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社外品の純正交換型フェンダーを塗装するときの注意点（後編）

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フェンダー（社外品の純正交換型FRPフェンダー）の塗装を頼みたい人向けの注意点・後編。頼む側の心理としては「できるだけ安く」は当然なのだが……これはけっこう難しい問題。

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  「社外品の純正交換型フェンダーを塗装するときの注意点」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  純正交換型のFRPフェンダーっていうのは、車のフロントフェンダーパネルを丸ごと交換するということです。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  ふむ。

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  隣接するパーツである、フロントバンパー・ボンネット・ドアとの色合わせを考えないと、明らかにフェンダーだけ浮きます。

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  考えてみると隣接パーツが多いですね、フェンダーって。

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  そうなんですよ。フェンダー塗装は、フロントバンパーの塗装よりはるかにシビアに考えたほうがいいです。

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  そ、そうなの？
  似たようなものだと思うけど……

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  いやいや。バンパーはボディ（鉄）とは素材が違います。だから鉄のボンネットと樹脂のバンパーでは、よく見れば色が違って見える。それは純正でもごく普通にある話。

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  なるほど。よく見ると、厳密に同じ色ではなかったりしますね。

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  その意味では、少しぐらいは色が合っていなくても許容できる範囲が広い、とも言えます。


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  しかしフェンダーは、本来はボンネットやドアと同じ「鉄」ですから、同じ色でないと不自然なんですよ。

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  そっか。それなのに、それをFRPに交換するってことは……

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  フェンダーパネルだけを素材の違うモノに交換してしまうからには、基本的に前後の鉄板とは色が合わないと思ったほうがいいです。

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  ……では、どうしろと？

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  ここからは、〈完璧に色合わせができる達人のような板金屋〉に仕事を依頼するのでもない限りは……という前提で言いますが……

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  ふむ。

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  現実的には周囲のパネルも巻き込んで、ボカシ塗装をするしか、キレイに色が合っているように見せることは難しいかと。

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  つまり、ドア側やボンネット側まで塗装するの？

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  そうですね。バンパーに関しては素材が違うから多少の色の差は無視するとしても……できればピラーも塗ったほうがいいぐらいです。

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  なんかすごい大げさな話になってきました……。

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  だから僕ら板金屋からすると、フェンダーパネルは単体では一番触りたくない場所、なんです。

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  数多くのオーバーフェンダー製作をやってきたほんだ塗装が言うと、意外ですが……


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  ショーカーやイベント仕様（↑）は、製作後に、まるっと全部塗装するのが前提だから話が別なんですよ。

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  そうか、そうか。

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  純正交換型フェンダーっていうのは、フェンダー単体だけ触るっていう意味で、難しいパーツなんです。

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  つまり塗装代がとてもかかる。

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  そうです。フェンダー塗装には思った以上にお金がかかる。このことは知らない人が多いので、DIYラボで言っておこうと思いました。

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  ……でもさ、色合わせに妥協できるなら話は別なんでしょう？

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  確かに、今回のような説明をすると、「周囲をボカシ塗装までしなくてもだいたい色が合っていればいいです」と言ったりする人は多いんですが……

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  ふむ。

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  しかし「だいたい色が合っている」の「だいたい」のレベルは人によって違うのですよ。

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  それは…そうですね。

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  だから、最初から妥協を目指して仕事を受けるっていうのは、難しい話なんです。

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  なるほどねぇ。

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  いっそ、現車合わせではなく「宅配便で送られてきたFRPフェンダーを、データで塗装する」ならばカンタンですけれど、そんなやり方では絶対に色は合いません。

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  FRP製フェンダーに交換するときは、こういう問題についてどう対応するのか……事前に板金屋さんと相談しておいたほうが良さそうです。