従来のカップホルダーイルミと「光量アップ版」の違い。どっちがいいの?
カップホルダーイルミは、LED加工専門店〈球屋〉の人気メニュー。今までは「純正+α」のテイストで控え目な明るさだったが、より明るく光らせる新メニューが登場した。そこで従来版と光量アップ版の違いをレポート。
LED加工専門店・球屋が提供開始した、光量アップ版メニュー「Bプラン」
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LED加工専門店・球屋の「光量アップ版メニュー」のレポートです。
●DIYラボ:イルミちゃん
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実は、現在手がけているハイラックスのデモカーの内装イルミから始めたことなんですけど、「Bプラン」というのを作ったんです。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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「B」の方が、光量アップ版のLEDカスタムのことですね。
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そうです。それに対して「A」が、従来からの球屋基準の明るさです。
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どのくらい違うのか……球屋の人気カスタムであるカップホルダーイルミを例に比較してみましょう(↓)
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200%までではないものの、それに近いくらい明るくはしています。
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「Bプラン」は進化版なんだ~。
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いいえ。
そういうことではないです。 -
?
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球屋の姿勢としては、ベースが「A」であることに変わりはないのです。
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ではなぜ「B」を作ったの?
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今までの球屋のLEDカスタムは、あくまでも「純正+α」のテイストでやってきました。
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派手な光モノというより、純正風で実用性のあるカスタムの方向性ですね。
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そういうのが僕の好みでもあるし。
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ふむ。
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ただ、いっぽうで、お客さんの中には「もうちょっと明るくしたい」声もありまして。
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あー、それはあるでしょうね。「球屋はシンプル過ぎる」と感じる人も。
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そこは好みの問題なんで、どっちが良い悪いという話ではないんですが、これまでの球屋は「純正風」を優先して、明るさを求めるニーズには応えられていませんした。
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それで、より明るい「Bプラン」の選択肢ができたんだ。
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そうなんですよ。それによって若干、純正っぽいテイストが損なわれてしまうとしても、明るさを求める人向けのメニューということです。
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では、森田研究員たち〈球屋〉スタッフが「この技はこのくらいの明るさがベスト」と判断しているのは「Aプラン」の方になる?
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そういうことです。だから「Bプラン」ばっかり注文されるようになったら、ちょっと悲しいですね。
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……自分で作っておいてなに言っているんだ、という気もしますが。
カップホルダーイルミの「光量アップ版」と「従来版」の違い
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まあ、でも、これまでは明るさを純正風に抑えてきた球屋にしてみれば、明るくするのはカンタンですよね?
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……そう思います?
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だって「光量アップ」は、今までよりも明るいLEDを付けるとか、今まで1個のLEDを使っていたとしたら2個にするとか、そういうことでしょ?
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なかなか、そのようななやり方だけで実現できるものではないんですよ。「A」と「B」では、作り方そのものが変わってきます。
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へぇ……。光量アップ版を作るのってそんなに大変なんだ。
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カップホルダーイルミを例にすると、使っているアクリルの厚みも違います。
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従来の明るさだと5ミリ厚のアクリル板を使っていましたが、光量アップ版を作るには、8ミリ位の厚めのアクリル板を使わないと対応できないんです。
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明るくすることと、アクリルの厚みがどう関係あるのでしょうか?
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もともとは、中央に1個だけLEDを入れて、アクリルを光らせていました。しかし、LED1個では明るさに限界があって光量アップができません。
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フムフム。
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となるとLEDの個数を増やすしかないんですけど、そうなると、アクリル内に配線を通さないといけない。
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従来型だって、LED1個ぶんの配線は通っていたのでは?
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1個だったら、配線はそのまま下に出せるでしょう。
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あー、そーゆーこと。
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いままでは中心にLEDが入るだけの空間があれば良かったんですけど、光量アップ版ではLEDを三角型に配置しているため、配線を通すためのミゾが必要になる。
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なるほど、なるほど。
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となると5ミリ厚のアクリルでは掘るのが難しいのです。
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薄過ぎてトンネルが掘れないんだ。
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そういうことですね。
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LEDの発数を増やすのも単純ではないんですねぇ。
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だから、車種によってはBプランが無理なパターンも出てくるかも知れませんね。
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それはなぜ?
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カップホルダーに昇降機能が付いている車種もあります。厚めのアクリルを使ったときに、アクリルの重みでしっかり上がり切らないといった問題が出てくる可能性がある。
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……先回りしていろいろ考えてるなァ。
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単に明るしたのが「B」ということではなくて、それはそれでしっかり作り込まないと意味がありません。
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クオリティに妥協しました、っていうわけにはいかないのね。
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それは球屋として出すのはNGです。単に流す電流を多くして明るさを稼ぐ、なんていうやり方もしていません。
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LEDの寿命が縮むから。
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そうです。明るいけど短命になっているのがBプラン……では、そんなものを選ぶ意味がないし、選ぶ人もいないでしょう。
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「Aプラン」と「Bプラン」のそれぞれに込められたコダワリはよく分かりましたが、そうなるとまた、全メニューについて作り方を考え直さないといけない。
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今まさにそれをやっているところです。
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どうやって光量アップ版を作っていくのか、気になる箇所は他にもいろいろありますねぇ…。
メニュー詳細は球屋HPの「ハイラックス カップホルダーイルミ」参照。
>>> 次回に続く
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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