カローラクロスのヘッドライトでUS風サイドマーカーはできるのか?
カローラクロスでもオレンジレンズの「US風サイドマーカー」をやりたい人は多そうだが、可能なのか? コスト度外視の大がかりな加工ではなく、あくまでもLED加工屋〈球屋〉が「メニューとして提案できる」範ちゅうで考察した結果は…
カローラクロスのUS風サイドマーカー加工には問題アリ!?
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「カローラクロスの最新型ヘッドライトを分解して分かったこと」の続きです。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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そういえば、以前に球屋・森田研究員は「カローラクロスでもUS風のオレンジレンズを入れたい」と言っていましたが……
●DIYラボ:イルミちゃん
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US風にはできそうですか? 光らなくてもいいからオレンジレンズだけでも入っていてほしい、という読者の方の意見もありましたが。
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あ~。50プリウスみたいな感じですね。球屋でもカローラ系で提案しているUS風は、メニューを分けています。
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と言うと?
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カローラ系のサイドマーカー加工は、「レンズをオレンジレンズにするだけ」と「レンズをオレンジレンズにして光らせる」のと「レンズは透明のままでオレンジに光らせる」の3パターンがあるんですよ。
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へー!
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このへんは好みが分かれますので。
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ただ、今回のカローラクロスのヘッドライトの場合、純正ではレンズがなくてマックロのインナー状態です(↓)
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ここにオレンジレンズは入れられそうなんでしょうか?
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実はヘッドライトを分解してみたら、ちょっと問題アリでした。
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む? 何があったの?
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カローラクロスの場合はサイドマーカーがないので、やるとしたらインナーを切って、オレンジアクリルなどを埋め込む形になると言いましたが……
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ふむ。
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そのオレンジレンズを埋め込みたい部分の後ろに、柱があるんです。
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柱? なんの柱???
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ヘッドライトの中央を走っているゴッツイアクリルを支える支柱が、ちょうどここにあるんです。
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なんということだ!
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そうなんです。かといってこの柱を切ってしまうというのは……ちょっと。
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柱を切ったら……アクリルが下がってくるかも。
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しかも、カローラクロスのデイライト/スモールで点灯するライン部分のアクリルって、空洞ではなくてカタマリなんですね。
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これだけ体積のあるアクリルは相当重たいので、一時的には保持できたとしても、長期的に見ると下がってくる可能性がありますよね。
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でも柱はこれだけではないんでしょう?
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いや、これしか無いんですよ。前面側のライン下は空間として空いているので、柱はサイド側だけなんです。
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もしかして、デザイン的にサイド面なら柱を隠せるからこうなっているのか。
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だと思います。…となると、この柱は切らないほうが良さそうです。あとあとミリ単位でデイライトの位置がズレるリスクは、十分イメージできますので。
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5ミリくらい下がったりとか?
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そこまで動かないとしても、ライト内でアクリルがわずかでも傾いたりすると、カドがレンズ内側に当たるなどして傷がつく可能性もあります。
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ウーム。
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そうなると、単にアクリル位置を戻せばいい、という問題ではなくなります。
インナー側面(オモテ側)
インナー側面(ウラ側)
この柱がデイライトを支えている。
US風サイドマーカーのため(だけ)に大加工するのはオススメできない
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あのー、素人意見ですけど、光源を仕込むのをあきらめて「オレンジレンズを入れるだけ」なら、後ろに柱があってもなんとかなりませんかね?
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それだと柱の影が見えてしまいますね。すぐ後ろに柱があるので。
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あ……そういうことか。光らせないオレンジレンズだけならOK、っていう話でもないのか。
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オレンジレンズの一部に太い黒い影が走る、という状態では見た目的にNGかなと。
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なるほど。
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メッキシートを柱に貼って光っているときは反射でカモフラージュする手法なども考えられなくはないですけど、光っていない時は見えるし、そもそもヘンな反射をしたりとか……懸念が多いです。
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では、オレンジのシートを巻いたらどう?
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オレンジレンズは透明のオレンジなのに対して、支柱を透明オレンジにできるわけではないので、やはり見た目的に厳しいでしょうね。
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ウーム。まあ、物理的に存在している以上は、見えちゃうでしょ、ってことね。
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時間とコストをかけていいなら、別の場所で支柱を作るという方法もできなくはないでしょうが、そうなると大がかりな加工になりすぎるし。
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ふむ。
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US風のサイドマーカーをするためだけの加工としては重すぎる気がするんですよ。
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当然、工賃に跳ね返ってくることになるし……。
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サイドマーカー加工に膨大な時間とお金をかけるっていうのは、今の時代の流れに反している気がしますよね。
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確かに。
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もちろん、球屋はワンオフ加工でやってきたお店なので、ワンオフ加工を否定するものではないんですけど、お金の使い方として有意義とは思えません。
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US風サイドマーカー加工は車種問わずで人気メニューだったけど、カローラクロスでは赤信号か…。
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支柱まではかからない範囲(細い範囲)でオレンジレンズ化してみたらデザイン的にどう見えるか、なども検証中ですが……メニューにできるかどうかは微妙なところですね。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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