インテリアイルミネーションの後付けは、純正との調和が大切
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車のインテリアイルミネーションの後付け・増設をやりたい人向け。純正イルミをバージョンアップさせる方向が好みなら、LED加工専門店・球屋の施工実例はかなり参考になる。
純正のインテリアイルミネーションが十分に明るいヤリスクロスを例にすると…
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車のインテリアイルミネーションの話題。LED加工専門店・球屋が作っているヤリスクロスの内装は、よいお手本になりそうです。
●DIYラボ:イルミちゃん
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ヤリスクロスのインテリアイルミネーションは、これまで手がけてきたトヨタ車とはちょっと事情が違うんですよ。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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ほう。
どう違うのでしょうか? -
インナードアハンドル・フットランプ・コンソールのトレイの3箇所は、純正状態でも十分に明るいんです。なので、手を入れていません。
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これ全部、純正のままなんだ?
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そうなんですよ。今までだったらインナードアハンドルやフットランプは、光量アップさせてきました。純正だと暗すぎることが多かったので。
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では、球屋がヤリスクロスに後付けしたインテリアイルネーションは?
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定番のカップホルダーイルミ(※)とシフトゲートイルミと、ナビ下のトレイですね。
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シフトゲートイルミは後付けなんですね。
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シフトゲートのイルミは、全車種でできるわけではありませんが、できる車種では施工しています。30アルファードや60ハリアーでもやっていますよ。
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できる車種とできない車種は、何が違うの?
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最近の車種はシフトブーツになっているので、できないんです。例えば、80ハリアーもやっていません。
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そういうことか…。
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ヤリスクロスの場合も、条件的には良くはないです。構造的に、左右方向から光らせることはできないので。
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左右にスペースがないから?
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そうですね。
だからLEDを入れたのは、前後方向だけなんです。 -
四方から照らせる車種のほうが、キレイに光るよってことね。
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ヤリスクロスは、結果的に「ちょっと物足りない純正オプションのイルミネーション」ぐらいのニュアンスですね。僕のイメージでいうと。
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純正風に見せたい球屋としては、結果的にアリだという話かな。
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ナビの下のイルミネーションは、純正だと何もないので、上部にグロメットを使って光源を埋め込んであります。
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グロメット?
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パネルを切って穴を開けるだけだと、開けっぱなしになるのがイヤで、埋め込むLEDにこういうグロメットを付けてフタをしているんです。
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開けっぱなしではないぞ、ということね。
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そうそう。まあ、どうせ見えないし触ることもない場所なんですけどね。実際、純正は穴が開いたままのことが多いですし。
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純正以上にこだわっている面もある。
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明るさは、純正に寄せてバランスを取っています。
インナードアハンドル(純正)
フットランプ(純正)
コンソールのトレイ(純正)
カップホルダーイルミ(後付け)
※この技については、「カップホルダーイルミにアクリルLEDを使う技」で詳しく解説。
シフトゲートイルミ(後付け)
ナビ下のトレイ(後付け)
後付けイルミネーションの明るさも、純正に揃える
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それからリア(後席)は純正だと何も光らないので、インナードアハンドルイルミと、リアフットランプを後付けしています。
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リアについては、フロントの純正イルミネーションと同じくらいの明るさで追加しました。
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今までは純正より明るくしていたけれど、ヤリスクロスでは全部純正に合わせているんですね~。
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今までの車種は、暗いから明るくしていただけ。爆光にしたい意図ではないですから。
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ふむ。
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やっぱりバランスが大切だと思うんです。特にインテリアのイルミネーションは。明るすぎると、夜に絶対眩しく感じますからね。「明るい」と感じるポイントを作らないようにしています。
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そのへんが球屋流ですね。
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まあ、お客さんには「ちょっと物足りない」と言われることはありますが。
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明るくするのは、カンタンなんでしょうけど……
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基本的には、抑えめにしておいたほうがいいです。インテリアで後付けLEDを仕込む状況を考えても、都合よく放熱できるほどのスペースもないですし。
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そうか。
そういう理由もあるんだ。 -
あ! 純正に明るさを揃えていると言いましたが、逆に、揃えなかったイルミネーションカスタムもありますよ。
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ほう。
それはどこですか?
リアインナードアハンドル
リアフットランプ
純正のイルミネーションを暗くするケースも出てきた
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シートヒーターのスイッチの打ち替えです。純正ではオレンジに光ります。それを赤のLEDに打ち替えています。
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シートヒータースイッチを赤にするのは、外車に多い配色(※)だって言ってましたよね~。
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このヤリスクロスは、シートヒーターだけでベンチレーションのスイッチはないですけどね。
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でもオレンジより赤のほうがカッコいいかも。
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しかも、ヤリスクロスの場合は、なぜか純正のオレンジLEDがちょっと明るすぎて目に刺さる光なんですよ。
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そうなんだ。
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だから、施工した赤のほうは、純正より少し暗くしているんです。目に刺さらないように。
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つまり「若干暗くしつつ、赤にした」と?
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そういうことです。
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純正より暗くしたんだ。
かなり珍しいことしてますね。 -
ええ。非常に伝わりにくいイルミネーションカスタムではありますが。
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というわけで、球屋の手がけているヤリスクロスのインテリアを見ても、どこが純正で、どこが後付けされたイルミネーションなのか、実によく分かりません。
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……うん。
それが理想ですね。
今回実例で紹介したLEDイルミネーションの詳細は、球屋公式サイトの「ヤリスクロス・カスタムメニュー」参照。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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