バンパー補修の疑問
PP製・ABS製バンパーやリップスポイラーの補修はできるの?
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PP製やABS製のバンパー補修で、わかっておきたいこと。前回はPP製の純正ドアミラーカバーの補修方法をプロに教わったが、素材が同じPP(またはABS)だとしても、バンパーの場合は事情が変わってくるという。どういうことかというと…
PP製やABS製のバンパーでも補修はできるが…
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●レポーター:イルミちゃん
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前回はPP製の純正ドアミラーカバーの補修方法について解説しましたが……
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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PP製やABS製のような柔らかいプラスチックの純正パーツでも、補修はできる!
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できることはできるんだけど……
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あん?
なんで歯切れが悪いの? -
今回のケースはミラーカバーだからまだいいんですよ。
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む…?
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でもこれがバンパーやリップスポイラーだったら、話は別かなと。
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同じやり方では修理できないの?
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直すこと自体はできるんですよ。しかし地面に擦って割ったリップスポイラーやバンパーだったら、また擦る可能性がある。
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…縁起悪いこと言うなァ。
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ここで言いたいのは「一度補修したスポイラーは、次に擦ったときに割れやすくなる」ということです。割れグセが付いてしまうみたいな感じで。
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割れグセ……だと!
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1回割れたところは補修しても割れやすくなります。同じようなことは、FRP製のエアロパーツにだって言えますよ。
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そ、そうなんだ…。
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例えばPP製バンパーで、専用の接着剤でしっかり補修した場合でも、表面処理にはけっきょくパテを使うわけですからね。
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あ。そういえば前回のドアミラーカバーの補修でもパテを使っていましたね。
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最終的には表面をならすのにパテが使われるから、擦ったら割れる可能性が大なのです。
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しかし「擦ったら割れる」心配をするなら、新品だとしても同じよね?
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違うんですよ。今回「10」の衝撃レベルで割れたとしたら、次は「8」とか「6」の力でも割れますよ、ってことが言いたいのです。
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むむぅ……。前より一段モロくなるイメージか。
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ハイ。補修にお金をかけるときは、それを頭の隅において判断しないといけません。
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そんなこと言ってると、補修の仕事が来なくなりそうだけど?
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僕は自分が経験してきた中で、本当のことをお伝えするのみです。
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つまり、補修したバンパーやエアロパーツは割れやすいっていうのは、経験則から言っていることなんですね。
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もちろんそうです。直し方によっても強度は変わってきますが、元の強度まで戻るとは考えないほうがいいです。
PP製・ABS製に限らず、バンパー補修には覚悟も必要!?
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補修をしても割れやすくなってしまうとしたら、補修するべきか新品を買い直すべきかは、判断が難しくなるな。
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それぞれの事情にもよるし、パーツを付ける場所にもよるでしょうね。
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パーツを付ける場所?
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地面に擦らないパーツなら、修理するのもアリだとは思います。
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そっか。前回補修したドアミラーカバーも、擦るような場所ではない。
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あのようなケースでの補修は、PP製だとしてもアリだと思います。
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そうなんですね。
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同様にボンネットやルーフに取り付けるスポイラーだったら、補修してもべつに問題はないと思う。
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しかしバンパーやリップスポイラーだとすると……
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地面に近い場所で擦ることもあるパーツだと、またヒビが入ると思います。
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えーっと、では「今回たまたま擦って割ってしまったけど、普段は擦ることは無い!」と言える人だとしたら…?
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そういう人なら修理するのも手だとは思いますよ。
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そういうことか。その後ダメージを受けそうもないなら、いいのね。
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そう言えるかどうかは車高にもよりますよね。
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ふむ。
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バンパー下面を擦ることなんてほぼほぼ無い、という車高で乗っているならいいと思います。
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車高を落としている車ではなくて、たまたま純正バンパーを割ってしまったから補修したい、というケースですね。
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逆に車高を低くして乗っている車で、頻繁に地面を擦るような車なら、補修してもすぐにまたヒビが入ります。
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それはPP製・ABS製・FRP製などの材質に限った話ではなくて?
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はい。経験から言えばFRP製の社外エアロバンパーを、同じFRPを使って補修したとしてもなお、最初の状態よりは割れやすくなります。
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なるほど…。
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ただ中には、それでも直すしかない車だってありますが。
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もう、そのスポイラーが手に入らない、とか?
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あるいはエアロ加工していて、フェンダーまで巻き込んだデザインの車だと、簡単にバンパー交換というわけにはいかない、とか。
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新品ベースで作り直したら、それこそ何十万円もの出費になりかねない…。
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そういう車ではバンパー修理するしかない。その場合は同じFRP補修でもできるだけ強度が上がるように、広範囲にかけて全体にFRPを貼り直したり、といった特殊な修理方法もあります。
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修理方法でも強度は上げられるんだ。
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ただ費用も上がってしまうし、それをやっても元通りとは言いません。だから一般的な車のバンパー補修では、オススメできる話でもないです。
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なるほど。けっこう重たい話になってしまったけど……
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ということで前回からの話をまとめると、FRPはもちろん、PPでもABSでも、バンパーを直すことはできます。
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補修できない、というわけではない。
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あーキレイに直って良かったねー! という見た目の状態にはできる。
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……。
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そのまま見ているだけならいいけど、車だから走るし、また擦るかもしれない。そのときに割れやすい、という覚悟は必要です。
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バンパーやリップスポイラーの補修は、このことも踏まえて、総合的に判断しましょう。
ワンオフバンパーなどは、補修以外に手段はないと言える。
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