アースを疑え! 第5章
純正アースの強化方法(エンジンアース編)
純正アースケーブルを強化する方法の続き。今回のターゲットはエンジンアースだ。エンジンルーム内を取り回す注意点も踏まえ、アーシングのやり方を解説。なお前段のボディアース強化編は、別記事(※)を参照。
純正アースケーブルは1本とは限らない
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前回はバッテリーマイナスとボディ(フェンダー横)をつなぐ純正アース線を強化しましたが、今日はその続き。
●アドバイザー:DIYライフ 藤本研究員
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純正アースケーブルって1本とは限らないですね〜。このもう1本はナニ?
●DIYラボ レポーター:イルミちゃん
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もう1本は、たどってみると分かりますがエンジンのほうにいってます。エンジンの固まり近くにアース線がつながっている。
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これが噂のエンジンアース?
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そうですね。こっちの純正アース線を強化すると、よく言われる「プラグなど点火系の効率を上げるアーシング」としては、効果が出やすいということになります。
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プラグの火花がよく飛ぶ、みたいなやつだ。
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ハイ。コッチの純正アース線も強化すると、パフォーマンスを100%に近づけることができます。
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パワーアップ!!
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……するわけではなくて。
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あ、あれ……?
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アーシングはもともとの状態に近づくだけです。でも、劣化している古い車では、走りの面でも体感できるほど変わったりしますよ。
純正アースケーブルが2本ある
純正アース線の接続先を発見
エンジンアースの強化方法
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ここからは実践。
純正アースケーブルの強化、2本目いきます。 -
前回のボディアース線同様、純正アースケーブルは外さずにそのまま残しておきます。
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あくまでも強化ケーブルの追加、ですね〜。
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ここは前回のような30センチの短い強化アースケーブルでは届かないので、今回は90センチを使います。
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そして、前回追加しているボディアースの分と合わせて、バッテリーマイナスターミナルに共締めします。
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で、これをエンジン本体のほうに運ぶんですね。
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まず取り回しの注意点。エンジンルーム内を取り回すことになるので、ボンネットの開閉に引っかからないように、下を通します。
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それと、熱源の近くを通すのはNGです。
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なぜわざわざそんなところを通すんだ、というダメな例ですね。
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それと、ファンやベルト類など、稼働している部品にも巻き込まれないように注意しましょう。
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藤本コーチ、大変です!!
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どうかしましたか?
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もともと走っている純正アースケーブルのアースポイントに、手が届きません。
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べつに純正と同じポイントでなくてもいいです。理想は、エンジンヘッドの下あたりにアースケーブルを追加すること。(※熱の影響を受けないところで)
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えー? 上のほうに見えている、ラクに付けられそうなボルトではダメなんですかぁ?
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……う〜ん、まあ、いいですよ。
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いいのかッ!!
いちおう言ってみただけなのにOKが出た。 -
理想も大切ですが、DIYでのアーシングは、作業性を優先したほうがいいと思います。それでも意味はあるので。
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それでは! ムリなく手が入る範囲で、エンジン周辺のボルトを見つけて……
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最後に、タイラップなどで要所要所を固定しておきます。タレ下がって、ファンなどに巻き込まれないように。
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純正エンジンアースケーブルの強化完成です!
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電装品の取り付けに比べれば、1本コードを追加するだけなのでカンタンでしょう。
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ちなみに前回と今回で、2本の純正アースを強化した結果としましては……
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始動性では、セルの回り方が全然違う。キュルキュルキュル……ブオンが、キュルブオンぐらいに変化しました。走りも、体感できるほどハッキリ変わりましたよ〜。モデル車が古いから、という点が大きいですが。
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新車で体感するのは難しいと言われるアーシングですが、古い車なら、効果アリのようです。オカルトじゃなかったんだ。アーシング。
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さっきも言ったとおり、純正本来の状態を超えるわけではないので、チューニングというよりメンテナンス、という考え方がいいと思います。
DIYライフの純正アース強化ケーブルは、30センチ、60センチ、90センチの3種類ある。
ステーなどの下を通しながら進む
コレはNG
ゆるめる(10ミリのソケットレンチ)
純正ボルトにかませる
しっかり締める
電装品を取り付けたときにアース不良で動かない!というのは超定番。アース不良をなくすための方法論については、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。ボディアースの基礎知識のおさらいにも最適な動画です!
DIY Laboアドバイザー:藤本壮啓
某カー用品メーカーに長年勤務し、車業界にDIYを広めた伝説の広報マン。現在は独立して、DIY用品を扱うセレクトショップ「DIYライフ」を設立。単なる製品の宣伝トークではない、DIYユーザー側に立ったアドバイスが持ち味。通称「フジモン」。
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