LED加工のプロが愛用する「グロメット」とは?
グロメットはもともと配線を保護するためのパーツだが、LED加工専門店・球屋では、グロメットの特性をいかしてLED加工に使っている。DIYでも大いに参考になりそうなので、使用例を教わった。
ゴムのグロメットを内装LED埋め込みに活用
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「純正でアンビエントライトが付いているけど暗い場合、光量アップ加工は可能なのか?」の続き。球屋の〈カローラクロスの内装LED加工〉をチェックしていきます。
●DIYラボ:イルミちゃん
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純正でアンビエントライトが光るカローラクロスですが、ドアポケットはなにも照明がありません。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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そこで! ドアポケット照明を追加したのがこちら。
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マックラな車内でもドアポケットの所在が浮かび上がる。しかも明るすぎない絶妙さで。
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どう考えても、このほうがモノの出し入れもしやすくて、実用的です。
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純正採用されないのはコストの都合かな。
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後付けでも費用がかかりすぎたら誰もやらない技になってしまうので、今回はコストも抑えられるグロメットを使ってLEDを埋め込む方法を採りました。
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普通に見る角度では光源は見えませんが、ドアポケットを下から覗き込むようにして見ると……
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スポットで光源が埋め込まれているのが見えます。
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ドア内張りに穴を開けてLEDを埋め込んでいるんですが、こういう場面で重宝するのがグロメットです。
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グロメットって、球屋のLED加工ではよく耳にしますね。
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天井のダウンライトの埋め込みなどに使うのと、同じモノです。
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見えるところ(角度)だとすると、どうなんだろうと思っていましたが、車種によってダウンライトを施工するときに使ってみたら、意外と悪くないと思って、そこから使うようになりました。
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ゴムの輪っかみたいなものですね。
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グロメットの本来用途は、配線を通すときの保護などが目的です。
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そういえば、純正配線が車外から車内に入るところにも、グロメットが使われていますね。
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鉄板に穴を開けたところに配線が直接触れると擦り切れてしまうし水も入ってくるから、グロメットで保護しているんですね。
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球屋の使い方は、それとは違いますね。
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そうですね。僕らの使い方はイレギュラーで、ようはLEDを埋め込むときのマウント的な使い方なわけです。
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今回のようにドア内張りに穴を開けてLEDを埋め込むシーンにピッタリだ。
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グロメットはサイズがミリ単位で設定されています。例えば内径3ミリ、外径5ミリとか、そういうのが1ミリ刻みであったりするので、けっこう使いやすい。
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あー、なるほど。だからLEDのサイズに合わせて選べるんだ。
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そしてゴム製のグロメットなら、ある程度は自由が効くのもポイント。はめるときも、浮きなくしっかり取り付けできるし、自然に取れる心配もない。
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内張りに開けた穴に、ぎゅっと埋め込むのに最適。
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そうなんですよ。他には「ケースなどに穴を開けて配線を出す」用途にも、グロメットを使ったりもしますし。
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そちらのほうが、グロメット本来の使い方に近い。
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いろいろな場面で使えるので、けっこう重宝するというか、多用していますよ。
これがグロメット(小)
これもグロメット(大)
グロメットの奥にアクリルをかませてLEDを仕込むケースもある
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グロメット自体は単なるのゴムの輪っか状の部品であって、レンズなどが付いているわけではありませんが……
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そうですね。
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しかし、グロメットを使ってLEDを埋め込んだポイントを直接目で見ても、LEDの光が目に刺さる感じはありませんね。これはもしかして、アクリルも使っているの?
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あー、そうですね。使うときと使わないときがありますが、カローラクロスのドアポケット照明は、奥にアクリルを仕込んでいます。
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アクリルでフタをしてあるイメージ。
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そうする目的は光を拡散させたいから、ですね。
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アクリルは、拡散レンズの役割りなんだ。
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今回のようなドアポケット照明の場合だと、スポット的な点光源よりは、少しでもボワっとさせたい。
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とはいえ、そんなに差は出ませんが。ただ、使わなかったらLEDの光の閃光がスジ状に見えたりします。私の感覚だとあれが見えるとブサイクな気がして。
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んなところまでこだわるのか。
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自己満足に近いかもしれません。
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それはそれで重要ですけど。
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逆に、拡散よりも、遠くに光を飛ばしたい場面ではなにも使わなかったりもします。
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ナルホド。その場合はアクリルを入れずに、グロメットに単体でLEDを埋め込むんだ。
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スポットライトならそうすることもあります。場所・目的によって使い分けていますね。
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いずれにしても、プロのLED加工者によるグロメットの活用術は、参考になる話かなと思います。
短い距離でできるだけ広範囲を照らすためには、照射角のワイドなLEDを使うのもポイント。アクリルは+αの効果狙い。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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