ヘッドライト修理
加工されたヘッドライトの結露はありがちだが、その原因はほぼコレか?
ここまでは純正状態のヘッドライトが劣化などによって結露するケースを取り上げてきたが、仮に結露するのが「加工ヘッドライト」だとしたら…? これはもう、ある意味では原因特定はカンタンと言ってよい。
イカリング取り付け等、加工ヘッドライトが結露する原因
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「結露するヘッドライトの修理は、分解しないとできないもの?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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ここまで、ヘッドライトが結露する原因と解決策について解説しましたが……
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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ふむ。
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これまでの話は、ヘッドライトが純正であることを前提にした話です。
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ふむ?
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しかし、世の中にはヘッドライトを加工していて結露する車もあります。
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イカリング付けたよ、LED追加したよ、とか。
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そうそう。あるいは中古で買った時点から、加工ライトが付いていて……っていうパターンもあります。
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そういう車も、結露で悩んで〈イルミスタ〉にやって来たりするわけですね。
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その場合は、まっさきに原因が疑われるポイントがありまして……
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ホー。見なくても分かると言わんばかりですが……
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はい。加工されたヘッドライトだったとしたら、しっかり殻閉じ(組み立て)できていない可能性が大ですから。
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シールが甘いってことか。
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そうです。シーリング剤が使われているヘッドライトを殻割りするときは、ドライヤーの熱などでシーリングを温めてから分解しますが……
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開けたままの状態で、閉じるときには再び温め直してレンズを閉じればいい……と思っている人がたくさんいるようです。
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えーっと、それの何が悪いのかと言うと……?
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レンズを開けたときの状態だとシーリングがネバーっと伸びて、ケバだったような状態です。
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このまま熱だけ加えて柔らかくしてレンズを押し込んでも、中には空気がいっぱい入って隙間だらけになるので、当然ながら水が入ります。
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う。結露の原因になりますね…。
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そうです。分解したヘッドライトを戻すときは、シーリング剤に熱を加えながら、ちゃんと平らに整えてからレンズを戻さないといけません。
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この作業には時間も手間もかかります。だからといってやらなければ、ヘッドライトに水が入って結露するのは避けられません。
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シーリングが劣化して痩せて隙間ができるケースもあるけれど、それと同じ状況を作っているようなものね。
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過去を振り返っても、加工されたヘッドライトの結露の原因は、そのほとんどがコレでした。ある意味では原因が分かりやすいです。
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自分で加工したDIYユーザーなら身に覚えがあって気づくかもしれないけど、中古車で買ったときから……っていうパターンだと、なかなかビミョウな話ですね。
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ただ、この場合は原因が分かりきっているので、結露の修理方法はシンプルですね。
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えーっと、まずはもう一度ヘッドライトを殻割りして……
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必要に応じてシーリング剤を足しながら、熱を加えて、押し込みながら平らにならします。
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そのあとで、レンズを再び閉じればいい。
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理屈は簡単ですが、丁寧にやると時間がかかる作業。それだけに十分にやりきれていない例が多いようです。何台もこのパターンの結露車を修理してきましたので。
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おそらく加工する人の心理としては「やったLED加工できた! さああとはレンズを戻すだけ!」って、いう気分なんでしょうね。
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その最後の作業が、重要なんですけどね。
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ところで最近は、シーリング剤を使っていないヘッドライトの車もあるようですが?
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シーリング剤ではなくゴムのような部品(ガスケット)でシールされている車の場合は、これはどのみち再利用できません。
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ヘッドライトを殻閉じする前に、部品としてガスケットも注文しておいて、新品を使って殻閉じします。
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つまり中途半端に再利用できるシーリング剤のほうが、ある意味では処理が甘くなる可能性が大ってことですね。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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