反となるのでしょうか?
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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