電装DIYの知識
検電テスターの選び方。おすすめはどれ?
車の電装DIYの必須工具、検電テスター。超定番はエーモン製だが、種類があって初心者には選びにくいのでココでまとめて解説。一番安いのは赤い光で通電を知らせる「A49」。赤い光+ピー音が出て、さらにマイナス線には緑で光る「1569」あたりも売れ筋。上位モデル「1142」は、検電テスター機能の他、電圧もデジタル表示できる。
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今日は検電テスターの選び方について解説します。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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エーモンの検電テスターは、超定番ですよね〜。
●レポーター:イルミちゃん
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ありがたいことですね〜。
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そういえば電装のプロであるコムエンタープライズの岡本研究員も、「検電テスターはエーモンさんのがおすすめ」って言ってたっけ。
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プロの人にもそう言ってもらえるのは、ありがたいですね。
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……ところが!
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?
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この間、近所のカー用品店にエーモンの検電テスターを買いにいったところ……、
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もしかして売れ切れてたとか、そういうネタでしょうか?
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逆ですよ逆!! エーモンの検電テスターが3種類も売っていて、選べなかったんですよッ!!
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あ、なるほど。
普通のテスターも入れると、実は4種類ありますね。 -
種類が多すぎるッ!!
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……いやぁ。
でも、そこにはいろいろ違いがありまして…… -
はじめて検電テスターを買いに行くような電装DIY初心者だと、どれを買っていいか分からないと思います!
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分かりました! 今日はその違いを、初心者向きに説明いたします。
一番安価なのは検電テスター(A49)
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まずは一番安いものから紹介。「検電テスター(A49)」というモデルがあります。
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ネットだと、400円〜500円前後で購入できるようですね〜。安いっ。
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普通にLEDなどの電装品を取り付けするだけなら、コレでも十分です。
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扱い方は、「検電テスターの正しい使い方」を参考にしてくださいね。
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「A49」は、通電している場合は「光」で教えてくれますが、ブザーは鳴りません。
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検電テスターでよく「ピー」って音が出ているイメージがありますが……アレはコレではないのか。
最も安価なエーモン検電テスター
取り扱いがカンタンなベーシックモデル。【Amazon.co.jp 限定】エーモン 検電テスター(A49)
マイナス線も調べる人は1569がおすすめ!
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ピーという音が出るのは、「検電テスター(1569)」のほう。コレも定番モデルです。
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中塚研究員や岡本研究員が使っているのは、このモデルか〜。
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こちらはネットだと、1000円〜1500円前後ぐらいの価格帯ですね。
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「1569」は、通電を光と音で教えてくれます。
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「A49」は光だけ、「1569」は、光と音。つまり違いは「音」だけですか?
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いいえ。「1569」にはもうひとつ特長がありまして、「極性が分かる」タイプの検電テスターなんです。
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極性が分かる?
なんのことですか? -
プラス線に対しては赤で反応しますが、マイナス線の場合は緑に光るんですよ〜。
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マイナス線を調べるためには、「1569」が必要になる?
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いや、そんなことはないですよ。「A49」でも、マイナス線は調べられます。
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それは……どのようにして?
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マイナス線を調べるには(どの検電テスターだとしても)、プラス電源(常時電源など)を取っておく必要があります。それをすれば「A49」でも「1569」でも、マイナス線に反応します。
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A49だと、マイナスでも赤に光るということですね。
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そうです。それだけの違いなので、A49でも調べること自体はできます。
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まあ、今調べているのはマイナス線という認識があれば、色で判別できなくてもさほど問題はありませんね。
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ちなみに「A49」も「1569」も、24V車でも反応しますよ。
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12Vだけに反応しているわけじゃない……ということですね。
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そうですね。
6V〜24Vまで反応するように出来ています。 -
それは……逆に言えば「検電テスターが反応したから12Vが来ているとは限らない」ということになりますね。
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そうなりますね。正確な電圧まで知りたいとすれば、もうひとつ上位モデルを選ぶ必要が出てきます。
通電が光と音で分かる検電テスター(1569)
光と音で通電が分かる「検電テスター(1569)」 エーモン検電テスターの中間グレード。
マイナス線の場合は緑に光る
マイナス線を調べるには、常時電源を取ってクリップを絶縁
具体的なやり方は「検電テスターでマイナス線を調べる方法」を参照。
電圧までわかるデジタル検電テスター(1142)
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通常の「検電テスター」は、電気が来ているかどうかを調べるだけです。
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電子工作をするような人が使っている、本格的なテスターとは違うんですね。
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そうなんですが、検電テスターとしての手軽さと電圧測定の機能を併せ持つのが、「デジタル検電テスター(1142)」なんです。
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この「1142」は通電しているかどうかだけでなく、電圧を数字でデジタル表示できるんです。
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なるほどォ。
こんなのまで、あったのか。 -
あと「1142」は、「導通確認」という作業ができるようになります。
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導通(どうつう)カクニン?
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例えばボディアースする場所を探しているときに、「このポイントは本当にアースとして使えるのか?」……と心配になるケースがあります。
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確かに。金属部のネジなら何でもアースになるわけではありませんよね。
※「ボディアースは場所に注意!!」参照。
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そんな場合は、このデジタル検電テスターが便利。
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使い方は、どのように?
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まずデジタル検電テスターのクリップ側を、純正機器が使っているようなアースポイントに接続しておきます。
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純正アースポイントは、キックパネル裏でよく見かけますね。
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その状態で、調べたいネジなどにデジタル検電テスターを当てます。導通しているネジであれば「888」と表示されます。
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導通とは、「両者はつながっている」というイミか。
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そうですね。「つながっている」、イコール「そのネジもアースとして使える」ということが分かります。
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なるほどォ。デジタル検電テスターになると、そんなこともできるんだ。
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導通確認は、A地点とB地点の間がつながっているかどうかが分かる。配線が断線している可能性があるとき、チェックするのにも便利ですよ。
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途中のギボシ端子が接触不良を起こしている……なども、あぶり出せるわけですね。
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そうなんです。そういうことまでできるのが、デジタル検電テスターですね。
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そう言われると、一番上位モデルが欲しい気がしてくるぅ〜。
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とはいえ、通常の電装品の取り付けだけなら、最初に紹介した安価な「A49」とか「1569」でも十分ですよ!
電圧が測れるデジタル検電テスター
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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