アースを疑え! 第2章
ボディアースが原因で純正機器にノイズがのることもある
電装DIYでトラブルが起こったら、怪しいのはアース。そんな時はまず、ボディアースを見直そう……ということでスタートした新連載「アースを疑え!」。今回のテーマはノイズ。ボディアースが原因で、ノイズがのるケースを検証する。
ボディアースが原因でノイズがのるパターンとは!?
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DIYライフの藤本コーチとお届けする「アースを疑え!」第2章です。
※第1章は「アース不良対策として、アースポイントを増設・延長するという発想」
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
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前回は、しっかり落ちるアースポイントにボディアースしましょう、という話をしましたが、今回は「アースには落ちるけれど問題が起こる例」です。
アドバイザー:DIYライフ 藤本研究員
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なんのことですか?
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例えば、電装品のマイナス線をボディアースするときに、純正機器のアースポイントに共締めする、というのは定番なんですが……
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純正アースポイントなら、確実にアースに落ちるから……ですよね?
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取り付け時のメリットとしてはそうなんですが、この手法はデメリットが出てくる場合もあります。
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え……?
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それはノイズの問題。
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ノイズかぁー。
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後付けした電装品のアースを、純正アースポイントに共締めすると、純正機器にノイズがのったりするケースはあり得ます。
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……そ、そうなんだ。
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ノイズの問題はプラス線(電源)のイメージがありますが、マイナス線でものります。つまりボディアースした場所が原因、ということも。
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なるほどね。
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純正アースポイントは、確かに最も確実にアースが落ちる。だから手堅いアースポイントとしては、狙い目なんですけどね。
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キックパネル裏の純正アースポイントは、定番ですもんねぇ。
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ただ、純正アースポイントはなんらかの純正機器のアースポイントなわけですから、もしもノイズがのったりしたら、疑ってみる必要があります。
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覚えておこう。
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他には、ナビ・オーディオデッキ裏でアースを取ったら、ラジオにノイズがのるケースもあります。
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このアースの取り方は、ようするにチューナーの真横で電源ラインを1本追加するようなもの。ですから、ノイズがのっても不思議はない。
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この場所も、ボディアースの定番なんですけどね〜。
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別に問題が起きなければそれでいいのですが、ノイズがのる可能性がある、ということなんですね。
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これも覚えておきましょう。
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あとはボディアースではなく、例えばルームランプのドア連動マイナス線を取るケースもありますよね。
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全ドア連動にしたいときに取り出す線ですね。
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ルームランプはパルス制御(高速点滅)でじわ〜っと消灯させたりしていますが、そのパルス信号と同期して、音が出てしまうケースなどもあります。これもノイズの一種。
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つまり……ルームランプの消灯のたびに、音が出るということ!?
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そうですね。
「チーーー」って。 -
うっとおしくて放置できませんね。どうすればいいんでしょう?
取り方については、「ルームランプ連動線(全ドア連動)の取り方」参照。
まずは電源の取り方を見直し、次にアースを疑う
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何か電装品を付けた後でノイズがのるようになったら、当然ながら「直近で取り付けした電装品」があやしいわけですよ。
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そりゃそうだ。
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そういう場合は、最近付けた電装品のプラスとマイナスの取り方を見直してみる。可能性としては、プラス(電源)のほうが高いです。
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やはり、ノイズで怪しいのはプラスなんですね。
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そうですね。
だから、まずは電源の取り方を見直してみます。 -
別の場所から電源を取った方がいい、ということでしょうか?
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それもあるし、電源線の取り回しの問題もある。例えば何かを付けてバックカメラの映像にノイズがのるようになったら、バックカメラの線と平行する形で電装品の電源を通していないかチェックしてみましょう。
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バックカメラの線には、ノイズがのりやすいみたいですね〜。
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なので、取り回しを変更して、重なる区間を減らす・並行して走らせないようする、といった対策で直るかも知れません。
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……なるほど。
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プラス線でいろいろ試してみて、それでもダメなら、アースを疑いましょう。
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アースポイントも変更してみようってことですね。
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そうです。ちなみに前回登場した「アースポイント延長ハーネス」(↓)は、違うアースポイントを試験的に試してみるような場面でも便利ですよ〜。
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どのアースポイントで何の機器にノイズがのる、という話はケースバイケースです。
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ココなら絶対ノイズがのらない! というオススメのポイントがあるわけではないんですね。
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ハイ。正直やってみないと分からない面もある。だから、ノイズがのっているのなら、電源とアースの取り方をいろいろと変えて試してみる。
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なかなか地道な……。でも、それだけに原因が判明した時には、ヨロコビが大きいに違いない。
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それが解決へとつながる道ですから。
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ノイズがのったら、電源だけでなく「アースを疑え!」を思い出してくださいね〜。
DIYライフのアースポイント延長ハーネス
アースポイントをお試しで変更してみる
電装品を取り付けたときにアース不良で動かない!というのは超定番。アース不良をなくすための方法論については、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。ボディアースの基礎知識のおさらいにも最適な動画です!
DIY Laboアドバイザー:藤本壮啓
某カー用品メーカーに長年勤務し、車業界にDIYを広めた伝説の広報マン。現在は独立して、DIY用品を扱うセレクトショップ「DIYライフ」を設立。単なる製品の宣伝トークではない、DIYユーザー側に立ったアドバイスが持ち味。通称「フジモン」。
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