カローラクロスのヘッドライトを加工者目線でレビューすると…
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カローラクロスのヘッドライトを、プロのライト加工者がレビュー。なお記事中でチェックしたのはZグレード標準装備のヘッドライト。ひと目で今風を感じさせる、凝った造形の詳細を見てみよう。
カローラクロスのヘッドライトは最近のトヨタ車とも違う!?
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話題の新型車、カローラクロスのヘッドライトを、加工のプロが斬ります!
●DIYラボ:イルミちゃん
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カローラクロス(Zグレード)のヘッドライトは、カッコいいですね!
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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斬る気なし。
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このヘッドライトは本当にスゴイと思いますよ。今年(2021年)のナンバーワンではないでしょうか?
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へぇー。
そこまで褒めるんだ。 -
カッコ良さは好みの問題なので、置いておくとしても……造形的にはカローラクロスのヘッドライトが一番スゴイのではないか、という意味です。
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あ~。作り込みがとても細かい印象ですね。
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順番に見ていくと、まず上段の薄型のプロジェクター(と呼んでいいのか分かりませんが)の部分は、4連ウインカーになっています。
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で、これがシーケンシャルウインカーになっている。
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あれ? 最近のトヨタ車はシーケンシャルウインカーにしていなかったから、てっきり純正では止めたのかと思いきや……
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そういうわけでもないようです。
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しかも、4連プロジェクターを段階的に光らせるシーケンシャルウインカーは斬新!
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そうですね。今までだと段階を感じさせないように、面発光やライン発光の方向性にいっていたのに……
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これは逆に、1個減らしたらトラックの3連ウインカーを彷彿とさせるような作り。
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それを今風のデザインとして「アリ」にしてきたというか。
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確かに、段々シーケンシャルなのに古くは見えない。むしろ新しく見えます。
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さらに、このウインカーは、兼用でスモールランプ(ポジションランプ)としても光るんですよ。
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スモールランプは、真ん中のラインのところだけかと思ったら、4連プロジェクターみたいのまで全部光るんですねぇ。
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そうなんです。この状態からウインカーを出すと、白が消えてアンバー点滅に切り替わり……
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ウインカーが終わると、白点灯に戻ります。
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ウインカー(橙)とポジション(白)を同じ場所にして色を切り替える手法は、最近の新型車でよく見かけます。
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そうですね。そこは欧州車からの流れを汲んで、今風の要素になっていますが……
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カローラクロスはそこに、シーケンシャルものっけてきたんだ。
この記事で取り上げているのは、カローラクロスのZグレードに標準装備される「Bi-BeamLEDヘッドランプ+LEDシーケンシャルランプ+LEDクリアランスランプ&LEDデイタイムランニングランプ」。
SグレードやGグレードではオプション選択もできず、Zグレードのみのヘッドライトとなっている。
スモール(ポジション)点灯時
今風の要素を「全部載せ」にしたカローラクロスのヘッドライト
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とはいえ加工の余地も探りたい。こうなったらデイライト強発光回路でも探して……
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いやいや、真ん中のスモールのラインは、昼間はデイライトとして強発光しているんですよ。
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そうか。このラインはスモール兼デイライトなんだ!
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しかもこのデイライトはけっこう明るいですね。これが夜は減光して、スモールランプになるんです。
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四連プロジェクターはウインカー/スモールで兼用、中央のラインはデイライト/スモールで兼用。どこも光るタイミングがひとつではないんだ。
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そうなんです。点灯タイミングを増やす、なんていう加工の余地は、カローラクロスには無いですね。
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スモール(ポジション)点灯状態で、すでに十分ハデに光ってるし(↓)……
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ヘッドライト(バイビーム)がオンになると、このように全てが点灯している状態になります。
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光り方にスキがないなぁ。
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カローラクロスのヘッドライトは、「白とアンバーの切り替え」「シーケンシャルウインカー」「明るいデイライト」といった今風の要素を、うまく全部取り入れてきた、ということです。
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全部載せラーメンですね。
造形的な作り込みは2021年ナンバーワンのヘッドライト?
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このプロジェクター(?)みたいな部分は、造形としても凝っていてカッコいいですね。
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アクリルの造形がまた複雑ですね。
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そうですね。先端部のアクリル断面もしっかりカドが落としてあったり……
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天面だけギザギザを入れて光を拡散させたり、側面にはスリットが入っていたりと、作り込みがスゴイ。
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デイライト兼スモールラインのアクリルの意匠も凝ってますね~。
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ガラス細工のようなキラキラ系ヘッドライト。
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作り込みとして、素晴らしいなぁ、と思いました。その点では、今年見たヘッドライトの中ではズバ抜けて一位だと思いましたよ。
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そうかも。
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このヘッドライトの力の入れようを見ていると、C-HRがデビューしたときに似ているな、と思いました。
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あ~。C-HRあたりから純正ヘッドライトが一気に凝り出しましたよね。
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そして最近のトヨタ車ともまた違う、新しいデザインをカローラクロスでやってきた、という感じです。
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ということは、これはもう、開けない(加工しない)ヘッドライトということでよろしいでしょうか?
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……いや。
そんなことはないですけど。 -
あれ? このヘッドライトのどこにいじる余地なんてあるの???
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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