フォグランプバルブ交換方法を見直そう
フォグランプのバルブ交換は「付いていたバルブを外して、別のバルブに交換して終了」…とは行かない。光軸調整の話? と察した人はだいぶ正解だが、ちょっと待った! 調整の前に「光軸のズレ」を確認する必要がある。そのやり方を知っておきたい。
光軸のズレが「見える」フォグランプのバルブ交換方法
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「フォグランプ光軸調整の基礎知識。バルブ交換すれば光軸はズレる? ズレない?」の続き。
●DIYラボ 別館:ユキマちゃん
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〈動画部〉がフォグランプに関する新しい動画を公開(↓)しました。
●DIYラボ 本館:イルミちゃん
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今回はフォグランプのバルブ交換方法についておさらいします。
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なんだか今さらって感じのネタねぇ。
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……ずいぶんとエラそうな態度だけど、きちんと手順を分かって言ってるんでしょうね?
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手順っていったって……純正バルブを抜いて……
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社外バルブを付け直す。
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これで終わりでしょう?
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それで終わりにするから問題が起こるのよ。
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あ、光軸調整しないといけないのか。
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そうそう。まずは光軸の確認をしないと。
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では壁ドンでフォグランプの光軸を見てみよう。
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問題なさそうね。
さすがIPF! -
そんなハナシじゃないでしょ。たとえIPF製でも、バルブ交換したら光軸はズレる可能性が高いと何度言えば……
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それはそうだけど、〈バルブ交換でズレたかどうか〉なんてよく分からないわね…?
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それはだから……前回の動画を参考にフォグランプとカットラインの双方の高さを測るしかないのでは?
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それだと、けっきょく光軸調整するのと変わらん手間がかかるよね?
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まあ、そうだけど。
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バルブ交換する場合は、もうひとつ方法が考えられます。
●アドバイザー:IPF 堀越研究員
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もっとラクな方法があるなら知りたい。
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それは交換前の純正バルブのカットラインを参考に、光軸を確認する方法です。
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ナルホド。それなら高さを測ったりする必要はないんだ。
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ただし「交換する前の光軸が合っていること」が前提ですから、これは純正ハロゲンバルブから交換するときに限られる方法ですね。
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社外品から社外品への交換だとしたら、元の光軸も信用できないってことね。
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元が純正状態だとして……どうすればいいの?
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純正バルブを外してしまう前に、純正フォグランプのカットラインをマーキングしておくんですよ。
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壁に直接メモっておくんだ。
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これをやってから純正バルブを外すのです。
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そしてLEDバルブに付け直してから点灯させると……
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ズレたぁ。
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純正より上のほうにカットラインがいっていますね。
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この場合はマーキングに合わせて光軸を下げればいいわけですね。
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なるほど、これは分かりやすい。
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ただしこの方法も、交換後にカットラインがしっかり出ていることが前提です。
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そりゃあ、そうだ。
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IPFは配光性能を重視していてカットラインもしっかり出るからいいけどね。
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でもサ、カットラインウンヌンの話題になると、DIYラボ動画部の視聴者の人から「本来フォグランプにカットラインは必要ない(そんなルールはない)のでは?」みたいな意見もくるけど……? そこはどうなの?
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ふむ。ときどきそういう意見がくるね。IPFがこだわるのはいいけど、義務じゃないよね的な…
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それはちょっと誤解ですね。IPFがカットラインを出しているというよりは、純正フォグランプの機能ですので。
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IPFはあくまでも純正機能を再現しているだけです。
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以前にも解説しましたが、車が型式認定を受けるために問われるルールにおいては、フォグランプにカットラインが出ていることは必須条件ですからね。
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カットラインの出ていないフォグランプだとEマークも取得できない。
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そういうことですね。Eマークが取得できない灯体では新車にも採用できません。
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だけど一般ユーザーはそんなこと知らないから、IPFの自主規制みたいに捉えている人もいるんだよね。
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そこはおそらく、車検のときにカットラインの有無が検査されるわけではないから……かな。
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確かに車検の審査事務規定には、直接的なカットオフラインの有無の規定はありませんが……
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おや? では、フォグランプのバルブを交換してカットラインが崩れたところで、車検には通るということ?
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しかしフォグランプのカットラインが出ていないと、車検の審査規程である「霧灯の照射光線は他の交通を妨げないものであること」という条件には抵触する可能性が高くなりますよ。
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カットラインが無い、ってことは対向車に直接光を飛ばす、ってことだもんね。
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けっきょくはNGってことになる……ってこと?
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どこまで厳しくチェックされるかは検査員の方の判断になると思いますが、明らかに他の交通の妨げになる状態なら、車検の目視判定で不合格を判断される可能性もあるでしょうね。
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IPFがカットラインの再現にこだわる理由はそこね。
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理由はそれだけではなく、純正カットオフラインを再現することは、光源から出る光を最適な箇所に集中させる「最適化」にもつながりますからね。
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ムダな光が飛んでいない……ということですね。
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逆にカットラインの無い爆光フォグだと、本来路面を照らすはずの光が上方に漏れてしまって幻惑させていることになります。
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それだと明るさの意味がない……。
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そういうわけでIPFでは純正品でもアフターパーツでも、フォグランプに適切な配光になる様に、国際認証に基いた明瞭なカットオフラインを再現しています。
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ただしそんなIPFのLEDフォグランプとて、光軸がズレていたらNGですからね~。これは別問題なので。
✔ 詳しい手順は動画を参照。
>>> 次回に続く
DIY Laboアドバイザー:堀越秀樹
バルブメーカーIPF企画本部に所属、LEDバルブやハロゲンバルブなどの交換型バルブを統括している。語学が堪能で海外とのやり取りもこなす有能社員だが、休みの日に限らず、子育てや犬の散歩など家事もしっかりとやるタイプ。そしてかなりの愛妻家。
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