アクリルLEDヘッドライト加工の最前線ルポ
スタイリッシュさで突き抜けるこのヘッドライト加工は、球屋最新作のBR-Z。素材は3ミリ厚のアクリル。ライトのインナー・どピッタリに曲げて沿わせて光らせる。アクリルLED加工=面発光だけではない、を意図した今までとは違う試みだ。
アクリルLED加工=面発光、とは限らない!?
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アクリル加工を駆使したヘッドライトメイクでお馴染みの「球屋」が、なにやら新しいことにチャレンジしているようです。
●レポーター:イルミちゃん
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アクリルLED加工=面発光という概念にとらわれずに、作ってみたのが今回のBR-Zです。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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このライトの画像(↓)美しい〜! なんだか一段とスタイリッシュな印象を受けますが、これまでのアクリルLED加工となにが違うんでしょう?
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アクリルを使っているけど面発光はさせていない、ということでしょうか。
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ムムム……またヘンなこと言い出したぞ。
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従来のアクリルLED加工では、アクリル表面をブラスト加工して「アクリルの形に面発光」させていましたが、あえてそれをせずに、レーザーでライン状に傷をつけて、ラインだけを光らせています。
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ということは、これってまさか1枚モノのアクリル?
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そうですよ。3ミリ厚のアクリルをレーザー加工機で切り出したものを、ヒートガンで熱を加えて曲げています。分厚いと無骨なんで、薄いほうがいいですね。
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そのへんもスタイリッシュさの秘訣かぁ。
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インナーの形にピッタリ添わせるために、インナーを養生して、熱したアクリルを押し当てて型を取っています。
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なるほど、そうやって作ってるんだ。
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フィン状に光らせたいときは「フィン状に切り出したアクリルをインナーに埋め込む」手法を、以前からよく使ってきましたが……
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今回はあくまでも、1枚モノのアクリル。
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そうですね。違うことをやってみたかったので。
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あれ? そうすると光源はどこに? 埋め込みのアクリルフィンと違って、光源を仕込む場所がないのでは?
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グリル側に2発程度LEDが入っているだけなんです、実は。
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え、それだけ? グリルから離れた端っこの方まで光が届くんですか???
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届くんですよ。最後までアクリルをキレイに光らせるポイントは、ラインの間隔にあります。
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ほほう。
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これ以上、ラインとラインの間隔を詰めると、途中で光を喰い過ぎて、端まで光が飛ばなくなるんですよ。
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アクリルLED加工って、傷を密集させたほうが遠くまで光が飛ぶ気がしますが…?
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むしろ逆なんですよねー。これは7ミリ位の間隔で開けているんですが、それより狭いとダメでした。
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7ミリ以上離してもダメ?
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いや、ライン間隔を離すぶんには問題なく光るんですよ。だからいろいろ試して、一番バランスいいところだったのが7ミリです。
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なるほど。全面ブラスト加工より、むしろ遠くまで均一に光って見える気さえしますね。
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それは気のせいではないです。光が喰われないぶん、アクリル全面発光より端まで均一に光が回っています。
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へぇ〜さすがアクリル×LEDの使い手。あいかわらずヘンタイレベルで、光らせ方を追求した成果なんですね。
1枚のアクリル板をインナーに沿って曲げている
端まで均一にライン発光している!
LED光源が少ないので2色発光もやりやすい
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今回はオーナーの希望で、イベント時には赤で光らせたい、というのがあったので光源は2種類仕込んでます。
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このアクリルLED加工だと光源の数はそんなにいらないので、色替えするにしても、大量のLEDを仕込む必要がないのはメリット。
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フィン状のアクリルLEDだったら、アクリルごとに2種類のLEDが必要になりますもんねぇ。
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そうなんですよね。
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最先端のアクリルLED加工、エコな面もあるようです! ある意味、意外なメリット。
色替えも可能
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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