電装DIYの知識
エアコン吹き出し口(ダクト)をRGB LEDで光らせる技
エアコン吹き出し口(エアコンダクト)の光らせ方。やり方はいろいろあるが、ここでは光モノ専門店・イルミスタの最新の手法をレポートする。使用LEDは、作業がラクになる完成品のRGBパネルライト。RGB LEDの配線についても解説。
エアコン吹き出し口にLEDを付ける時のコツ
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光モノ専門店「イルミスタ」で、密かに人気のメニュー「エアコン吹き出し口LED」をレポートします。
●レポーター:イルミちゃん
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エアコン吹き出し口を光らせたい、という人はけっこう多いです。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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どういう技かと言うと、こんな感じに光ります(↓)
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上はアルファードの例ですが、RGB LEDを使っているので、色も変わります。
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これって、エアコンダクトの中にLEDを仕込んでいるんですよね。
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そうですね。
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ということは、小さいLEDじゃないと入りませんね?
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砲弾型などを使う人も多いと思いますが、イルミスタでは、5050(5060)チップLED搭載の、パネルタイプのLEDを使いました。
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5050は、1発あたりの明るさとしては有利なチップLEDなので。
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しかもRGBフルカラーなんですね。
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エアコンの吹き出し口を光らせる技としては、単色LEDでもいいんですけど、「5050 RGB 1LEDパネルライト 22mm×16mm」は完成品になっていて、自分で組み立てる必要がないので導入しやすいのです。
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なるほどね。
基板にLEDをハンダ付けする作業とか、いらないんだ。 -
そういうことですね。もっと明るい3LEDタイプもあるんですが、吹き出し口に仕込むには大きくてやりにくいので、1チップ型がいいと思います。
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それを隠して仕込むんですね。
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エアコン吹き出し口の奥の作りは、車種によって違うので、仕込み方はケースバイケース。コツは、光源を見せないことです。
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手前のほうに付けたらダメですね。
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吹き出し口前面から、5センチ位は奥にセットすることが多いです。
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この技って、フィンが自動でスイングする車は接触しませんか?
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フィンのさらに奥のほうに付けるので、それは問題ないですね。
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なるほど。
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それと、普通の視点で覗き込んでも光源が見えないようにするためには、上側にLEDを付けるのもポイントです。
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光源は見せずに、フィンに当たっている間接光で演出する技、ですね。
エルパラで販売している 5050 RGB 1LEDパネルライト
RGBコントローラーも必要。どれを使うの?
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RGBフルカラーLEDを使う場合は、コントローラーが必要になります。
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RGBコントローラーにもいろいろありますが……
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24KEY RGBコントローラーが、定番的に使うコントローラーですね。
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あるいはミニRF RGBコントローラーを使います。
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ミニRF RGBコントローラーを使う場合、受光部を奥に隠してもリモコンが届くというメリットがあります。
※RFは電波通信。従来の赤外線通信より使い勝手が良い。
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24KEYも、リモコン操作できる点は同じですよね?
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「24KEY RGBコントローラー」は受光部をリモコン方向に向けて出しておく必要があります。
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なるほど。
そこが若干制限を受けるんだ。 -
ただ、ボタンひとつで好きな色に切り替わる、といった操作性の面では、「24KEY RGBコントローラー」のほうが上です。
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どっちがいいかは好みってことですね。
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そうですね。ちょくちょく色やパターンを変更する人は、「24KEY RGBコントローラー」がいいとは思います。
エルパラで販売している 24KEY RGBコントローラー
RGB LEDの配線取り回しはどうやっているのか?
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しかし、RGB LEDって、配線が多くて大変なイメージがありますけど。
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RGBはプラス線の他に、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3本のマイナス線があるので、合計4本ありますよね。
※プラス線が共通となる「アノードコモン」の場合。
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とはいえ、実際には4本くっついた状態で1本として扱うので、そこはあまり意識しなくても大丈夫。車内に配線を取り回す手間は、単色LEDでもRGB LEDでも大差ないですよ。
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なるほど。
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RGB LEDと、RGBコントローラーの接続は、LEDテープライトを例にするとこんな感じ(↓)なのですが……
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エアコンの吹き出し口を光らせる場合って、1箇所だけでなく複数の吹き出し口を光らせますよね。
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RGB LEDを1個(あるいはテープLEDを1本)だけ光らせる場合と違って、途中で分岐させないといけません。
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そういえばRGB配線の分岐って、どうやるんだろう?
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カンタンな方法としては、こういう4芯線の分岐コードもあるんですけどね(↓)
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カプラーオンで分岐ができるんですね。
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同じように、延長コードもあります。
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ただ、イルミスタで施工するときは、こういう分岐コードとか延長コードは使わないんですよ。
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それはなぜ?
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コントローラーから後席のエアコン吹き出し口まで、という最大の距離を考えると片側で3メーター前後の配線が必要になるんですね。
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そういえば……。
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コネクター接続の延長コードを継ぎ足しでつないでいくと、それだけ抜けたり接触不良になるリスクが増えます。
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うーむ。
そういう問題があるんですね。 -
RGB配線といえど、理想は1本モノでつなぐことなんですね。
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そんなケーブルあるの?
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こんなのがあるんですよ。メーター売りしています(↓)
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コネクターなどは付いていません。延長に使えるプレーンな4芯線です。
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RGBケーブルの、業務用っぽい!
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そうですね。車体に合わせて、必要な長さを切り出して使っています。
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世の中にはなんでもあるんですね〜。
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例えばRGBコントローラーをダッシュボード裏のセンター付近に置くとしたら、そこから右と左に、まずそれぞれ1本モノで取り回すんですよ。
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アルファードだと、例えば3メーターずつ2本みたいな感じですね。
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で、それぞれ途中の吹き出し口のLED配線を分岐させていくんです。
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分岐はどうやるの?
4芯線では、エレクトロタップも使えないし。 -
途中で配線を切って、間に4ピンのコネクターを入れるんです。
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オス側の足に2本分まとめてハンダ付けすることで、分岐ができます。
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なるほど〜。
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あるいは、配線付きのコネクター(↓)もあります。
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こういうのを、スプライス端子などを使って、メインの線につなげば分岐になります。
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ハンダ付けかスプライス端子のどっちか、ですね。
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それが一番接触不良の起こりにくいやり方ですね。ただ、ハンダ付けが苦手、という人にはコネクター付きの延長コードとか分岐コードがありますよ。
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LED加工のプロがやっているRGB配線の取り回し術は、エアコン吹き出し口に限らず、参考になりそうです。
ナビ横のエアコン吹き出し口LED
ダッシュボード端のエアコン吹き出し口LED
後席用のエアコン吹き出し口LED
RGB用の分岐コード
エルパラで販売している 4ピンコネクタ用分岐コード
RGB用の延長コード
1メーターの4ピンコネクタ用延長コード
RGB用4P平行線
エルパラで1メーターあたり100円で販売されているRGB用4P平行線(品番:6451)。1本モノでは最大10メーターまで対応している。0.3スケアと0.5スケアの2種類。
一番遠い後席の吹き出し口LEDに合わせて、長い1本モノを切り出す。
丸ピンICソケット4ピン
RGB用4ピンコネクタ配線
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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