ミラーリング最新事情
HDMIの定番トラブル「映らない」の原因は解像度かも!?
HDMIをつないだけれど、画面に何も映らない! というのは、実はHDMIの定番トラブル。接触不良もあり得るが、最も主たる原因は、解像度の違い。デジタル伝送ならではの融通のきかなさ(?)を理解すれば、解決できる。
HDMIでつないだけど画面に何も映らない!?
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前回は、ビートソニックのIF30登場速報。「スマホと車のミラーリングも、今後はHDMIの時代だよ〜」的な話(※)をしましたが、今日はその続き。
※「ビートソニックからIF30が登場! HDMIミラーリングのメリットとは?」参照。
●レポーター:イルミちゃん
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HDMIのメリットは、画質がキレイなことだったり、分配して複数のモニターに映しても劣化しない、等いろいろあるわけですが。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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デジタルだから、RCA(アナログ)のような劣化は心配ないんですね。
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そうですね。分配の方法なども、連載で追って解説していこうとは思いますが……
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フムフム。
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ただ、今日はあえて、HDMI接続を導入するにあたって、よくあるトラブルの話を先にしておこうと思います。
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いきなり水差すんだ!?
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……いや、というか、このことを知らずにHDMIを取り入れると、トラブルが起こるから大切な話なんですよ。
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ふーむ。
最新規格なのにトラブるんですね。 -
そうなんです。デジタル伝送ならではの、トラブルがあるのです。
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それはどのような?
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HDMIでモニター(あるいはナビ)につないだけれど、映らない(真っ黒)という状況。
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接触不良?
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いや、そういう話ではないんです。
詳細はAmazonのビートソニック IF30
つなぐのは簡単。だけど映らない!?
HDMIの解像度「480p」「720p」の違いは重要
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HDMIのケーブルは、接続した瞬間に「信号を送る側」と「受ける側」で、双方向に通信をします。……カンタンに言えば、会話のようなやりとりですね。
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会話……。
「最近どうよ?」 -
……というよりは名刺交換的な、自己紹介に近い。配線がつながった瞬間に「私、こういう仕様のHDMIです」みたいなやり取りがあるんです。
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ほうほう。
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で、例えばモニター側が、「私は480pの解像度までしか対応していません」と言っていたとします。
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なんですか?
その480pというのは? -
HDMIにも、いろいろな解像度クラスの違いがあります。車載用のモニターだと480p、720pがほとんど。つまり、どっちかです。
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720pのほうが、解像度が高くてキレイということですね。
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ですね。その上の1080pがいわゆる「HD画質」。しかしモニターが高価になるため、車業界での採用はほとんど進んでいません。
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なるほど、なるほど。
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低い方の480pにしかモニターが対応していない場合、本来であれば「会話」の結果として、出力側も「では、あなたに合わせて480pで信号を送りましょう」ということで合意するんですね。
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なんかスゴイなHDMI。
つないだだけで、そんなことやってるとは。 -
しかし、実際には、会話が成立しないケースが多い。そこが問題なのです。
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え!?
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会話の通じないHDMIモニターも、たくさん存在するからですよ。
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なんですか、ソレ……。
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まあ、実にいろいろなメーカーがHDMIモニターを開発していて、ちょっとずつ仕様が異なっていたりとか、原因はいろいろあるんですけど…。
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会話が成立しないと、どうなるの?
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例えば、モニター側は480pまでしか受け取れないのに、送信側は容赦なく720pで送り付けてしまったりするんですね。
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そうすると?
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なにも映らないんです。
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ダウングレードした画質で映るんじゃなくて?
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合意が成立しなかった場合は、「全部やめる」というのがHDMIの特長なんです。
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名刺交換の最中に、いきなり交渉決裂したもよう。
車のモニターは480pまたは720pのどちらか、という状況。
ビートソニックIF30は解決策を搭載している
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もうちょっと柔軟性がほしいなぁ。HDMIクンたち。
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実際の会話の内容は他にもいろいろありますが、とりあえず、この解像度のやり取りがうまくいかないと問答無用で映らないということになってしまうんです。
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やっかいですねぇ。
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そこでビートソニックのIF30では、HDMIを導入するにあたって「通常は付けない物理ボタン」を設けました。
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あ。
480/720って書いてありますね。 -
このボタンで、IF30側が出力する信号を「480p」または「720p」で固定してしまうんです。(※押すごとに切り替わる)
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どっちにするかは、モニターに合わせると?
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ハイ。写したいモニターの仕様を確認すれば、480pなのか720pなのかは必ず分かります。それに合わせれば、無用なトラブルを避けられる。
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ようするに、「会話が通じないモニター」が相手だったとしても、人間が物理的に解像度を合わせて設定すれば……
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ひとまず「映らない問題」は回避できるわけですね。
✔ ひとくちメモ
●480pが示す「480」という数字は、タテ方向の解像度を示す。●つまりモニター解像度がスペック上で720×480と表記されていたら、そのモニターは480pということ。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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