リアスピーカー関連

---

リアスピーカーを増設する（増やす）ときの配線方法は？ 単なる分岐配線ではNG…？

• 1
• 2

リアスピーカー増設の配線のやり方。リアスピーカーが付いていなかった車に後付けするなら問題はない。しかし純正リアスピーカーが付いていて、さらに数を増やしたいとなると単なる配線分岐ではうまくいかない。なぜかというと…

• 

  「リアスピーカー天井埋め込み増設のやり方と、その費用について」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

• 

  今日はリアスピーカーを増設する配線方法についての補足解説です。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

• 

  ふむ。

• 

  まず、もともとリアスピーカーが付いていなかった車に対して、リアスピーカーを後付けする場合は別になにも問題はないんですよ。

• 

  フムフム。

• 

  というのも、ナビ側にはフロントスピーカー出力とリアスピーカー出力が備わっていますから。



一般的なナビは（純正も含めて）フロント左右、リア左右の合計4スピーカー分の出力を備えている。

---

プラス線とマイナス線があるので、合計8本のスピーカー線が通っている、ということ。

• 

  今まで使っていなかったリアスピーカー用の配線に、新たにリアスピーカーをつなげばいい。

• 

  そうです。後席にリアスピーカーが付いていない車でも、配線だけは通っていたりもします。

• 

  なるほど。それなら話は早い。

• 

  問題は、もともと純正でリアスピーカーが付いているにもかかわらず、さらに増設するというケースです。

• 

  スピーカー数そのものを増やしたい場合ですね。

• 

  前回紹介したリアスピーカー天井埋め込みのハイエースが、まさにそういう実例でした。



もともと付いている純正位置のスピーカーが荷室の後ろのほうなので、セカンドシート上空にリアスピーカーを増設している。

---

• 

  この場合に、増設したリアスピーカーの配線はどうつなげばいいのか？ それが今回の話です。

• 

  え～っと、同じリアスピーカーなんだから、もともと付いている純正リアスピーカーの配線を分岐させればいいのでは？

• 

  その分岐配線はNGなんですよ。

• 

  えーっ!!
  なぜですか？

• 

  それをやってしまうと、スピーカーのインピーダンスが変わってしまうためです。

• 

  インピーダンス……って、なんでしたっけ？？？

• 

  前にも少し勉強しましたよね。



✔ 基礎知識は「スピーカーのインピーダンスとは？ アンプとの関係性は？」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

• 

  軽くおさらいすると、インピーダンスとは電気抵抗のことです。抵抗が少ないほど電気が流れやすい。

• 

  スピーカーの抵抗値みたいなものか。

• 

  一般的なスピーカーのインピーダンスは、4Ω（オーム）です。


• 

  もしも、もともと付いていたスピーカーの配線（プラス・マイナス）を単純に分岐してスピーカーを増設させると、こういう配線になりますよね。


• 

  この図だとスピーカーという「抵抗」を、「並列に増やす」ような感じです。

• 

  抵抗を並列に増やすってどこかで聞いたことあるな……。

抵抗の並列接続



「抵抗を並列に接続するとなにが起こるのか？ 直列との違いは？」参照。

• 

  そういえば、抵抗を並列接続すると、抵抗値が半分になるっていう理屈を教わったことがある！

• 

  そうですよね。それと同じ理屈で、スピーカーのインピーダンスも4Ωから2Ωに変わってしまうんですよ。

• 

  スピーカーのインピーダンスが変わると、なにが起こるんでしたっけ…？

• 

  もともとは4Ωのスピーカーが付いていたので、アンプ（※ナビの内蔵アンプ）も4Ωで出力しています。

• 

  む…。

• 

  ところがスピーカー側のインピーダンスが2Ωになると、電気抵抗が下がって電気が流れやすくなるので、アンプ（ナビの内蔵アンプ）に負担がかかります。

• 

  アンプが壊れるかも……ってこと？

• 

  そうですね。だからアンプとスピーカーのインピーダンスは、一致していないとダメなんです。

• 

  勝手にスピーカーだけ、2Ωのものに交換するようなものか。

• 

  そういうことですね。なので単純な分岐配線でのスピーカー増設は、基本的にNGなんです。

• 

  じゃあ、スピーカーの数を増やしたいときは、どうすればいいの？